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僕の世界  作者: 0u0
第二章
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幕間 当たり年

ねえ、お兄さん。

そう、あんただよ。


……なんだい、その顔。

いいさ、笑ってな。みんな、はじめはそうだよ。


そこ、風の通り道なんだ。寒いだろ。

ほら、こっち。うちの灯りは赤い。赤いのは、そういう通りだからさ。


……ああ、ごめんよ。髪、当たったね。


名前は訊《き》かないよ。ここ、そういう決まりだから。


値(ね)かい。

……値はね、通りじゃ言わないんだ。


耳、貸しな。


――安宿ひと晩より、安いよ。


ふふ。

その袖、そろそろ離してほしいのかい。


毎年こうじゃないんだ。当たり年ってのがあってね。あたしは長いから、値を見りゃ分かる。今年が、それさ。


早い年で半月。遅くても、ひと月。

どこかで何かが崩れると、それくらいで、この通りに落ちてくる。何が崩れたかは知らないよ。魔物だって言う人もいるし、水だって言う人もいる。三人に訊けば、三つ返ってくるんだ。どれが本当だろうと、うちの商売には関わりない。


日数だけはね、外れたことがない。


……香油、分かるかい。店ごとに違うんだよ。三軒も歩けば、鼻がきかなくなる。

今月来た女はね、つけすぎててさ。つけすぎだって言ってやったんだけど。

……ああいうのが好きなお客も、いるだろう?


あたしの手かい。

白粉(おしろい)の下は、見ないでおくれ。


さ。どれにする?


――ある夜の通りで、客を引く女

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