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闇夜の奇襲と発光苔

俺たちはミラの案内に従い、足音を殺して水路の奥へと進んだ。

通路の角からそっと覗き込むと、ミラの言った通り、汚水溜まりのそばで3匹の巨大なネズミ──ジャイアントラットが、生ゴミの山を漁るのに夢中になっていた。


アル「……よし、あいつら完全に飯に夢中だ。俺とガンテツで左右から突っ込む。ミラは背後に回り込んで逃げ道を塞いでくれ。一気に片付けるぞ」


セシル「了解したよ。僕は後方から魔法の矢を準備しておく。万が一君たちが仕損じた時の保険だ。ザインは……まあ、そこで大人しくしててくれ」


ザイン「おやおや、心外ですねぇ。ですが、あのような不浄なる獣に触れるのは私の本意ではありません。遠くから、彼らに死という名の『功徳』を祈らせていただきましょう」


ガンテツ「ガハハ! 御託はいい! 行くぞ、若造!」


ガンテツの合図とともに、俺たちは暗がりから一気に飛び出した。

不意を突かれたネズミたちが甲高い鳴き声を上げる前に、俺の槍が一番手前の1匹の喉元を正確に貫く。


同時に、ガンテツの巨大な鉄盾が、逃げようとした2匹目をゴミの山ごと壁に叩き潰した。鈍い音が地下水路に響き渡る。


残る1匹がパニックを起こして通路の奥へ逃げようとしたが、そこにはすでにミラが回り込んでいた。

彼女は暗闇で目を光らせながら、音もなく跳躍し、ネズミの延髄に持っていたナイフを深く突き立てた。


ミラ「……甘いね。アタシの獲物を横取りしようだなんて、百年早いよ」


わずか数秒の出来事だった。ネズミたちは反撃する隙も与えられず、ピクピクと痙攣したのち動かなくなった。


アル「ふぅ、上手くいったな。怪我人はいないか?」


ガンテツ「ガハハ! こんなネズミどもに遅れをとるわしじゃねぇよ! さあ、さっさと尻尾を切り取って、あの光る草を集めるぞ!」


セシル「尻尾の根元から綺麗に切断するんだよ、アル。千切れたり、汚水が傷口に染み込んだりすると、買取価格を下げられるからね」


俺たちは慎重にナイフを使い、綺麗な状態のネズミの尻尾を3本回収した。

その後、壁に群生している発光苔を袋いっぱいに掻き集め、依頼の主目的を達成した。


サイドストーリー


戦いが終わり、俺たちが苔を回収している間、ザインは水路の隅で必死に自分の法衣の裾を払っていた。


ザイン「ああ……なんということでしょう。ネズミの返り血が、私の神聖なる法衣に一滴跳ねてしまいました。これは由々しき事態です。すぐにでも教会に戻り、清めの儀式(という名の洗濯)と、新しいお香を買うための特別予算を組まねば……」


ミラ「アンタ、何にもしてないくせに一番うるさいね。その汚れ、アタシのナイフで削ぎ落としてやろうか?」


ザイン「おや、野蛮な提案は謹んでお断りしますよ。神の使いに刃を向けるなど、どれほどの重罪か……」


ミラはザインの文句を無視し、ネズミが漁っていたゴミの山をブーツのつま先で器用に突っついた。


ミラ「……おっ。汚い布切れに混じって、使えそうなガラスの小瓶が落ちてるね。洗えば薬屋が銅貨1枚くらいで買い取ってくれるかも」


アル「お前、本当にすげぇな……。どんな場所でも金目のものを見つける執念、見習いたいぜ」

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