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想い

■ 本作について

本作は 世界観設定・アイディア構築・プロット立案をすべて著者自身が行っており、執筆の補助ツールとしてAIを活用しています。


■ 活用の具体的な範囲

自己規範にのっとり制作という一面はありつつも執筆であることは放棄しない方針です。

興味があればこちらをご覧ください→ChatGPT活用の具体的なイメージ[https://note.com/makenaiwanwan/n/nc92cf6121eb3]

■公開済エピソートのプロットを公開中

「主体性・創造性・発展性・連続性」を確保している事の査証が目的です。

https://editor.note.com/notes/n52fb6ef97d70/edit/


■ AI活用の目的とスタンス

本作は 「AIをどこまで活用できるか?」を模索する試み でもあります。

ただし、創作の主体はあくまで自分 であり、物語の本質やキャラクターの感情表現にはこだわりを持っています。

また、すべてを自身の手で執筆される方々を心から尊敬しており、競合するつもりはありません。

「ヒュッ!」


 ドガガガッ!


 世羅は一息で四発の打撃を繰り出した。

 そのすべては、ボスの巨体を支える脚に叩き込まれた。


 格闘技において、体格差のある相手の四肢を狙うのはセオリーだ。

 デカくて太い相手ほど、それを支える脚が強くなくてはならない。

 その脚にダメージを与えられれば、自重を支えることができなくなる。


『避けるなって言ってんじゃん!』


 ボスは低く響く声を張り上げた。

 同時に振るわれる剛腕は、コンクリートの壁を容易に突き破る威力。

 避けるなとは、世羅からすればあまりに身勝手な言い分だった。


 だが、ボスはこれまですべての問題をそうして解決してきた。

 相手がしてほしいことをしなければ殴り飛ばし、命令するまえに殴ったことすらある。


 ボスの全身は岩と鉄の(よろい)で覆われている。

 甲冑を着込んだというよりは、巨岩に頭と四肢が生えた――そんな表現が適切かもしれない。

 全身がノッペリと硬質で、だが砂利を敷き詰めたような手触り感を持っていた。


 人型である以上は、肘や膝といった関節は存在する。

 関節の前面は岩と鉄の板を幾層にも重ねた構造で、防御力はその他の部位と変わらない。

 だが、その裏側に関しては違っていた。


 おそらく岩と鉄を原材料とする、硬質なメッシュ生地で覆われている。

 柔肌というわけではなく、鋭利な刃物で斬っても刺しても無駄だろう。


 しかし、すべてを防ぐ“堅さ”はない。

 世羅は拳に返る感触から、それを察していた。


 ゴガガガンッ!


『もうホントにうざいんだけど!!』


 ボスの叫びに、世羅は取り合わない。言葉ではなく、拳で返す。

 装甲の関節部への打撃を続ける。


 狙いは精密で、両脚の膝裏に集中していた。

 一撃では届かない。重ねても足りない。


「叩き続ければどうだっ!」


 ガガガガガン!


『ッ!?』


 世羅の攻撃は、ボスの一振りにあわせて繰り出されていた。

 一撃必殺を()(くぐ)っての、刹那のカウンター。


 遂に、一息で六発のコンビネーションを叩き込む。


『……世羅くんさぁ……』


 ふと、ボスの動きが止まった。

 それまではまえかがみで単調に両腕を振り回し、世羅に向かって前進していたのに。


「どうした? 来ないのか?」


 ゆっくりと背を起こすボスを見やりながら、世羅がいう。

 油断はなく、利き手を顎のまえに、左手を腰の高さに。体は半身、膝はリラックス――構えを崩さない。


『いや効いてないし? 最初はちょっとビビったけどさ……でもマジで全然効いてないからね?』


 太く分厚い上半身、そこに埋め込まれたような頭を器用にかしげながら、ボスは言った。


「そうか、忠告どうも」


 世羅も鏡合わせのように首をかしげて応じる。

 真に受けてはいない――とでも言いたげに。


『もぉ~! ほんと効いてないの! 関節狙ったって無駄無駄無駄っ! そんなのボクに届くわけないでしょ!? いつまで同じことやんの!?』

「一晩中でも」

『なんでだよ! 頑固かよ!? 石頭かよ!?』

「……そんなにムキになるってことは、効いてるってことでいいんだな?」

『効いてないっていってんのに! ちゃんと話聞けよぉ!』


 苛立ちを隠せず、ボスが巨体で地を踏み鳴らす。

 ズシンズシンと地面が揺れ、鉄骨の隙間から粉塵(ふんじん)がぱらぱらと降り注いだ。


『せっかくふたりきりになって”あげてる“んだからさ!?』


 いまこの場にいるのは、世羅とボスのふたりだけ。

 百人いたメンバーの半分はソフィアのトラップにかかって脱落し、残りの半分は行方不明。


 もっとも、行方不明に関してはボスには見当がついていた。

 どうせその辺りでサボっているのだ、と。


 ボスとメンバーの間に、信頼や繋がりといったものは最初からない。

 決闘(デュエル)を終えたら、無傷で戻ってきた連中は見せしめに“ボコってやろう”。

 そんなことを平然と考えていた。


 大半のメンバーを使い物にならなくしても気にしない。

 この決闘(デュエル)に勝てば、目のまえの世羅が手にはいる。

 価値のないメンバーなど、どれだけ失おうとも些細なことだった。


 四天王のふたりであっても、それは同じだ。

 世羅との一対一をあっさりと断ったくせに、既にこの場から姿を消している。


 姿を現さぬスナイパーの狙撃を知った瞬間、ボスは彼らを切り離した。

 本物の兵器をまえに、足手まといと見なしたのだ。


 逃げ惑い場を荒らすくらいなら、探しだして何とかしてこいと、冷たく言い放なった。

 ふたりの不満げな顔も一喝で黙らせた。


 どこに潜んでいるか見当もつかない狙撃手(スナイパー)

 ボス自身も見つけるのは望み薄だと承知していたが、せめて囮役(でこい)にはなるだろう、と……仲間を軽んじるその思惑は冷酷な計算で動いていた。

 そして、その判断は功を奏していた。

 いまは世羅とボス、ふたりの時間だった。


『てかさぁ世羅くん……キミ、ボクのことマジでわかってなくない?』

「……?」

『……あーもう……じゃあ質問変えるけど、もしかしてさ、ボクのこと“大男”だと思ってる?』

「見たままだが?」

『はぁ!? ないないない! こんなデカい人間いるわけないでしょ!?』


 悲鳴にも似た叫び。

 世羅はそこで、ふと考え込む。


「……もしかして……?」

『ん? なに? なに? いまなんか気づいた!? 言ってみ? はやくはやく!』

「オマエの言葉……一理あるな。鎧かと思っていたが……パワードスーツに近い……のか?」

『……あー、そうそう、そのことね……』


 その声は妙に寂しげだった。


『そうだよ……“着てる”んじゃなくて、“乗ってる”の!』


 鉄仮面をかぶり心を閉ざしているのに、世羅には逆を求める――そんな身勝手さがにじんでいる。


『だから関節とか狙っても意味ないからね!? なかにいるボクには一ミリも届いてないから!』

「仮にそうだとして……それを私に伝える意味はなんだ?」

『べ、別にぃ!? 必死で無駄なことやってる世羅くん見て、ちょっと(あわ)れだな~って思っただけだし! それに時間の無駄じゃん? どーせボクが勝つんだからさ、サクッと決着つけないとコスパわるいっしょ?』

「……ふむ……“変異体:ゴーレム”に素体が大柄という特徴はなかった気がするな……ウソはついていない……か……」


 世羅は変異体に精通している。

 人生の大半を人為変異学の研究者として過ごしてきたからだ。

 その仕事は“エリート”と呼ばれるもので、多忙ではあったが、食うに困ることはなかった。

 だが、彼は外界(そと)での地位を捨て、変異島に堕ちた。


『ウソなんて言ってないよ! ホントに気づいてないよコイツ……!』


 まるでバスルームに反響する子供の癇癪(かんしゃく)のような、甲高い声が巨体から響き渡った。


「……?」


 これだけ拳を交わしても、ふたりの会話は噛み合わない。

 ボスの“気持ち”も怒りも、世羅には届いていなかった。


『で、どうすんの? やんの? それとも……投了(サレンダー)?』


 傷つけたいわけではない。

 ただ、手に入ればそれでよかった。


「いや、まだこれからだ。私には切るべきカードが残っている。試したいこともな……オマエはどうだ?」


 世羅は肩をすくめていった。


『試したいこと? はぁ? なにそれ意味わかんないんだけど? そんなの必要ないって! 世羅くんが勝てるわけないんだから! で、最終的にキミはボクのモノになるんだよ!』

「……くくく」

『なに!? なにかおかしい……?』

「なに……この姿なんでな。よく女性に間違えられるんだが……」


 わざとらしく肩をすくめ、世羅は間を置いた。


「……私は男だ……見た目で判断はよくないぞ?」

『どの口でいってんだよっ!? 知ってるっつーの!! バカッ!!』

「そうか……うーん、それなら……なんといって良いか。私はノーマルだぞ、そんな趣味はないが……」

『ボ、ボクだってそうだし!? もううるさいなぁ! わかってないならもういいよっ! やるよ!?』


 ボスの声には、怒りと寂しさが入り混じっていた。

 彼女の想いは、まだ届かない。


最後までお付き合いいただき、感謝です!


「いいね!」と思っていただけたら、高評価をいただけると嬉しいです!


今後の励みになりますので、もしよろしければ……!

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