28、友人、セリナ
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「そうそう、あの時はびっくりしたわ。無事で良かったけど、そして、婚約までの展開早すぎて笑えるんですけど」
本当に笑いながらそう言うのですから、こちらも苦笑いするしかありません。
誘拐後から授業休んでたときもお世話になりました。
「んで?どうしたの?イケメンの執着男に捕まった男爵令嬢。」
「!!!何それ」
「世間ではそんなふうに言われてるのよ。相変わらず自分に関しての噂は無関心ね」
涼やかにカップを置きながらため息をつくセリナ。今日はお休みを合わせて久しぶりのティータイムの私達。一年生のころはよくこうやって学園帰りに行ってました。
今回はもちろん護衛が近くにいます。しかも二人体制です。やっと距離感に慣れてきました。
セリナ、片方にダークブラウンの髪を編込みでおろして、なんか気だるさがエロいんですけど。卒業して、大人っぽさに磨きがかかったようです。
「セリナに卒業記念と就職祝いのプレゼント渡したくて」
「…今更ね」
「ごめんなさい。遅くなったからお詫びにここのランチおごるから」
「…デザートも頼むね」
遠慮のない、言葉のキャッチボール。
前世の友人の感覚に近いです。
貴族の会話、忘れちゃいます。
平民からの親が男爵ですしね。
前世では平民です。
一緒にいて、楽です。
「んで、女子の友達できてないんでしょ」
「そうなのよ。特に今年は王太子殿下がいらっしゃるから、家政科、キャットファイトの匂いがぷんぷんする時もあるし。怖い」
「おたくの宰相閣下の息子さん、あんただけに変態だって、最近は世間評価だから、エリーナが巻き込まれることはないと思うけどなぁ。ただ、エリーナは貴族の会話苦手だもんね。」
「そうなのよ。最初の上辺だけの挨拶だけでゾワゾワしてくるのよね。お祖母様に恐怖植え付けられてるのかしら。貴族怖いって。」
「ははは。でも確かに上辺の会話の中に本音かいっぱいあって、そこを汲まないと仲良くなれなさそうだよね。」
「今年もセリナが一緒だったら良かったのに」
ため息をつき、つぶやきます。
「……得意なものがあるでしょ、ほら、女の子がみんな思う、あんたがよく言ってる」
「「かわいい」」
「そう、服飾系で、すぐに仲良くなれるはず」
セリナがニコリと微笑みます。
そうですね。まだ始まったばかりです。
プレゼントはこの間、モーアで買いました、オーダーメイドのプレミアム購入チケットです。侍女として、毎日着ているものは既製品ですし、機能性重視の部分もあります。夜会の婚活で着用してほしいです。
「友人で良かったわぁ」
ほくほく笑うセリナ。私も感謝してます。




