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新しい朝と確かな休息

柔らかいシーツと、背中を痛めない適度な弾力のマットレス。

硬い床で迎える朝とは比べ物にならないほど、体の隅々まで活力が満ちているのを感じながら俺は目を覚ました。


アル「ふぅ……やっぱりまともなベッドは違うな。疲れの取れ方が全然違うぜ」


俺が大きく背伸びをしていると、隣のベッドからセシルが寝癖のついた頭を起こし、器用に眼鏡をかけた。


セシル「おはよう、アル。……大銅貨を支払っただけの価値は十分にあったね。これで今日のパフォーマンスは劇的に向上するはずだ。需要と供給のバランスが完璧に取れた、良い自己投資だったよ」


ガンテツ「 若造ども、よく寝たか! わしはもう腹が減って盾が持てねぇぞ! さっさと下へ降りて飯にするぞ!」


ガンテツはすでに鎧の留め具を締め終わっており、朝から漲るエネルギーを持て余している様子だった。

そこへ、女子用の相部屋からミラが大きなあくびをしながら出てきた。


ミラ「……おはよ。ふぁ……やっぱり屋根裏の藁とは大違いだね。背中が全然痛くないや」


アル「よう、ミラ。たまには贅沢して柔らかいベッドで寝るのも悪くないだろ?」


ミラ「……まあね。でも、大銅貨1枚が飛んでったと思うと、もったいなくて夜中に何度か目が覚めたよ。この出費分は、今日の依頼でしっかり回収させてもらうからね」


ザイン「神の使いである私にふさわしい、清浄なる朝ですねぇ。神の恵みである安らかな眠りは、何物にも代えがたい功徳です。……さて、マーサさんの朝食が待ち遠しいですねぇ」


ザインも法衣のシワを伸ばしながら、どこか上機嫌で部屋から出てきた。

それぞれの思いはありつつも、大銅貨を支払った恩恵はしっかりと全員の体を回復させていた。俺たちは装備を整え、一階の食堂へと向かった。


サイドストーリー


食堂に降りると、マーサがすでに大鍋に火をかけており、香ばしいパンの匂いが漂っていた。


マーサ「おはよう、あんたたち! 昨日はよく眠れたかい? まだ朝飯の準備には少し時間がかかるけど、石パンの耳ならすぐに出せるよ!」


ザイン「おや、マーサさん。昨日しっかりと大銅貨をお支払いしたのですから、今朝はぜひとも焼きたての柔らかいパンをいただきたいものですねぇ」


マーサ「寝言は寝ていいな! 昨日の分は昨日の分、今日の飯を食いたきゃ今日の稼ぎを出してからにしな! ほら、さっさとギルドに行って仕事を取ってきな!」


ガンテツ「ガハハ! 違いねぇ! 稼がなきゃ飯は食えんからな! 行くぞ、アル!」


朝から響き渡るマーサの怒鳴り声とガンテツの笑い声に、俺は苦笑いしながら赤猫亭の扉を開けた。

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