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秘密の軍事学校でニートが改心します  作者: ryuu
第1章 軍事学校
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クーデター 後編

後編ですが内容的には中節みたいな扱いのお話です。

神楽坂月こと私はこの秘密の島に来て日本と言う国のために戦えることを誇りに思えていた。

しかも、軍曹と言う学生一同の責任者としての軍位まで頂いたからにはその誇りに負けぬように頑張ることを切に願っていた。

 現実はどうだろうか。

 今、目の前では学生が能力に支配されたかのように暴徒と化して教員を襲っている。

 教員も学生の犯行に対して殺害を厭わない決断をして猛威をふるう。

 これでは戦争だった。仲間内の争いである。

 私はこのような戦争をしたくてこの学校に入学したというわけではないのに。

 一人の学生の安否を確認してみれば、死んでいた。

 またある一人の意識のある学生に近づいてみる。

 虚ろな表情で「だました罪を贖え、だました罪を購え、だました罪を購え……」と永遠にその言葉を繰り返し続けていて薄気味の悪い状態。

 催眠状態にかかってる?

 そんな風にも見えたけれども、素人判断ではなんとも言えない。ただ、生徒が勝手な思いこみで暴走したというのが確定的判断に見えた。

 第一、教官による管理庁の殺害を通達し、生徒の中に犯人がいると疑ったのを伝えただけだった。だが、生徒の一人が血迷ったように自分らを殺す気などという勝手な言い分をまくしたて銃を振りまわしたことで暴動は始まった。

 何よりも、不思議なのはあの時なぜ――


「一般の生徒だけだったはず……」


 しかし、今は私と一緒に倉庫裏に隠れたメンツの生徒以外がこの争いに加入している。それは一部の特異生徒が含まれてるからこうした死者が出始めてしまってるのである。


「そういえば、発端の一般生徒の姿が見当たらない」


 周囲を探ってみるが発端の生徒の存在がなかった。

 髪色が珍しい銀髪だったので覚えていた。

 だが、あの生徒は本当に一般生徒だったのだろうか。

 銀髪の生徒が私たちのクラス、特異生徒側にも一人いた覚えがあった。


「どういうこと? 双子? 兄弟?」


 日本人は基本的に黒髪であり、病気や留学生でない限りは銀髪の生徒が混じるなどあり得ることじゃない。

 そう、つまり生徒の中にもし銀髪がいればおのずとわかるしそれが「二人もいれば」誰か判別できてしまう。

 だが、生徒責任者の軍曹である私の記憶が正しければ特異生徒側の生徒でしか銀髪はいなかった。


「たしか、名前は……」


 記憶を探りながら、飛んできた銃弾を交わす。

 空間転移をし続けながら――ふと、身体に急激な脱力感が生まれた。

 それは私だけじゃない。他のみんなもそうであるかのように膝を地につけて座り込む生徒たち。中には気絶していく生徒もいた。


「いったい何?」


 突然来た脱力感。そして、脳が外部から何かとてつもなく強大な電流を流されたかのように痺れていく。

 おもわず悲鳴をあげてしまう。


「ぐがあああああああああああ!」


 観察してみると、悲鳴をあげてるのは特異生徒だけ。


 なにが違うの?


 一般生徒はただ息切れを起こして胸元を抑えて苦しそう。

 教官らがその隙をついて息苦しそうにしながらも近づいていく。

 すると、何人かの教官がおかしな行動を取った。それは自らの同僚である教官に向け銃口を向け引き金を引いた。

 血が飛び散って死んでいく教官たち。そして、衣服をはぎ取るとその制服はロシアの徽章をつけた軍服だった。


「まさか……スパイ?」


 しかし、日本人である。

 彼らスパイ教官は苦しさを装っていただけのようだった。何食わぬ顔で数人の教官を殺し、生徒に止めを刺していく。


「っ!」


 あまりにも壮絶なまでの光景に息を呑んだ。

 一人のスパイ教官が近づいて私の額に銃口を向けた。


「あなたたち誇りはないの!」

「誇りならある。ロシアと言う祖国に!」

「クタバレ悪魔の思想家ども!」

「死ぬのは貴様だ」


 引き金が引かれる刹那だった。

 銃口を向けていたスパイ教官の脳天から血が噴出して倒れた。

 どこから、銃声が次から次へとなってスパイ教官の怒号が聞こえてくる。


「おい! どこだ! スナイパーを探せ!」

「ぐぁ!」

「ぅ!」

「っ!」


 あっけなく死んでいくスパイ教官たち。

 その時、見えぬ何かが私のそばにいるのがわかった。

 呼吸する音が耳元で聞こえた瞬間――


「……月軍曹、助けに、きたです」

「うひゃ!」


 おもわぬ、声に変な声が出ててしまったわ。

 両手で口をふさいで今聞こえた声を再度頭の中でリピートした。


「紗枝?」

「はい、です」

「どうしてここに? みんなと一緒にいたんじゃ……」

「みなさん、スパイに捕まってしまいまして……って、大変です! 彼ら、ここを乗っ取って軍事利用する気なんです! そのキーとして神咲さんが!」

「はい?」


 まだ生きていたらしいスパイ教官が彼女の背中に向けて銃口を掲げていたのが見えた私はすばやく銃を抜いて撃った。


「あ、ありがとうございます」

「どういうこと? 星姫大佐がいたはずよね? 他の教官は?」

「それが……」


 彼女の顔を見て私はなんとなく事情を察した。 泣きたい気持ちをぐっとこらえた私は銃を手にして決める。


「事情を話して。今すぐ救出に行くわよ」

「え? でも……二人だけでは……」

「スパイに捕まってしまってっていったわね? なら、まず助けるのよ。捕虜になった仲間をね」


次回、主人公視点に戻ります

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