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幕間 初めて殺した日
初めて殺した日のことは、誰も喋りたがらねえ
武勇伝じゃねえからな
あれは
俺のはゴブリンだった
まだガキで、荷運びについてった先で
はぐれの一匹が、荷馬車の陰から出てきやがった
無我夢中よ
槍を突いて、抜いて、また突いて
気づいたら、動かなくなってた
みんな、褒めてくれたよ
よくやった、命拾いしたな、ってな
その晩は飯もうまかった
なのに
寝ようとすると、手が覚えてやがる
肉に刺さった時の、あの
ぬるっとした手応えをな
三日は飯が喉を通らなかった
四日目に、腹が減って、泣きながら食った
そんなもんだ
だからな
若えのが初仕事から戻ってきて
やけに静かに飯を食ってたら
何も聞くな
背中を、ひとつ叩いてやれ
それで、十分だ
――ある酒場で、古い傭兵くずれが




