11、入学式
「これより、入学の手続きをおこなう。」
一人ずつ、貴族の一覧表を確認しています。
今年の初等クラスは25名とのことです。
デビュタントの時に一緒に待っていたメンバーを何人か見ることができます。
チラッチラッと視線を感じます。
デビュタントでの声掛けがすでに伝わっているのでしょう。
制服はありませんので、各自授業に合わせてドレスアップしています。
今日はエメラルドグリーンの膝丈ワンピースです。
レースなし、フリルなし、後ろのリボンがポイントですね。
シンプルですが、胸下に切り替えがあって、パニエなしでも歩けば裾が揺れます。
椅子に座るとき、パニエのゴワゴワ感が苦手なんですね。
講堂に移動し、入学式です。
学長は?
スキンヘッドが眩しいです。
勉学とともに出会えた仲間達との交流を熱く語るのも、
なかなか濃いキャラのようですね。
あ、また王太子発見です。
ん?こちらを見たような。
今日は伯爵令嬢をお連れではないようです。
「生徒代表、ユーリア・ト・リーガット・ミールミナス王太子殿下」
あ、生徒代表挨拶ですね。相変わらず見目麗しい。
眺めてましたら、話ほとんど聞いておりませんでした。
オリエンテーションが始まりました。
初等クラスの一年生は総合授業が午前中にあり、午後からは科ごとに分かれます。
高等クラスになる二年目からは科ごとのカリキュラムに従って自分で組み立てるようです。大学の講座みたいですね。
分かれる科は5つ。
領地経営科、行政科、商科、家政科、騎士科です。
ちなみに領地経営科だけは他の4つの科の講座も必須なのだそうです。全てを把握した上での経営ですね。正しい判断です。
そして、領地経営科は授業料の金額も違います。通う年数も。
私は1年だけ貴族の嗜みで通います。
お金は大事ですからね。
商科コースを選択です。
弟が通える時に選択肢を増やしておくためにもお金が必要ですね。領地経営科へ行くと思いますし。うふふ。
弟は今私と同じようにおじい様に基礎を学び、貴族のなんたるかをお父様の長兄(いちばん上のお兄さん)から直々に教えてもらってます。
すでに叙爵する準備が整っているように感じます。
孤児院の支援の評価が高く、ほぼ決定だとお祖母様からお聞きしました。
あの読み書き算数教室は好評らしく、テストを他領からも受けにくるとのことです。
この試験で就職先が広がると、かなり人気だそうです。
インターンも少しずつですが、受け入れが増えてきたと院長から報告を受けました。孤児院の皆さんが努力していた結果でしょう。楽しみです。
あとは、航海病ですね。長期休みが楽しみです。
*****
「カスティナス男爵令嬢、少しお話させていただけないでしょうか?」
おっと、声をかけられました。
明日から授業なので、今日は別段なにもないのですが、教室からそそくさと1番に出てきたところを捕まえられるなんて、幸先良くないです。
しかも声かけたのが王太子。なぜ!?
「…かしこまりました。どちらでお話お伺いいたしましょうか?入学したばかりですし不慣れですので」
意訳すると、
(入学したばっかりなのにあんたに目つけられて、いたたまれないんです。早く目立たないとこでさっさと話しましょう)
「…そうですね。ではこちらへ」
流れるようにエスコートされてしまいました。
すでに教室から出た同級生達がざわついた様子で何か言ってます。
「男爵令嬢?もしかして、巷で本になってる婚約破棄があるのかしらーきゃぁ!」
もしもし、お嬢さん方、聞こえてますよ。
…えっと、王太子殿下、聞こえてますよね?
鉄仮面の笑みが怖いです。
あっさりドナドナされました。
ドナドナ。
閲覧ありがとうございます。




