5 マシンビューティー3姉妹
愛スクールの4階にある保健室という名前だけの部屋に5人はいた。
正確には、2人と3体である。
セーラー服の莉音は、ワイシャツ姿の光歩にスーの姉たちを紹介し始める。
「ブロンドの子が、ラン・マシンビューティー」
「オヤツ食ってるところ見られるのって気分わりいんだよな」
12歳くらいの金髪ショートの緑眼美少女で、黒いジャケットに黄色いリボン、黄色いミニスカートを着用し、長い脚にはニーハイイエローと厚底ローファーを履いている。
「ブルーの子が、ミキ・マシンビューティー」
「そうですわね。仰ってくだされば、オヤツの時間は終わりにしたのですけれど」
11歳くらいの青髪ミディアムの緑眼美少女で、黒いジャケットに青いリボン、青いミニスカートを着用し、長い脚にはニーハイブルーと厚底ローファーを履いている。
「後輩が先に自己紹介するのが常識なんじゃねえの?」
「お姉様、まあまあそんなことを仰らないの」
「奈坊先輩は、先輩であって後輩じゃないわ」
「ここでは、オレたちの方が先輩だろ!」
「あ、ああ、ボクはコーフ・ナボーで、ここでは奈坊光歩。よろしく」
「ナスビ豆腐か。オレたちは食べられないけどな。了解!」
「お姉様!そうではなくて、マーボー豆腐では?あ、ごめんなさい!――奈坊光歩様、よろしくお願いしますわ」
(――こいつら、ボクをバカにしてる?)
そう思って、光歩は眉をひそめる。
「スー、いつまでオヤツ食ってんだ!」
恍惚としたスーは頬を赤らめ、ミニスカートの奥から専用コードが伸びていて、その先が床にある延長コードの電源タップのUSBコンセントに差したままだった。
「うう、スー・マシンビューティーれす。改めてよろひく、豆腐」
「トーフじゃなくて、コーフ!ボクの名前、スーが教えてくれたんだよ」
光歩がそう言うと、恍惚のスーが腰をヒクヒクさせながら甘えた口調で、
「ねえ豆腐、スーのこののプラヌにゅいて」
「――へっ?」
「こののプラヌにゅいて」
「こののプラヌ?」
「こののプラヌッ!」
「……ここのプラグ、抜いてってこと?」
「そう、それ。早くう。立ってられにゃい」
そう言って、スーは下半身をガクガクさせながら自分のミニスカートを指さす。
(いやあ、いくら幼い女の子でもなあ!けど、人間じゃないんだよね。そうそう、人形娘って思えばいいんだよ)
光歩はそう思ってしゃがむと、専用コードに沿ってスーのミニスカートの中に右手を入れた。
(この中は、どんな風にプラグが繋がってるんだ?)
と思いながら、光歩は頬を赤くして、ついでに隠れたプラグを覗こうとスーのミニスカートを左手で摘まむ。
「先輩、こっちを抜けばいいんですよ!」
莉音が、USBコンセントから専用コードのプラグを抜いた。
「!……」
光歩は顔を真っ赤にして、スーのミニスカートから両手を離す。
「ありがとう、莉音」
スーはシャキッとして、ミニスカートの奥に手を突っ込んでプラグを引っこ抜いた。
「豆腐、何で顔が赤くなってるの?」
「だからトーフじゃなくて、コーフ!」
莉音は咳払いをしてから話し始める。
「この子たちは、ロボリータという異世界の選ばれたキャンディボーグという戦士なんです」
「――キャンディボーグ。あの魔獣のおねえさんが、そんなこと言ってたっけ」
「オレたちみたいに3体でチームを組むタイプは、姉妹扱いになるんだ」
「一般のロボリータの方々は、アリスボーグと呼ばれるタイプなのですの」
「スーたちは、異世界潜入捜査官を守るプロテクターとか、合体して戦闘ロボ形態にもなれるんだよ」
「合体!?戦闘ロボ形態!?」
「敵は、グロリータという異世界からこの世界に侵入して来た、グロリポップノイドという魔獣戦士たちなんです。美少女魔獣物体とも呼んでますけど」
「人を食べるんだよね。この世界の人たちを餌にするつもりなの?」
「オレたちがそんなことさせない。お前らコンナンスの人間も狙われてるから気をつけろ」
「一般のグロリータの方々は、ニンフォノイドと呼ばれていますわ。コンナンスの方々を食べたがっているのは、グロリポップノイドだけですわ」
「グロリポップノイドだったら、スーたちみたいに姿を変えて、完全魔獣形態になることができるんでしょ?」
「スー!あいつらをオレたちと一緒にすんな」
「ごめんなさ~い、ラン姉ちゃ~ん」
「肝心の自分がいたコンナンスとか、異世界潜入捜査官についてはよく分らないんで、教えてくれませんか」
「それについては、リデル司令からお話しがあるので、直接聞いて下さい」
「――リデル司令?」
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