21話 オーゼとシア
四方を白い壁に囲まれた一室。
ベッド以外には何も無いその空間には、ナオエとシア、オーゼがそれぞれベッドを中心に集まっていた。
「へぇ、ここがその結界の中かい?」
「そうじゃ、わざわざ設置してやったのじゃから有効に使うのだ。……気を失うなよ?」
「シア、脅しているようにしか聞こえないんだが」
事実じゃろ、と呟いたシアがベッドに手をかざすとベッドが更に大きくなる。3人で寝転がりゴロゴロしても余りあるほどの大きさだ。
「さっそく始めても良いかい?」
「のりのりじゃな」
「うん、実はだね昨日の事を思い出していたときに1つ気付いた事があったんだよ。それを実践してもらいたくてね」
「気づいたこと?」
「ああ、君が後ろから突いている時に自分の臀部を叩いたろう?こう、ビシッと。あの時になんといいか、こう、ゾクッとしたんだよ!」
見ていて清々しいまでのドヤ顔で宣言するオーゼ。そこには男女の営みについて恥ずかしがる様子は全く見られなかった。
「ワシが言うのもなんじゃが、恥じらいは無いのか?」
「世界中どこでもどんな種族でも行っている行為を恥ずかしいとは思わないよ。それに子を残す行為は恥ではなく誉れだろう?」
ケンタウロス族の考えかオーゼ個人の考えかは分からないが、性に対してオープンらしい。ならばこちらも遠慮は要らないだろう。
「そうか、では始めるとしよう。俺としても楽しみながらやれるならそれが一番だしな」
「あ、始める前にこれを渡しておこう」
そう言ってオーゼが取り出したのは革で出来たベルトのような物だった。オーゼが手に持っている部分が二股に分かれており、その両端には丸い輪で出来た接続具がついている。
「これは何だ?」
「これはハミだよ。人間が馬の口につけるやつのケンタウロス用だね。正確にはケンタウロスの奴隷につける特注品だけどね」
「奴隷用?そんな物がこの街で売ってるとは思えないが、どこで手に入れたんだ?」
「ああ、彼女に頼んだんだ」
そう言ってオーゼが俺の影を指差す。そこにはホロウのグッと親指を突きたてた手だけが生えていた。
こういうところで魔力を消費するから足りなくなるんじゃないか?
「これをキミの手でつけて欲しいんだ」
「あ~、スリャやメリザンドと同じような嗜好なのか……」
「同じような嗜好?」
「あのどえむ2人組みかの?虐げられるのが好きな変態共じゃの。ナオエのアレで叩かれるのが一番好きなんじゃと」
「その2人とは良い友人になれそうだね」
オーゼからハミを受け取ると二股に分かれている部分の下を咥えさせ、上部分は鼻と目の間を通し後頭部で固定した。
ハミから伸びる手綱を握り、オーゼの背後に回るとハミを噛み合わせるため軽く引いた。ガチンとハミの金属部分とオーゼの歯が当たる音がする。それを数回繰り返すと、丁度良い噛み合わせになったのかオーゼがこちらを向く。
「どうだ?痛くないか?」
「少し痛いかな。でもね……少し気分が良いよ」
「では、始めるかの?」
シアが今まで着ていたパーカーを脱ぎ捨てベッドへ転がった。正直に言えばすでに俺は臨戦態勢だったため、某大泥棒3世よろしくダイブするところだった。
しかし今回の主役はオーゼだ。シアに注ぐわけにはいかない。
オーゼの手綱を引きベッドへ連れて行くと、そこへ座らせる。その手綱を引き絞りオーゼの顔を下に向けると、そこへシアが顔を寄せる。
傍目から見れば随分とユリユリしい光景だ。
「ワシに興味があったのじゃろう?生憎とワシにお主を満足させる器官は付いておらぬが、ナオエがそれを補うじゃろう。じゃが、ワシも長い事ナオエに抱かれ続けてきたわけではない。オナゴの気持ちよい所など知り尽くしておる」
そう言うとシアはその牙を軽くオーゼの首筋にあてがうと、いつもよりも滑り気を帯びた舌で嘗め回す。
「これからの15日間のうち、14日間は続けることになるのう。……お主の肉の色が黒ずみはみ出すまで続ける予定じゃ。期待しとれ」
「その物言いはエグイな」
「……はぁ。んん。フフ、良いね。グッときたよ」
俺はシアに言われるがまま、シアが言ったとおりの事をシた。
「やりすぎだろ、これは」
「フン、コヤツが望んだのじゃ。本望じゃろう。それにしても、この肉のビラビラ具合はエロいのう。色も良い具合に沈着したようじゃの」
「いやいや、さすがに可愛そうだろう。元に戻しておくぞ?」
「ナオエがそう思うのならば反対派せぬよ。すでにこやつもナオエの物じゃ。好きにすると良い」
シアのこう言う物言いは好きではないが、長年聞いていると慣れも出てくる。それにシアは、基本的に俺の女性関係を充実させたほうが良いと判断しているが、どうもその相手は『恋人』や『愛人』というよりもペットとしての意味合いに近いようだ。
ちなみに今俺が何をしているかと言うと2週間もの間動かし続けた息子を、完全に意識を失っているオーゼの尻尾で拭っている最中だ。
すでにオーゼは白い粘液でその全身を犯され、ゴポゴポと現在進行形で白い粘液を溢れさせている。今回は魔力上昇を目的としていたため、殆どを中に放出したがそれでも飛散した分などで染まってしまったのだ。
「それで、どうじゃった?どれほど上がったかの?」
「定着した分だけで考えれば元々の2倍強といった所か。すぐに使いこなせないだろうし、明日使う分には1.4倍くらいが限度だろうな」
「勝算についてはどうじゃ?」
「一矢報いれれば御の字だろう。増えた分の魔力を速度強化につぎ込めば多少はあの速度に追いつけるだろうしな。まぁ、クインが本気になれば瞬殺は変わらない」
ム、とシアが面白く無さそうに眉を寄せる。オーゼに勝ち目が無い状況が不満なのだろう。何だかんだ言ってもシアはオーゼを気に入っているようだ。
「ナオエ、言うまでも無いと思うが」
「解っている。死なせるつもりは無い。勝敗が決した時点でそれ以上の追撃をするようなら介入する。正体がバレた所で逃げてしまえば問題は無い」
幹部連中に攻撃する訳ではないのだ。敵対行動と取るには弱いし、もしこちらとの関係を悪化させるように強行するならば新魔王様にはこの世界から退場してもらう事になる。
「さて、オーゼを綺麗にして明日までゆっくり寝かせてやるか。体調は万全にしないとな。あ~、肉も元に戻しておくか」
「……それが終わったらナオエのを清めてやろうかの。……別にず~っと目の前で見せ付けられて疼いているわけじゃないからの!」
「はいはいツンデレツンデレ」
長らくお待たせしました。
……が、リアル事情がかなり忙しいため、7月中旬まで投稿できないかもしれません。
現状の仕事が一段落し次第投稿ペースを戻せたらなと思っています。




