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24、卒業パーティ

 学年末の総まとめが始まりました。


 1番苦労したのは武術です。

 こればっかりは才能なしでさっぱりでした。

 道具を使う武術は自分自身を傷つけると2回目からは見学。

 護身術も基礎のみという結果でした。


 商科では誕生日にキース様からいただいた本が大活躍しました。


 お誕生日プレゼントは本でした。


 長期休暇中、変態チックな彼とは違い、


「お誕生日、おめでとうございます。あなたに出会えて、あなたが、生まれたことを一緒にお祝いできるなんて夢のようです。今日も愛してます」

 とプレゼントされました。


 経済学の革命を起こした今話題の本です。

 貸方、借方、貸借対照表(BS)と損益計算書(PL)について載っているそうです。


 前世の高校時代に簿記を勉強した気がしますが、あまり熱心ではなかったので、覚えてません。嬉しいですね。



「エリーナお嬢様のことをよく見てくださってるからこその1番喜ぶプレゼントを選んでくださったんですね」

 とメイドのサリーに言われましたね。


 絆されたのはあの本のせいかしら?


 *****


「ラミリア、済まないが君との婚約を解消してほしい!真実の愛に目覚めたんだ。私はこちらのルニカ子爵令嬢と供に生きていきたい。すまない。」


 卒業パーティ出席中です。私は卒業しないですが、キース様に誘われて参加してます。卒業する予定だったのに、何がおこるかわからないものです。

 そして婚約破棄!本当に流行ってるんですね。西の伯爵家、ルミタナ令嬢と一緒に出席しました、夜会へ行った時の長男さんです。


 誠実そうなのに、残念です。かわいい子爵家のガールににゃんにゃんされてますね。


 さて、悪役令嬢は断罪されるのでしょうか??


 巷で話題の作品、読んでみたけれど、なかなか面白かったのです。


 男爵令嬢が第二王子に見初められ、悪役令嬢になってしまった公爵令嬢が心を入れ替えて他国へいく第二部が始まったばかりで、気になってるのよね。西の国のどこかで起こった実話を脚色したとは聞いてますけれど。


 断罪はあるのかしら?!


「かしこまりました。ありがとうございます!子爵家のお嬢さんとどうかお幸せに」


 おっと、ありがとういただきました。お嬢さん、実は困ってたんですね。


 騎士のお兄さんがエスコートしていきます。

 あれは、もしかして伯爵家の財務大臣の息子ではないでしょうか?騎士として才能があったため、団長自ら鍛え上げると引き抜かれたホープです。


 ほぅ。ということは、お互い好きあっていたのに別れのタイミングをこの両親揃う卒業式にてやらかした、という知能犯ですね。


 ふむ。


「…一旦こっちみようか?エリーナ?」


 キース様に呼びかけられます。困ったようにアメジストの瞳を細めます。


「顔に出過ぎたよ。ああ、かわいい。連れて帰りたい」


 腰に手をかけ、寸劇の演台から視線を逸らされました。


「彼らは確かに前から噂されてたね。見世物じゃないよ。親同士での関係で無理矢理という人は、このブームにのって卒業パーティで実行に移す人も多いそうなんだ」


「一昨年くらいからかな。だから、王家も婚約者をはっきりさせないんだ。利益上の婚約を良しとしない空気があるからね。もともと利益のバランスで動けなかった部分もあったけど」


 王太子さまが爽やかに追加情報を流します。すみません。

 寸劇に夢中で、近くにいらっしゃるとは気づきませんでした。


 軽くカーテシーいたします。


「婚約おめでとう。キース、エリーナ嬢」

「ありがとうございます」


 ……私、今まで下の名前で呼ばれたことがなかったのですが。


 何故でしょう。腹黒い、奸計を思いつたような笑みです。


「二人もうまくまとまったし、エリーナ嬢もちょうど家政科。ちょっと手伝ってほしいなぁと」


 ため息をつくキース様。

 あ、これ、避けられませんね。


婚約してからのスタートです。もう少しお付き合いくださいませ。

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