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8、領地へいこう

キーワード、孤児院です。

 エリーナ、10歳になりました。無事にお祖母様のレッスンも終わりました。今は月に一度、お茶会しています。


 そう、下着専門『モーア』は、店員さんの通り、爆発的に売れてます。専門店ができました。貴族の下着はさらに小さな宝石をあしらい豪華に、平民向けは、リボンのワンアクセントで、色にバリエーションを。競合する下着ブランドが出てきているそうなので、棲み分けを検討中です。


*****



 「もうすぐ領地入りですよ。」

 お祖母様のレッスンも終わり、領地へ向かう道の途中です。馬車で5日間、長いです。お尻の痛さと揺れ加減、馬車は改善の余地ありね。今まで王都の中だけでしたから、道もきれいでしたし、気にならなかったのですが。道は領地それぞれだから、馬車は長距離用が必要です。


 領地に来るのはこれが2回目です。3歳や4歳の時に領地の子どもたちは領民へお披露目会があるそうです。弟のお披露目会ですね。弟はもう5歳ですが、お母様が亡くなりましたのでお祝い事は控えている風習に基づいて今回となりました。私は3歳で行ったそうですが、あまり覚えていません。


「お姉様、もう着きましたか?まだですか?」

 弟べルートの何百回目かの「まだ?もうすぐっていつ?」に、やっと答えます。


「着きましたよ。ほら、海です。」

 潮風が薫る中、眼下に港町が見えてきました。港のすぐ近くには積荷の倉庫が並んで、山側に民家がポツポツ並んでいます。領主のやしきは山側の小高い丘にあります。

 おじい様が王国から任された土地、ルートン領地です。のんびり極楽な領地生活を目指しましょう。


*****


「亡きステラ様に似ておりますなぁ」

 おじい様の領地経営を手伝う右腕の執事、サックルさんがほのぼのとつぶやきます。 港の領民の皆さんもベルートを見てお母様の小さい頃を思い浮かべているようです。貿易で南国製品を独自のルートで拓いてきたおじい様。


 私はというと

「母ちゃん、俺あの人と結婚するー!かわいいー!」

「これ!滅多なこというもんでない!」

 母親にペシっと叩かれる私より少し年上の男の子。

「エリーナお嬢様には婚約者は?こんなにお美しいのであればもしかしたら、王族から声もかかるのでは…」


 いえ、ありえませんし、王妃になるなんて面倒な職業はこっちから願い下げです。ただ、この美貌はたしかにね。10歳でこれって。本日の衣装は薄いピンクレースが胸元とスカート部分についた青色のワンピースです。髪はハーフアップにアレンジして、ピンクのヘアアクセサリーをつけました。ちょっと良いところのご令嬢がお忍びできてます的なラフな感じの仕上がりですが、元がいい。お父様似の美貌は隠せないです。


「エリーナの警備はどうなっておるのじゃ?」

「至急選りすぐりを揃えます。」


 おじい様とお父様の不穏な声が聞こえます。誘拐とかですかね。物騒ですね。


 孤児院にも慰問へ。孤児院は国からの補助と領地経営者の運営となってます。院長に挨拶して次の領主の顔見世ですね。孤児院で気になったことを聞いてみます。


「おじい様、孤児院の子供たち、私と同じくらいの年齢の子より上がいないのだけれど、孤児院を出ていくの?」


「12歳を過ぎたら成人じゃしのぅ。置いておくわけにもいかなくてねぇ。」

「国の法でも決まっているから、行く先が決まっていなくても出ていかなきゃなんないんだ。」


・・・ふむ。



 サリーの話だと、孤児院を出るときに読み書きもできない子もいるみたい。職人の見習いになったりするのは稀で、夜の街や人に言えないお仕事をしているとか。。自分と同じくらいの年齢の子がそんなことになってるなんて、申し訳ないです。


 私が、ゆっくり自堕落に生きれないじゃない。


 読み書きの教育機関の立上げに、あとは、就職先ね。インターン制度はどうかしら?


 孤児の子供たちだけでは差がでる。孤児院のスペース借りて、領民すべての成人する前の子供たちに読み書き算数を教えしましょう!先生を探さなきゃ。


…先生みつけました。孤児院で働くお姉さん!読み書き算数だけならたまに教えてますから。と快く承諾してくださいました。初授業は孤児院の子供たちと、商人の子供、あの子は騎士の子供かな?私も混ざって参加です。十人くらいですね。

年齢も8歳以上にしました。保育園ではないですしね。預けてもらっても困ります。


 と、気合い入れた初日。・・・・・差がありすぎる。ちゃんと座ってない。たしかにもうできる子にはつまらないですけど。ハチャメチャでしたね。孤児院の子供との格差をまざまざ見せつけられました。騎士の子供と商人の子供、取っ組み合いの喧嘩を始めたり、ちゃんと席についているけれどずっとお喋りし続ける女の子を叱ってる女の子も結局うるさかったり。


 その日は孤児院のお姉さんに謝りました。教えるのも何をって、難しいですしね。

よって提案をしてみます。

「一斉にテストして、読み書き算数できたら来なくていいというのはどうでしょうか。」

 テストは私が作ります。半年に1回の試験です。

 要は、テスト合格すれば晴れて成人の仲間入り!です。シンプルです。


 早速実施です。これは領民に馴染みやすかったようです。孤児院を出ていった人も受験してたそうです。大人も読み書き算数については苦労した人もいるようで、概ね好評です。中には子供に教えてもらったと言う人もいるとのことです。僥倖です。


教えるお姉さんも

「テストを中心に教えられるので安心です」 と太鼓判です。


 あとは就職先です。インターン制度をしてみたいのですが。

受け入れしてくれそうなところへ相談です。護衛は育児パパ、ケンタナス。


 体験でまずは一週間だけ、働き、気に入ってもらったらそのまま就職させてもらう形はどうでしょうか。はたして、受け入れてくれるところはあるのでしょうか。


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