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価値

■ 本作について

本作は 世界観設定・アイディア構築・プロット立案をすべて著者自身が行っており、執筆の補助ツールとしてAIを活用しています。


■ 活用の具体的な範囲

自己規範にのっとり制作という一面はありつつも執筆であることは放棄しない方針です。

興味があればこちらをご覧ください→ChatGPT活用の具体的なイメージ[https://note.com/makenaiwanwan/n/nc92cf6121eb3]

■公開済エピソートのプロットを公開中

「主体性・創造性・発展性・連続性」を確保している事の査証が目的です。

https://editor.note.com/notes/n52fb6ef97d70/edit/


■ AI活用の目的とスタンス

本作は 「AIをどこまで活用できるか?」を模索する試み でもあります。

ただし、創作の主体はあくまで自分 であり、物語の本質やキャラクターの感情表現にはこだわりを持っています。

また、すべてを自身の手で執筆される方々を心から尊敬しており、競合するつもりはありません。

「発勁っ!」


 ドンッ!


 内部に直接撃ち込まれる衝撃破(ブラスター)

 装甲の内側で反響し、ボスのちいさな生身を容赦なく貫いた。


『痛くもなんともないっ!』


 だが、そのダメージは瞬時に修復されていく。

 身体に宿したナノマシン――変異体の核たる変異種(シード)による治療因子(ヒーリングファクター)の作用だ。


 痛覚の遮断だけでなく、脳内麻薬の過剰分泌までも誘発する。

 痛みも恐怖も、もはや存在しない。

 ただ、欲するものを手に入れるために。

 己の“欲望(リビドー)”を押し通すために発揮される力。


「――はやっ!」


 ドゴォッ!


 直撃ではなかった。

 振り抜かれた鉄腕が、ほんのわずかに(かす)っただけ。

 それだけで、肉が(えぐ)れ、鮮血が噴き出す。


 世羅の体は、バットで打たれたボールのように弾け飛んだ。

 むき出しの壁に激突し、コンクリートの床に跳ね、何度も転がる。


「ぐっ……がはぁ……!」


 胸を打ちつけた衝撃で息が詰まる。

 普段なら無意識に繰り返される呼吸である。

 生まれたばかりの赤子ですら、自然にできるはずの行為。

 それを、彼の体が“忘れてしまった”かのようだった。


『世羅くぅーーーーーんっ!』


 自分で殴り飛ばした世羅を追いかけ、巨体が疾走(はし)る。


 これまでのボスも、大きさほわりに鈍重ではなかった。

 それでも世羅の速度についてこられるほどではなかった。

 しかし、いまのボスは違う。


 スーパーウルトラヘビー級(1000ポンド超)の質量に、ミニマム級のスピードを兼ね備えている。

 常識ではありえない、矛盾した力の両立。


 単調な攻撃でも、速ければそれでいい。

 テクニックでは追いつけないほどのスピードで迫り殴りつければいいのだ。

 ボスはそれを、実際にやってのけていた。


 世羅もかろうじて反応できる速さではある。

 だが、体が追いつかない。その速度域での暴力だった。


『世羅くぅん! 待ってよぉおおっ!』


 残像を生むほどの速さで振るわれる両腕が、障害物を砕き、床を(えぐ)りながら迫る。


 世羅は地を転がり、床を()いずるようにして必死に避けた。

 それは回避でも防御でもない。ただ、無様に転がりながら距離を取っているだけだ。


「くそっ!」


 冷静に対処などできるはずがない。

 吹き荒れる暴風に、人が取りうる手段などないのだ。

 天災にも似た暴力が、鼻先を(かす)めていく。


衝撃破(ブラスター)っ!」


 ドンッ! ドンッ! ドンッ!


 もはやゼロ距離など言っていられない。

 懐に踏み込むリスクを払う余裕など、どこにもない。


 世羅は“飛び道具”を“飛び道具”のまま放っていた。


『何かしたぁ!?』


 ボスは意にも介さない。

 そよ風が肌を撫でるのと変わらないのだろう。


 世羅もそれは承知の上だ。

 他に取るべき行動がないのだ、余地のない選択に過ぎない。

 攻撃というよりは、目くらまし。

 時間を稼ぐための牽制(けんせい)だった。


 それによって稼いだコンマ数秒を、どう扱うかはまだ決めていない。


「落ち着けっ! 冷静になれっ!」


 世羅が叫んだ。


『ボクは冷静だよっ! 世羅くぅーーーーーん!』


 ボスが応える。


「オマエに言ってないっ!」


 冷静になれ――その言葉は自分自身へ向けたものだった。

 戦いのなかで我を忘れて勝利はない。

 危険な時ほど“冷静(クール)”に、血を凍らせろ。

 (おび)えかけた心に、そう言い聞かせる。


「こいっ!」

『あれ? あれ? あれ? 世羅くぅーん!?』


 立ち上がり、ボスと正対する世羅。

 押されに押され、後退し続ける現実は変わらない。

 それでも、世羅は真正面から受けてみせた。


(見たら間に合わんっ! だがリズムは一定だっ! リズムに身を預けるっ!)


 ブォン、ブォンと、空間を削るように振り回される両腕。

 目にも止まらぬ速さではあるが、単調だ。


『おっ? おっ? おっ?』


 世羅は上半身を左右に振って攻撃を避けていた。

 その動きはまるで、メトロノームの振り子。

 交互に振り抜かれる鉄腕に合わせ、左右へと揺れる。


(カッ、カッ、カッ……プレスト……いや、まだ遅いっ! ……プレストシモ! 極端に速くだっ!)


 ボスの攻撃は速すぎる。

 だが、世羅はその“リズム”に合わせて揺れ続け、必殺の鉄腕は空を切り続けた。


『すごいっ! すごいっ! 流石だよ世羅くん! そうでなくちゃ!』


 声は高揚し、胸が高鳴る。

 目のまえの男が“価値”を証明するたびに、自らの“価値”も高まるのだ。


 だが、本来そんなことはありえない。

 世羅とボスは別の人間。その気持ちは錯覚でしかない。


 それでも、すくなくとも。自らの“想い”が間違いではなかったと信じられる。


『だけど、ごめんね』


 巨体が宙に舞った。


「――ッ!?」


 ボスが空中で丸まる。

 まるで体育座りでもしているかのようだ。

 弾けるまえの収縮――次の瞬間、鉄塊の両脚が勢いよく伸び放たれる。


 それは、大木が根こそぎ倒れこむかのような、三メートルの巨躯(きょく)によるドロップキックだった。

 巨木を支えるような太く短い両脚。

 その幹のような胴体の重さを余すことなく乗せ、空気を裂いて迫る。


 ほんの一瞬の間はあった。

 身を翻すことも不可能ではなかった。

 だが虚を突かれた世羅の体は動かず、思考だけが「まずい」と叫んでいた。


 ドン――!


 世羅の体が弾け飛ぶ。

 頭と四肢をその場に残して、体だけが千切れ飛ぶような勢いだった。


 ズシンッ!


 地面への着地はボスが先だった。

 その重さで地面にはヒビがはしる。


 すこし遅れて、世羅の体が地面に叩きつけられた。

 受け身もままならず、蹴飛ばされた空き缶のように数度跳ねる。


『……ボクはね、暴力なんて嫌いなの……ホントだよ?』


 舞い上がった土埃(つちほこり)のなか、ボスはゆるりと立ち上がる。


『だって、野蛮じゃん? バカみたい……』


 言葉を続けながら、ズシンズシンと足音を鳴らして歩みを進める。

 体内に収まりきらない“欲望(リビドー)”の余波が、青い残光を引きながら揺らめいていた。


『でも、漫画とかアニメのなかでなら好きだよ? エンタメだもん。やっぱりバトル描写はこってなくちゃね。血しぶきとか、破壊とかないとつまんないし』


 その視線は伏し、震える男を見据える。


『ね? いまみたいにやればいいんだよね……? 案外、簡単じゃん』


 世羅の返事など待たず、問いかけを続ける。


 見よう見まねとすら言えない、漫画で見ただけの知識。

 格闘技の理屈などわからない。興味もない。

 ただ“そうやれば強い”と思っただけ、それだけで十分だった。


 自らの背丈の半分しかない世羅。

 彼の咄嗟(とっさ)のブロックごとぶち破り、吹き飛ばすなど造作もない。


「ぐっ……が……はぁ……」


 衝撃を正面から受け止めた両腕は、あり得ない角度に折れ曲がっていた。

 ガード自体は成功していたが、その威力に骨が耐えきれなかった。


『世羅くん! どうしたのその腕っ!? ごめんっ! ごめんねっ!』


 ボスは駆け寄った。

 太い腕で世羅の胴を掴み、そのまま抱きかかえる。

 まるで羽毛でも持ち上げるようだ。

 その剛腕には、何の重みも感じさせない。

 勢い余って、世羅の体が人形のように前後へと揺れた。


「……つぁ……あぁぁぁああ!!」


 世羅の体が跳ねる。

 強烈な痛み。我慢などできるわけがない。


 両腕が不自然な角度で垂れ下がり、悲鳴と同時にぶらぶらと揺れる。

 止めようとしても止まらない。折れた骨が擦れ合い、(きし)む音さえ聞こえる気がした。


『大変だっ! 大変だよっ! 世羅くんが死んぢゃうっ! 病院っ! 病院に連れて行かなきゃっ!』


 ボスの叫びが工場内に反響する。

 原因が自分にあることなど、忘れてしまっているかのような狼狽(ろうばい)だった。


『おいっ! 誰か! 救急車だよっ! はやく……!!』


 誰も居ない。誰も来ない。返るのは自分の声だけだ。


『って、誰もいないじゃないか! 何でだよ、使えなさすぎだよ!』


 四天王ふたりを人払いしたのは自らの意思。

 その他、大勢のメンバーが居ないのは、人望の無さが原因だろう。


「ぐぁぁ……」


 脂汗が(にじ)み、全身が細かく震える。

 その震えが折れた骨を刺激し、鋭い痛みがはしる。

 痛みに耐えようと力を入れると、その反動でさらに震えが強まり、痛みが増す。

 痛みと震えが互いを食い合い、増幅していく。


 気を失えと脳が命じる。

 だが、それはできない。それだけはできなかった。

 それは敗北を意味する。


『大丈夫! 心配しないでっ! ボクが担いで行くから! 病院いこっ! 大丈夫だよ! だから――』


 ボスは心の底から心配している。


『――投了(サレンダー)しなよ、ね? ……世羅くん』


 世羅の身を案じ、優しく“破滅(まけ)”を促した。

最後までお付き合いいただき、感謝です!


「いいね!」と思っていただけたら、高評価をいただけると嬉しいです!


今後の励みになりますので、もしよろしければ……!

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