22、愛してます
イヤ!嫌!いや!
もう、気を失いたい。
恐い。助けて。キース様。
私、あなたのことが好きなんです。
ちゃんと返事できてなくてごめんなさい。
何度も一緒にいたいと伝えてくださったのに、私はいつも応えてなかったです。
今更だけど、あなたのそばにいたいです。
貴族として、生きてく勇気がなくて、いつもごまかしていたんです。
現実から目をそらすために、小さな窓を見つめます。
月がぼんやりと浮かんでます。
キース様、お慕いしてます。
ボスが太ももに顔を埋めて吐息がかかる瞬間、
いきなりドアが、空きました。
いえ、蹴破られたと言い換えます。
「エリーナ!!無事か?!」
…キース様です。助けにきてくださいました。
この、惨状を見て、すでに時遅しと思ったのでしょうか。
一瞬青ざめたあと、ボスを蹴り倒します。
キース様。
全ての拘束具を外され、彼の上着に包まれます。その上から抱きしめられます。
「…無事で良かった」
ガタガタと震え、涙声のキース様。
えぇ。恐かったです。
だんだん自分の肌の感覚がもどってきます。
きつく結ばれた手首、足、顔も強張っていたのでしょう。
一気に神経の感覚が目覚めてきました。
そして、太ももに違和感。おぞましい瞬間がフラッシュバックされます。
怖い。震えがもとまりません。
「…キース様。私、キース様」
ぐっと強く抱きしめられます。
「…遅くなってすみません。愛してます」
優しく触れるキース様の手が頬をなでる。
ゆっくり優しく見つめ合います。
「私も、愛しています。もう、駄目かと思いました」
――認めます。キース様と離れたくないです。ともに生きたい。
キース様、クシャッと泣き笑いして、私をまたきつく抱きしめます。
もっとキース様のぬくもりを感じていたくて、寄りかかります。
安心します。
ずっと一緒にいたいです。
離れたくないです。
「…そろそろ撤収したいんだけど…いいかな?」
気づくと赤毛の騎士が月明かりの中1人立ってます。
私を襲った人たちはもういません。
「…モリアス。ああ、すまない。今いく」
ふぁっと膝を抱えて抱き上げられました。お姫様抱っこです。
胸元に自然に顔が埋もれました。
汗ばんだシャツに必死で駆けてきてくださったと伝わります。
キース様、キース様、お慕いしております。
抱っこされたまま、キース様の馬に乗り、王都へ帰ります。
「…眠ってしまわれたのか?」
いえ、起きてますよ。ちょっとだけ、力が抜けてほっとして目を閉じてるだけです。
「…ああ」
起きてますよー。
キース様。
*****
目が覚めたらベッドとか。
―――すみません。
「お嬢様!お目覚めですか?……大変申し訳ございません」
泣きながら謝るサリー。
私が誘拐されたことで咎を受けることがあったのでしょう。
サリーにも、怖い思いをさせましたね。
「、、、ケンタナスは?」
「護衛を外され、領地にて別の任務を」
そう、責任はあるものね。
「起きた?」
控えめにノックして、入ってきたのはキース様。
……恥ずかしい。
私、キース様のお姫様抱っこで眠ってしまったのです。
しかも、混乱してはしたないこともいっぱい言ったした気がします。
「大丈夫?気分は?」
「…すみません。眠ってしまって」
「私の眠り姫は眠っていても可愛らしいよ。愛しいエリーナ。はにかむ額にキスしても?」
…とても恥ずかしい。ですが、嫌ではないのです。
「ゴホン。ゴホン。エヘン」
明らかに意図的に咳が聞こえてきます。
おじい様とお父様が入ってきておりました。




