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甘い罠への拒絶

銀貨2枚という報酬は確かに魅力的だった。

だが、セシルの言う通り、怪しい話には必ず裏がある。今の俺たちに、そんな大きな賭けに出る余裕はない。


アル「……悪いな、ルーク。銀貨は惜しいが、今回はパスだ。今の俺たちじゃ、アンデッドが出てきたら骨の髄までしゃぶられちまうからな」


ルーク「……そうかい。もったいない話だが、まあいいさ。命あっての物種ってやつだ。気が向いたらまた来な、いつでも歓迎するぜ」


ルークは肩をすくめ、再び布で顔を覆い隠した。

俺たちは裏路地を後にし、定宿である『赤猫亭』へと向かって歩き出した。


ガンテツ「もったいねぇことしたな、アル! わしの盾で骸骨の頭をカチ割ってやる絶好の機会だったのによ!」


セシル「……ガンテツ、君のその脳味噌まで筋肉でできているような思考は、いつか必ず命取りになるよ。僕たちは慎重に、着実に力をつけるべきだ。……アル、君の判断は正しかったと思う。今の僕たちに、裏の仕事はまだ早い」


ザイン「神の使いである私の出番がなくなってしまったのは残念ですが、まあ、命拾いしたとでも思っておきましょう。……ところで、夕食は肉が出るのでしょうね?」


ミラ「……チッ。まあ、アルがそう言うなら仕方ないね。アタシはアタシで、また別の儲け話を探すとするよ」


ミラの声には少し不満が混じっていたが、俺の決定には従うようだ。


サイドストーリー


裏路地を抜け、大通りに出たところで、俺たちは一台の豪奢な馬車とすれ違った。

馬車の窓からは、きらびやかな衣装を身にまとった貴族らしき人物の姿が見えた。


セシル「……あれは、領主の馬車か。こんな辺境の街で、あんな派手な馬車を乗り回すなんて、良い趣味とは言えないね」


アル「領主か……。あいつらは、俺たちがこうしてその日暮らしをしていることも知らないんだろうな」


ミラ「……チッ。あいつらのポケットから銀貨の一枚でもくすねてやりたいところだね。……まあ、今は我慢しとくよ」

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