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探索前の情報収集

依頼を受注したものの、何の準備もなく地下水路へ飛び込むのは危険だ。

俺たちはギルドの酒場スペースに移動し、最近地下に潜ったらしい冒険者たちを探して話を聞くことにした。


アル「いきなり潜るのも不安だ。ちょっと周りの奴らに話を聞いてみようぜ。何か厄介な魔物でも棲み着いてたら、今の俺たちじゃ逃げ切れないからな」


セシル「賛成だね。事前の情報収集は生存率を大きく上げる。僕たちのような貧弱なパーティなら、なおさら危機管理は徹底するべきだよ」


ガンテツ「ガハハ! ならば、わしの出番だな! おう、そこのモグラ髭のダンじゃねぇか! 最近地下水路に潜ったか?」


ガンテツは知り合いらしいドワーフの冒険者のテーブルに歩み寄り、大きな声で肩を叩いた。


ダン「おお、ガンテツ! 地下水路か……あそこは今、ちょっと厄介だぞ。奥の方でジャイアントラットが異常繁殖してやがる。腹を空かせてて気が立ってるから、不用意に近づかないことだな」


アル「ジャイアントラットか。ただのデカいネズミだが、群れで来られると厄介だな……」


セシル「……なるほど、貴重な情報だ。ネズミは不衛生な病原菌を持っている可能性が高い。噛まれたら最後、高額な治癒ポーションを買う羽目になるね」


ザイン「病原菌……つまりは不浄なる穢れですねぇ。噛まれたのなら私の神聖な治癒魔法の出番というわけですが、もちろん特別なお布施が必要になりますよ?」


ミラ「アンタの法衣を質に入れるのが先だよ、ニセ僧侶。……でも、ネズミの尻尾は素材屋で小銭になるね。奥に深入りしなきゃ、いい小遣い稼ぎになりそうだよ」


アル「よし、ネズミの群れには警戒していくぞ。奥には深入りせず、手前の発光苔だけ集めてさっさと引き上げよう」


サイドストーリー


俺たちがダンのテーブルで話を聞いている最中、酒場スペースの隅でミラがしゃがみ込み、何かを靴底で踏みつけていた。


ミラ「……おっと。神様からの恵みだね。酔っ払いが落としていった銅貨一枚、ありがたく頂いておくよ」


ミラは素早い手つきで足元の銅貨を拾い上げ、自分のポケットへと滑り込ませた。

その手際の良さに、背後からぬらりとザインが顔を出す。


ザイン「おやおや、ミラさん。その恵み、私と半分こしませんか? 神の使いとして、その浄財を正しく管理してさしあげますよ」


ミラ「寝言は寝て言え。これはアタシの靴底にくっついてたただの汚れだよ。アンタの酒代に消えるくらいなら、ドブに捨てた方がマシだね」


セシル「……君たちのその逞しさ、ある意味尊敬するよ。アル、僕たちはああならないように気をつけようね」

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