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28、友人、セリナ

 ****


「そうそう、あの時はびっくりしたわ。無事で良かったけど、そして、婚約までの展開早すぎて笑えるんですけど」


 本当に笑いながらそう言うのですから、こちらも苦笑いするしかありません。


 誘拐後から授業休んでたときもお世話になりました。


「んで?どうしたの?イケメンの執着男に捕まった男爵令嬢。」


「!!!何それ」


「世間ではそんなふうに言われてるのよ。相変わらず自分に関しての噂は無関心ね」


 涼やかにカップを置きながらため息をつくセリナ。今日はお休みを合わせて久しぶりのティータイムの私達。一年生のころはよくこうやって学園帰りに行ってました。


 今回はもちろん護衛が近くにいます。しかも二人体制です。やっと距離感に慣れてきました。


 セリナ、片方にダークブラウンの髪を編込みでおろして、なんか気だるさがエロいんですけど。卒業して、大人っぽさに磨きがかかったようです。


「セリナに卒業記念と就職祝いのプレゼント渡したくて」


「…今更ね」


「ごめんなさい。遅くなったからお詫びにここのランチおごるから」


「…デザートも頼むね」


 遠慮のない、言葉のキャッチボール。

 前世の友人の感覚に近いです。

 貴族の会話、忘れちゃいます。

 平民からの親が男爵ですしね。

 前世では平民です。


 一緒にいて、楽です。


「んで、女子の友達できてないんでしょ」


「そうなのよ。特に今年は王太子殿下がいらっしゃるから、家政科、キャットファイトの匂いがぷんぷんする時もあるし。怖い」


「おたくの宰相閣下の息子さん、あんただけに変態だって、最近は世間評価だから、エリーナが巻き込まれることはないと思うけどなぁ。ただ、エリーナは貴族の会話苦手だもんね。」



「そうなのよ。最初の上辺だけの挨拶だけでゾワゾワしてくるのよね。お祖母様に恐怖植え付けられてるのかしら。貴族怖いって。」


「ははは。でも確かに上辺の会話の中に本音かいっぱいあって、そこを汲まないと仲良くなれなさそうだよね。」


「今年もセリナが一緒だったら良かったのに」


 ため息をつき、つぶやきます。


「……得意なものがあるでしょ、ほら、女の子がみんな思う、あんたがよく言ってる」


「「かわいい」」


「そう、服飾系で、すぐに仲良くなれるはず」


 セリナがニコリと微笑みます。


 そうですね。まだ始まったばかりです。


 プレゼントはこの間、モーアで買いました、オーダーメイドのプレミアム購入チケットです。侍女として、毎日着ているものは既製品ですし、機能性重視の部分もあります。夜会の婚活で着用してほしいです。


「友人で良かったわぁ」

 ほくほく笑うセリナ。私も感謝してます。







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