2-4 第七大隊帰還する
僕のところに母様が兵士を連れてやって来た。王様の命令で、『飴』の調査にやって来たらしい。
「王様から言いつけられて『飴』を買いに来られた第七大隊長ニューロマーさんよ。こっちが息子のタークス。書斎で本を読むのが好きなの…後は二人で話し合ってくれる?」
「この様な幼子が、『飴』を作り出しただなんて信じられない。それは本当の事なのか?」
「まぁ、座って…ニューロマーさん…飴を作り出したのは僕で間違いがないから」
数多くの本棚に囲まれた部屋で二人は向かい合う。タークスは読んでいる本から顔を上げ、何か話すように相手を促す。
「第七大隊を任されている。ここには王の命令を受けて、保存食の大量生産が真実かどうかの確認とその買い付けに来た」
「態々そんな遠くから来ていただいて、のところに母様が兵士を連れてやって来た。王様の命令で、『飴』の調査にやって来たらしい。
「王様から言いつけられて『飴』を買いに来られた第七大隊長ニューロマーさんよ。こっちが息子のタークス。書斎で本を読むのが好きなの…後は二人で話し合ってくれる?」
「この様な幼子が、『飴』を作り出しただなんて信じられない。それは本当の事なのか?」
「まぁ、座って…ニューロマーさん…飴を作り出したのは僕で間違いがないから」
数多くの本棚に囲まれた部屋で二人は向かい合う。タークスは読んでいる本から顔を上げ、何か話すように相手を促す。
「第七大隊を任されている。ここには王の命令を受けて、保存食の大量生産が真実かどうかの確認とその買い付けに来た」
「態々そんな遠くから来てくれて、ありがとう…保存食があるのは、本当の事だよ」
「大量に?それはこれからも定期的に生産できるものなのだろうか?」
「街を見て…大量に食料が生産されているって、既にわかったでしょ…?街の皆に聞けば、皆知ってることだし隠すことでもないんだ。ただ、僕が作っているって事だけは知らないだけ」
「それじゃあ、買い付けはできるのだろうか?王切ってのお頼みなんだ」
「戦争に使うつもりなんでしょ?保存食を買い上げて前線基地に送って、籠城の為の備蓄として」
「それだけではない…災害が起きた時の備蓄として保存の利く食料は非常に重要な物なんだ」
「僕は、領民の為に『飴』は作るよ…けど、国の為には作れないかな」
「どうして?」
僕は飴を作り出して隊長に手渡しする。隊長はそれを頬張り美味しそうに食べる。
「それ一つで物凄いカロリーがあるんですよ。それに物凄く甘いでしょ?それに労働者が食べやすいように、色々な味の飴があるんですよ」
「これは素晴らしいな。これだけ食べていれば暫く何も食べずに済みそうだ」
「そうでしょ?もし僕がこれを大量生産してしまえば、食料事情が激変してしまって、大変なことになるのは目に見えています…だから無理です」
「相当その年にしては聡いな…まるで大人と話している様だ。分かった、確かにこれ程の物を大量生産させるわけにはいかないだろう…国王には私から確りと言い聞かせておこう。誤解してもらっては困るのだが、私の任務はできることなら保存できる飴を買って帰る事で、強制はされていない。王も手にいれられるとはお考えではないだろう…。私達はここに徴税の説明も兼ねてきたんだからな」
「何にもないところだけど…ゆっくりしていってね」
第七大隊は暫く逗留することになった。この街で暫く疲れを癒してから、王都へと戻る様だ。
「好きなの?この街が。さっきからはしゃいでるけど」
「好きという訳じゃないんだ。ただ、この街に予言の小さな光があるって…精霊が騒いでる」
「そっか…取り敢えず隊長に話してこの街に僕達だけでも滞在させてもらうことにしよう」
第七大隊所属の三人は、この辺境の地で部隊を一時抜け、預言の光を探す為に滞在することになった。
「小さな光、か…それがお前たちの命運を握るものというのなら、反対するわけにもいかんな…」
「隊長、この街で何か心当たりはありませんか?」
「小さいというのが子供の事なら、領主の息子の事かも知れんな…聡い子だったよ」
「そっか、なら会いに行ってみるよ!今までありがとうございました、隊長」
「世話になった…言葉も出ない…」
「また戦おう、出会う事があれば!」
第七大隊は役目を終えて帰っていった。
僕はその頃、食事に毒を入れられる拷問訓練を漸く終了した。
「これで大抵の状態異常に耐えることができるでしょう…食事が辛い日々も終了です」
「やった…やっとまともな食事にありつける…これで、山を越えられるかな?」
「そうですね…大抵の困難は乗り越えられるでしょう…海へ行ってみますか?」
「行ってみたい」
「国境をこえる為には、ギルド登録が必要でしょう?後は年月が経つのを待つだけですね…それまでにみっちり訓練メニューを考えてあります」
どうやら僕はティミィの地獄の訓練からは逃げられない様だ。
「魔法障壁の中に魔法を生み出す訓練は今も続けていますか?徐々に数と属性を増やしていきましょう。いいですね?」
「僕、水魔法が苦手なんだけど…火と風はできたけど…」
「苦手属性も4倍努力すればできるようになります。まだまだ時間があります。できるだけ魔法の引き出しを増やしておく方が色々と有利になるでしょう」
僕は読書している最中は常に複数の魔法障壁の中に魔法を発生させ続ける訓練を受けさせられた。火も水も、風も土も、光も闇も、木も全ての属性を障壁の中に閉じ込めるには相当の時間がかかった。
近くの森の湖で今日もいつも通り魔法を撃つ練習を繰り返していると、僕に近づいてくる三つの気配を感じた。魔法の練習を中断し、警戒する。
「そこにいるのは誰だ?出て来い」
「僕達は第七大隊に所属していた隊員だよ…敵意はない」
「どうして、僕を付けてきたんだ」
「僕達は、君の家臣、家来になりたい…どうやら君が僕たちの命運を握っているらしいんだ」
「らしいってどういう事?良く分からないんだけど」
「僕達三人は予言を受けたんだ、嘗てテニっていう人物にね」
「君が導いてくれるんだって…そう言われている…本当かどうかは、分からない」
大人にしては小柄な二人と肌の色が青みがかった一人、三人が僕に付き従いたいらしい。タークスとしては断る理由はないので、三人を食客として雇うことにした。
「今僕が自由にできるお金はないんだけれどそれでもいいかな?」
「私は構わないよ…それでも。サバイバルをしてでも私達は生きていけるから」
沢山ある領館の一つの部屋貸して生活してもらう事になった。少なくとも食客として雇うので、食事だけはまともなものを用意する予定だ。
「君たちも、訓練に参加していく?」
「私達は、弱くないですよ。何せ首都からここまで安全な道なんてどこにもなかったですから」
「戦ってみないと分からないでしょ」
タークスと第七大隊隊員キトの戦いが始まる。
体格では劣っているタークスが最初にキトックに攻めていく。全ての拳撃を受け止めていくキト。爆発を利用したタークスの速度にも難なく付いて行く。
「全体的に攻撃が軽すぎるよ。そんな攻撃では僕にダメージさえ与えられないよ」
「あらゆる角度から攻撃できるその機動力は見事なものだな…素手に毒が仕込まれていたなら、脅威となること間違いないだろう」
「素手に毒は仕込めないでしょう?魔法障壁を拳に張ってるんだから」
「そうか…惜しいな…鉤爪を装備すれば、既に一人前の暗殺者たりうるだろう」
勝負はキトが余裕を持って勝利を収めることになった。
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