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捕算の皮算用とネズミの価値

俺たちは酒場スペースから再び受付へと戻った。

異常繁殖しているというネズミを利用して、少しでも今日の飯代の足しにできないかと考えたからだ。


アル「……なぁ、セシル。どうせネズミが出るなら、倒して素材を売った方が得じゃねぇか?」


セシル「確かに。ジャイアントラットの尻尾は、錬金術の安い触媒や、低級な解毒薬の材料になるはずだ。念のため、エリーナさんに現在の買取価格を確認しておこう」


俺たちは書類の整理に追われているエリーナのカウンターへ歩み寄った。


アル「おい、エリーナ。忙しいところ悪いが、ジャイアントラットの尻尾って今どれくらいで売れるんだ?」


エリーナ「あら、アルさん。地下水路の件ね。……そうね、今は異常繁殖しているせいで、少し供給過多気味なのよ。通常なら5本で銅貨2枚だけど、今は10本で銅貨3枚ってところね」


ミラ「10本でたったの銅貨3枚? 足元見すぎじゃないの。ギルドが間引かせたいなら、もっと色をつけなさいよ」


エリーナ「私に文句を言われても困るわ。ギルドの規定価格なの。でも、持ってきてくれれば確実に買い取るわよ。ただし、腐りかけや千切れたものはダメだからね」


ザイン「おやおや、汚らしいネズミの尻尾を10本も集めて、ようやく銅貨3枚ですか。私の神聖な指先を汚す対価としては、あまりにも安すぎますねぇ」


ガンテツ「ガハハ! 四の五の言わずに、見つけたら全部叩き潰せばいいだけだ! 塵も積もれば山となるって言うだろ!」


セシル「……労力に見合うかは微妙だね。でも、ゼロよりはマシだ。わざわざ群れに突っ込むような真似は避けて、向かってきた個体を確実に処理して回収しよう」


サイドストーリー


受付の隣の素材買取カウンターでは、悪臭を放つ泥だらけの冒険者が、パンパンに膨らんだ麻袋をドサリと置いていた。


冒険者C「おらよっ。ネズミの尻尾、50本だ。さっさと数えて金にしてくれ」


査定係「うっ……ひどい臭いですね。それに、これ半分くらい千切れたり腐ったりしてますよ。規定通りに買い取れるのは20本分だけです」


冒険者C「ああっ!? ふざけんな、こっちは下水まみれになって集めたんだぞ!」


ミラ「……チッ。あんな風にはなりたくないね。回収するなら、綺麗なやつだけ素早く切り取って、別の袋に入れないとダメみたいだ」


アル「ああ、臭いが移ったら宿のマーサに追い出されかねないからな。取り扱いには気をつけよう」

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