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ガシャガシャとと音を立てて、雪の中をフルアーマーの兵士が五名、ロイドの町に近付いてくる。
防壁の上で警備をしていた兵士達が大声を張り上げて応援を呼び、住民達へ役場に避難指示を出して回る。
「我々は主たる『飽食の王』の使いだ!訳有ってこのような格好をしているが、こちらに攻撃の意思は無い!町の代表と今後の話がしたいので取り次いで貰えないか!!」
五名の兵士の内、兜に羽飾りの付いた一人が前に出て防壁上の兵士に声を掛けた。が、兵士達からの返答は無く、膠着状態が夕方まで続いた。
そして緊張感漂う中、門が開くと八人の男女が外へ出てきてその中の一人が前へと踏み出した。
「今この町の役人は数が少なくてね、代表と言う訳じゃないが僕が話を聞くよ」
「・・・・・良いだろう。私の名前はアルファだ、君は?」
「・・・アルバだ。一応冒険者と言う事になるかな?後ろは僕の仲間達さ。って、茶番はもう良いだろう?ブレッド君だよね?何故顔を隠しているのかも含めて、今何が、如何なっているのか聞かせて貰えるかい?」
出て来るとしたらアルバさん達だと思ってたけど、あっさりばれちゃったな。まぁ、まだ隠しておくつもりだから、このまま続けさせて貰うけど。
「ブレッドならメアリーと共に我々に協力してくれている。今現在この町から歩いて二日圏内は我々の庇護下にある。我らが主『飽食の王』はこれ以上お互いに犠牲者を出すべきではないとのお考えだ。が、王国との交渉が決裂したため春には王国軍が攻めてくる。それに合わせて我々も拠点を鉱山都市に移す事にした。この町の住人達がこのままここに住むと言うなら我々の同胞として迎えよう」
「あくまで白を切るつもりと・・・どんな事情があるかは知らないが、今はいいか・・・その申し出を断った場合は?また、受けた場合は王国軍との戦に参加しなくてはならないのかい?」
「断った場合はブレッドからの食料供給が無くなるだけで危害を加える事は無いから安心して良い。ここに残るのも、鉱山都市に移住するのも自由だ。住民全員が王国側に付くと言うならばこの町を放棄するが、我々に付くと言うのなら町ごと我々が護ろう。その際、戦いに参加する必要は無い。町を出るなら王国の支配圏迄だが道中の安全は保障する。住民一人一人が良く考えて決断して欲しい。全ての種族が平和に暮らして行く事が我等が王の望みだ」
「・・・随分僕等に都合の良い話だが、ブレッド君が絡んでいるなら納得出来無くも無いか・・・・・」
「期限は春までだ。繰り返すが一人一人が良く考えて決断して欲しい。また、冬の間に町を出ようなどと無茶な真似はしないようにとも伝えてくれ。では、我々は次の任務へ向かう」
「解ったよ、皆に伝えておく。けど良いのかい?子供達に会って行かなくて」
いや、毎日会ってるし。そんな釣りには引っかからないぞ。
アルバさん達を置いて振り返らずに西へと向かった。長居してるとボロが出ちゃいそうだしね。既にばれてるけど、春までは隠しておきたいんだよね。
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ガラガラ、ゴトゴトと音を立てて馬車が街道を走る。方角も現在位置も解らないが王都に向かっている事だけは確かな筈だ。
俺は今木箱の中で息をひそめている。気分は段ボール箱に隠れてスニーキングミッションを熟す事で有名な彼だ。
いや、すまん嘘だ。蓋を閉められてしまって、全く外の様子が解らないまま数日が経ってしまい、情報収集すら出来ずにいて暇なんだよ。てっきりメイドのお姉さんが摘まみ食い位はすると思ってたんだけどなぁ・・・・・
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「おい、ブレッド、何で飯を出さなくなった?領主一家は捕らえられて領地も没収らしいと聞いたぞ。支援はしてくれてるけど、お前の飯と比べたら雲泥の差なんだよ!お前なんか知ってんだろ?いい加減話してくれよ・・・・・」
小さい子供のいる家族にお菓子出してあげてるだけでも有難く思って欲しいんだけど?恨むんなら和解する気の無い将軍さんにしてくれる?
「ロイドの町のギルドは閉鎖だって言うしよぉ・・・ここのギルドの職員になるかギルドを抜けるか好きにしろって・・・・・今更事務員で一からやり直すとか無理だろ・・・・・」
知らんがな。酒飲んで管巻いてる暇があるなら何かしらの行動を起こすべきだろ。つーか取り合えず職員になったらいいじゃん。避難してきた人達なんて職に就く宛すらないんだから贅沢言うなよ。
ここまで読んで頂き有難う御座います。




