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発勁

■ 本作について

本作は 世界観設定・アイディア構築・プロット立案をすべて著者自身が行っており、執筆の補助ツールとしてAIを活用しています。


■ 活用の具体的な範囲

自己規範にのっとり制作という一面はありつつも執筆であることは放棄しない方針です。

興味があればこちらをご覧ください→ChatGPT活用の具体的なイメージ[https://note.com/makenaiwanwan/n/nc92cf6121eb3]

■公開済エピソートのプロットを公開中

「主体性・創造性・発展性・連続性」を確保している事の査証が目的です。

https://editor.note.com/notes/n52fb6ef97d70/edit/


■ AI活用の目的とスタンス

本作は 「AIをどこまで活用できるか?」を模索する試み でもあります。

ただし、創作の主体はあくまで自分 であり、物語の本質やキャラクターの感情表現にはこだわりを持っています。

また、すべてを自身の手で執筆される方々を心から尊敬しており、競合するつもりはありません。

衝撃破(ブラスター)っ!」


 世羅の掌からエネルギーの奔流が(ほとばし)る。

 周囲の空間をビリビリと震わせながら、一直線にボスへ迫った。


『無駄なんだけどぉ!?』


 ドンッという音と共に、衝撃はボスの外装に沿って四散する。

 広がる衝撃は壁を揺らし、床を(きし)ませた。

 だが、その中心にたつ巨体だけは微動だにせず、揺るぎない。


「いくらでもくれてやるっ!」


 世羅はボスから十メートルほど離れた位置にいる。

 浅く腰を落とし、正対したまま両腕を交互に繰り出した。


 ドンッ! ドンッ!


 そのたびに青みを帯びたエネルギーの塊が、間断なくボスを襲う。


『無駄だって、言ってるでしょっ!?』


 ボスは両腕を目のまえで交差させる。

 空手における十字受けのような体勢で、そのまま突き進んだ。


 巨体からは想像もできないほどの素早い前進。

 常人なら一撃で昏倒(こんとう)する衝撃を蹴散らしながら、世羅へと迫る。


 狙いは間合いを詰めるだけではない。

 そのまま体当たりで押し潰すことだ。

 一トントラックがアクセルを踏み抜いて突っ込んでくるのを想像すればいい。


 世羅はその鋼鉄のタックルを、寸前まで引きつけて(かわ)す。


 ズドン! ズドン!


 巨体は止まらず、壁に激突しては跳ね返り、再び突っ込んでくる。

 まるでピンボールだ。ただし、そのボールは余りにも巨大で、質量も桁違いだった。


 世羅は右に左に()けつづけ、最後は垂直に跳躍し、三メートルの巨体を飛び越えた。


『だからさぁっ! ヒラヒラ逃げんなって!』


 まるで当たらない。苛立ちがボスの巨体からあふれ出ていた。


衝撃破(ブラスター)っ!!」


 世羅は空中で反転し、上下逆さのまま両腕で狙い撃った。


 ズドンッ!


 放たれた衝撃は、(さら)された巨体の背中に直撃する。

 轟音(ごうおん)と共に炸裂し、周辺を荒らした。


 天井や壁から破片がぱらぱらと落ち、()き出しのフレームから粉塵(ふんじん)が舞う。

 もうもうとした煙の奥に、なお巨体の影が立ち続けていた。


『……たく……もぉ……』


 ボスは振り返ることすらせずに言った。


『まるでサーカスじゃん、世羅くん……』


 直撃を受けたはずの背中には、傷ひとつない。


「……だな。猛獣の相手はつかれる」


 世羅は静かに答えた。口ぶりに明らかな皮肉が込められている。


 言葉と同じく、着地も無音だった。

 撃ち放った反動で半回転し、空中で姿勢を整えてから、余裕をもって着地していた。


『身軽だって意味だし! 猿にでも例えれば良かったの!?』


 ボスは世羅に向かって勢いよく振り返った。


「そう怒るな。冗談だ」


 世羅は油断なく構えを崩さない。


『怒ってないし! 伝わんない冗談とか冗談じゃないし! 本気だからな⁉』


 声を荒らげるボスとは対照的に、世羅の口調には余裕があった。

 それは意図的なものだ。負けられない戦いであるほど、彼は冷静を装う。


 海で波にのまれ、上下の感覚を失ったとき。

 吐いた息が昇る方向を見ればいい、水面はそこにある。

 危険なときほど冷静に、頭を冷やす。

 世羅はそれを徹底している。


「たしかにな。以後、改めよう」


 続けた言葉に挑発の色はなかった。

 素直に非を認め、素直に謝っている。

 すくなくともボスにはそう聞こえた。


『なんかさぁ……世羅くんって性格わるくね……?』


 だが、その“素直”な態度が神経を逆なでにすることもある。

 必死さを冷笑されているように感じたのだ。


 ボスは怒鳴り声とともに、三メートルの巨体が肩をいからせ拳を振り上げた。

 だが声にはどこか弾みがある。

 地面を踏み鳴らすたびに響く音は重いのに、妙に軽やかに聞こえた。


「そうか? 普通だとおもうが」


 世羅は飄々(ひょうひょう)とした態度を変えない。

 しかし、それも火に油なのだ。


『普通じゃねーよ!』


 ボスは健気にも全力で応えた。

 腹を立てながらも、振り回されることをどこかで楽しんでいるように映る。


 これまでの戦いで激しくやり合ってきたが、息を切らすことなどなかった。

 人を超えたパワーとスピード、それを支える底知れぬスタミナ。

 人外――それが“変異体”という存在だ。


 けれどいま、ゼェゼェと重い呼吸が漏れている。

 肉体的な疲労ではない。世羅へのツッコミに疲れ果てた結果だった。


『……はぁ……とにかくさぁ……キミの切り札ってこれ? この程度?』


 息をつきながら、ボスは続けた。

 その声には期待を裏切られたあとのような響きがある。


「……」


 世羅はすぐには応じず、静かに視線を保っていた。


『試したいこと……なーんて、いうからさぁ。ちょっと期待したけど、ただの飛び道具とか……草』

「……そう焦るな。オマエはふたつ間違えている」


 世羅はそう言いながら、指を二本立てた。

 当然、ボスに向けて手の甲を向ける形だ。

 ピースサインにならない方。


「試したいこと……とは、確かにこのことだったが……」


 言いながら二本の指の間からボスを見やる。


「まだ“工夫”が足りてない」

『はっ? 何言ってんの?』

「昔から、格闘技は……いや、コイツの場合は“武”か……色々と興味はあってな」

『はぁん?』

「聞きかじった程度の代物でも……試す価値はあるだろう?」

『えっ? 何っ? なんか、語り出したけど……キモ……』

「“いま”の私なら。“変異体”ならやれるんじゃないかと思ってな……」

『うざっ! 語んなって! 陰キャかよ! キミっ!』


 巨体の踏み込みに耐えきれず、地面がへし折れる音を上げる。

 同時に急加速したボスが世羅に迫った。


 右、左、右――繰り返し腕を振るうだけ。

 だが、その腕はあまりに太く、あまりに硬い。

 ボスには技など必要ない。これまで必要としたことがなかった。


「……はじめてだからなっ――」


 しかし、世羅には触れることすらできない。

 剛力は技に封じられ、(かす)りさえしなかった。

 本来なら、一撃かすっただけで決着がつくはずなのに。


『なにがだよぉ!!』


 負ける気はしない。だが、捻じ伏せるイメージも沸いてこない。

 それがボスの心の内だった。

 焦りが、じわりとにじみ出す。


『このぉ! このぉおおおっ!!』


 ボスの猛攻を世羅は受け流す。

 ダッキング、ウィービング、スウェー、体捌(たいさば)き――ときには迫りくる巨腕を打撃で打ち払い、一切の攻撃を外させた。

 彼は一歩も“後退(さがる)”ことなく、すべてを受け切っていた。


 避けることに専念すれば容易……そんな甘いものではない。

 ひとつ被弾すれば、それまでだ。

 激流に()まれた木の葉のように、くちゃくちゃに押し潰されるだろう。


 心の奥に芽生える恐怖は押し殺し、無視する。

 だが、勝機だけは決して見逃さない。

 そのつめたい眼差しは、防御の先にある“瞬間”を狙っていた。


『~~~~……っっ……はぁっ……!』


 一瞬の間が生まれた。

 繰り返される猛攻が、呼吸のためにわずかに途切れたのだ。

 その一息が、“隙”となった。


 世羅が脇の下へ滑り込み、巨体に密着する。


「……手加減できんぞ――」


 伏せた顔は見えない。

 だが、そこから立ちのぼる圧は異様だった。

 場の空気が一変し、刃物のような気配がボスに迫る。

 巨体の背をぞくりと震わせるほどの殺気が、確かにあった。


『ッ!?』


 添えられた拳は、ちょうどボスの下腹部の位置にある。


 打撃とは、拳の移動によって威力を生むものだ。

 弓に例えればいい。引き絞り、打ち放ち、叩きつける。

 添えるだけでは、触れるだけでは、力など生まれない。


 だが、次の一撃は――この一撃は違っていた――


「――発勁(はっけい)ッ!」


 ドォンッ!


 触れた拳から発せられた衝撃がボスを穿(うが)つ。

 それは装甲を砕くものではない。


 内部に直接(はし)り、爆ぜた。

最後までお付き合いいただき、感謝です!


「いいね!」と思っていただけたら、高評価をいただけると嬉しいです!


今後の励みになりますので、もしよろしければ……!

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