1、若き少女
ラニとリリーが二人で出てくるのはだいぶ先になりそうです。すみません。ちょっと短いです。
彼女は目を開けた。
辺りを見渡すと、見慣れない光景が広がっている。
いつの間にか、不思議な場所に来ていた。
皆、知らない格好をしている。
だが、彼女は何も思わなかった。
なんとなく人の流れに合わせて、彼女は歩いた。
ふと、無意識に立ち止まった。
歩くたびに人の視線が、ずっと自分に集中しているのに気付いたからだ。挨拶でもしてみようかな。
そう思って口を開こうとした瞬間、茶色の瞳に白髪をした少女が座って本を読んでいるのがやけに目に入った。じっと見つめていると、彼女の顔が異様に整っているのが分かった。一般的に。しばらくすると彼女は顔をあげ、私の顔を見た。だが、彼女は何も言わない。なので、私も黙ったまま見続けた。
5分程経つと、彼女が空中に指で何か合図をするように小さく動かした。
私は良く分からなかった。だが、その仕草を知っているような気がした。だが、手話などの動きに関係したことなど知らないはずだ。
なら、振り替って見よう。もしかしたら、かなり前のことかも。最近から振り替えるか。
うーん、最近私はーーーーーーーーーーえ?あれ?何をしていたんだっけ?
なら、昨日は?ーー良く分からない。
かなり前のことはーーーーー思いつかない。
他にも何をしていたか考えたが、思いつく気配は微塵もない。だがある程度の教養や、一般常識などは覚えているようだ。しかも、いろいろな大陸の。
全ての大陸の一般常識を覚えている人は少ない。
何故、そんな知識があるのだろうか。
普通なら、焦ったりするはずなのにこの体にはなんの感情もない。メリットもあるだろうが、デメリットが多いだろうな。
まあ、それにしてもーー「すみません、話を聞いて貰えますか?」
私の思考を消し去るような、凜とした声が響く。
現実に引き戻された私は、反射的に返信をした。
「はい!」
しかも、元気よく。真顔で。うん、なんでやねん。
その返事に相手は微妙な顔をした。何処か複雑な表情である。嬉しくような、悲しいような、どこか受け入れようとしているような顔だ。
相手はそんな顔をしながら、おずおずと話を始めた。
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