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冒険者アル  作者: テステス
6章 ロマン
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Cランクへの道標と、豚鬼の将

翌朝、俺たちは昨日の勢いそのままに冒険者ギルドを訪れた。朝のギルドは活気に満ちており、掲示板の前にはその日の稼ぎ口を探す冒険者たちが群がっている。

俺は迷わず受付へ向かい、エリーナに声をかけた。


アル「おはよう、エリーナ。今日も稼ぎに来たんだが……その前に一つ、聞いておきたいことがある。俺たちが『Cランク』に昇格するには、何が必要なんだ?」


俺の問いに、周囲の喧騒がわずかに静まったような気がした。Cランクといえば、一人前のベテランとしてギルドから確かな信用を得た証明であり、高難度の遺跡探索や指名依頼を受けられるようになる重要な節目だ。


エリーナは少し驚いたように目を瞬かせた後、真剣な表情で頷いた。


エリーナ「Cランクへの昇格ですね。条件は大きく三つあります。一つ目は『規定数のDランク依頼の成功実績』。二つ目は『ギルドおよび街への貢献と信用』。そして三つ目が、ギルドマスターが指定する『昇格試験の突破』です」


エリーナは手元の帳簿をパラパラと捲り、俺たちの顔を真っ直ぐに見つめ返した。


エリーナ「アルさんのパーティは……はい、実績の面ではもう十分に条件を満たしつつあります。……もし、本気で上を目指すおつもりなら、この依頼を受けてみませんか?」


彼女がカウンターに差し出したのは、羊皮紙に赤い印が押された特別な手配書だった。


エリーナ「カランドラ近郊の森に、はぐれオークの集落ができつつあります。ただのオークなら問題ないのですが、どうやら統率の取れた『オーク・チーフテン』が群れを率いているようです。難易度はDランクの最上位……実質的にはCランクに片足を突っ込んでいます。報酬は銀貨25枚。今の皆さんなら、これを『昇格への足掛かり』にできると私は踏んでいるのですが」


銀貨25枚。

俺が振り向くと、仲間たちはすでにやる気に満ちた顔で頷いていた。


ガンテツ「ガハハハ! 相手にとって不足なしだ! 豚肉のミンチを作ってやるぜ!」

ミラ「報酬も悪くない。Cランクへの布石になるなら、一石二鳥じゃないか」


アル「……決まりだな。エリーナ、その依頼、俺たちが引き受けるよ」


サイドストーリー:それぞれの覚悟と嘆き


ギルドを出て森へ向かう道中、セシルがオーク・チーフテンの生態について注意を促していた。


セシル「オーク・チーフテンは通常のオークより一回り大きく、知能も高い。部下に陣形を組ませたり、粗悪でも金属の鎧を着込んでいたりするから油断は禁物だよ。アルたちの新しい打撃武器が、ここでも鍵になるね」


フィオ「♪~豚の王様、どんとこい! ボクらのハンマーで、お空の星にしちゃえ~!」


ザイン「……金属の鎧を着たオークですか。不条理です。彼らは間違いなく泥と脂と血の臭いにまみれているはず。そんな連中と乱戦になれば、私の法衣が……おお、神よ! どうか敵の返り血が私にだけ降りかからぬよう、強力な風の加護を!」


ザインが本気で天に祈りを捧げる中、アルは槍の柄を強く握り締めた。

Cランクへの昇格。遺跡の攻略。そして、家を買うという夢。

全ては繋がっている。このオークの群れを打ち破った先にある「確かな未来」を掴み取るため、俺たちは決意の足取りで森の奥へと進んでいった。

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