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僕の世界  作者: 0u0
第二章
37/63

幕間 手を下ろせない

……こう、か。手ぇ、こうやって。ちがうかも。うち、こんなん、ちゃんと教わってへんから。

あんたの名前も、知らんのです。えらいお人、なんやろ。うちが呼んで、ええんか……ええんか、な。

……手ぇ、下ろされへんのです。

あの子、返してください。それだけ。悪いこと、してへん。してへんのです。ええ子で。ほんまに、ええ子で、笑て、走って、かあちゃん、て――

……どこ行ったん。なあ。どこ行ったんや。かあちゃん、ここおるやん。ここ、おるのに。なんで。なんでおらんの。なんも言わんと、なんで。

……すんません。ちゃんとせな。もういっぺん、最初からしますから。

……手ぇ、これで合うてますか。

合うてへんかったら、あかんのですか。せやから、聞こえへんの、ですか。

もういっぺん、します。ちゃんと、します。せやから、あの子。返して。返してください。おねがいします。……おねがいします。


――スラムのある母親

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― 新着の感想 ―
「回復の手」がない村の話から、祈る手を下ろせない母親の幕間へ繋がるのが印象的でした。 救いそのものは存在するのに、距離や立場のせいで届かないという残酷さが静かに重なっていて、母親の「手ぇ、これで合うて…
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