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43、成婚式

 初夜の囁き!発売!します。

 やっと成婚式です。この日を待ちわびたキース様は浮かれすぎてお義母様から接近禁止を命じられておりました。


 卒業式に家族として参加し、卒業パーティーにてやっと指輪を渡せました。私からのサプライズです。喜びすぎて、キース様は暴走しました。止めたのはお義母様とその侍女達です。せっかくの準備が無駄になってしまう!とモーアのファンの熱愛を発揮し、卒業後から接近禁止令が出てから一週間、やっと成婚式です。


 デビュタントと同じ、白のドレスです。レースを重ねてふわり、歩くたびに揺れるプリンセスライン。


 キース様?どうですか?隣を歩くキース様はいつもと違って目を合わせてくれません。緊張しているのでしょうか。久しぶりなのに素っ気ないです。

 式が始まり、誓いの言葉、署名はすでにしてるので、形だけです。結局、誓いのキスまで、目を合わせてくれませんでした。


「…やっと目が合いました」

思わず言ってしまいました。だってこちらを見てくれないんですもの。キース様への想いを重ねてこのドレスをデザインし、昨日から侍女やモーアメンバーが総力かけて磨き上げたこの日の私を。

「ごめん。久しぶりでまともに見たらもう止まれなくなりそうで、悲しい顔しないで」

「止まれなくていいですよ。私も同じです。大好きですから」


 毎日の抱擁がなくなったのは私も同じでした。私も大概です。


 お母様、見てますか?私、この人と幸せになります。


 覚悟は決めたものの、いざ初夜となると緊張します。

 初夜の囁き、私は自分が着ることを考えていなかったのでしょうか。スケスケのベビードールは肩の紐がリボンになっていて、ほどきやすさを重視。恥らいよりも脱がせやすさを考えたのは誰でしょう。私です。花の刺繍の胸部にはホックタイプ、弾みで取れやすいようにしたのは私です。腰の紐もリボンに―以下略。すみません。やりすぎました。


 初夜の囁き、破壊力がありました。自分で体験しました。淡い色でピンクと水色もだしましょう。売れます。時が来たら、ルナタル様達にもプレゼントしましょう。



 特に男性には大好評で、嫁や孫待ちのご婦人や男性がこっそり予約をしていきます。マンネリ解消もあるとか、売れ行き絶好調のようです。


 王太子殿下とルナタル様は来年には成婚式とお聞きしてます。光栄なことに王太子妃のウエディングドレスを頼まれました。これからしっかり作り上げていきます。


 マナサルト伯爵家の奥様として、領地夫人の役割も少しずつ引継いでいます。貴族の顔で、猫被るのは得意ではありませんが、お義母様や学園での大切な友人たち、モーアのファンのご婦人達に見守られて無事に社交界で夫人の仲間入りをさせていただきました。猫被れなくてもなんとかなりました。


 弟べルートも学園へ入学し、社交界デビューも無事に終えることができました。一段落です。成人したので、爵位の引継ぎも行われました。つぎは素敵なお嫁さん探しですね。べルートに良い人いないの?と聞いたら冷たい目で見られたのですが、今更反抗期ですか?困りましたね。



――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――



「お母様!私の大事なうさぎのラックスをマックスがよだれで汚しているの!」

 ラックスはうさぎの人形で、マックスは家で飼ってる犬です。黒髪のコバルトブルーの瞳の娘は八歳のユーリーです。


 エリーナ、二児の母になりました。


 上の子八歳。ちょうど自分が前世を思い出し、母が亡くなった年です。お母様、私、意地でも生き残りますからね。三人目の新しい命をお腹に宿してますし。


キース様は変わらず私を大切にしてくださってます。私も絆されたまま、キース様を愛してます。


 モーアはすでにデザイナーを何人もかかえている王都で有名なショップとなりました。これからもかわいいを求めて発展していくでしょう。


これで私とモーアの話はおしまいです。弟べルートの恋バナはまた別の話でしょう。


おわり

完結までお読みいただきありがとうございました。評価いただけましたら幸いです。

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