7、お祖母様
異世界で下着がかわいい理由、調べたくなりました。
「試作、というよりお祖母様だけの特別仕様でできましたわ」
「あら、もう?早いわね」
はい。私も早いと思いました。
週は6日間、火の日、水の日、風の日、土の日、木の日、光の日です。光の日が休みのところが多いですね。
今日はレッスンの日。あれから三日後、連絡がきました。
最終調整で店員さんも同室です。
「こちらです」
総レースで胸元をあしらい、でも服を着るときに邪魔にならないように突起なしです。そして、お祖母様のみ、ピンクです。
うん。予想通り可愛らしいのができてます。
「…可愛らしいですわ」
おや、思ったより反応が悪い。
「お祖母様?率直なご意見をお聞かせくださいませ」
「…若い子が着る色なのよ。可愛らしいけれど、私には…」
「まずは試着してみてくださいませ」
店員さんと一緒にドレスルームへ移動されました。
「まあ!素敵!」
「華やかですね。」
「お肌が明るく見えますわ」
侍女さん達の声が聞こえます。
高評価らしいけれど、、、
ついでに着け方も前世の知識を活用ですね。
締め付けてだけでなく、寄せて上げる。これが大事です。
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「お祖母様、活き活きしてますね。」
戻ってきたお祖母様の顔は上気して、少し赤い。
「かわいいはいろんな柵を凌駕しちゃうのね。」
「かわいいは正義ですわ。」
お気に召して頂いたようで何よりです。
「ブランドを立上げますの。名前はモーア。」
「フフフ。良いわね。かわいいは正義だものね」
お祖母様は穏やかに微笑んで侍女へ目配せし、
「あれを」
「かしこまりました」
恭しく一旦部屋を出ていきます。
「頑張っている孫娘へご褒美を考えていたの。ステラさんが亡くなってからの気丈に振る舞うあなたの話を聞いて。レッスンも急に始まったのに良く頑張っているわ。」
えー、と。気丈に振る舞うというか、
たくましくなってますね。
前世が混ざり精神年齢が上がったために動じなくなったからもしれません。
「ありがとうございます。」
侍女さんが粛々と持ってこられたのはアクセサリーケース。
「開けてごらんなさい」
そーっと高そうな箱を受け取り、カチッと音がして、開きました。
コバルトブルーのアクセサリーフルセットが入っています。
お母様と同じコバルトブルーの瞳です。
お母様の色です。とても似てます。
驚きました。同時に・・・泣きそうです。
「大人っぽいと思ったけれど、デビュタントの時に使ってもらえるかしら?」
私が涙を出すまいと震えていると、
「…あなたの瞳はステラさんと似てますわね。」
「はい。・・・っつ。あ、ありがとう、ございます。」
もう、不意打ちなんですけど。
一度決壊したら、涙が止まりません。
「お母様はきっとそばで見守っているはずよ。」
脳裏に浮かぶ。お母様の姿。
私と同じ、コバルトブルーの瞳で、驚いた顔をしたり、怒ったり、笑ったり。
お母様、私、頑張ってますか?
涙が止まりません。
お祖母様がそっと私を抱きしめてくれました。
…年甲斐もなく声を上げて泣きました。
お祖母様は、私の背中をトントンしてくれてます。
その優しさが嬉しくて、穏やかになれて。
私、無理してたんだと思いました。
おじい様とお父様の前では泣いちゃったら心配かけちゃうから、弟もいるから。
無意識にずっと気が張ってたんですね。
「・・・っひっく。おお、お祖母様、わ、わたし。」
「甘えていいのよ。外親だからって気にすることはないわ。レッスンが終わってからもたまには顔を見せなさい。」
優しい手が頭を撫でます。
「・・・っあ、ありがとうございます。」
このアクセサリー、私の瞳とお母様の瞳のおそろいです。
お母様はそばにいて応援してくれているような気がします。
お祖母様、ありがとうございます。
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