表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
王子みっしょん  作者: シラ猫


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

6/14

アルマは猫バカ

本日3話目です

連作中のホラー作品『異世界物件のツキモノ』も本日投稿します。

宜しければどうぞ(^^)


 自室にある執務机の椅子に腰かけ、仕事をするわけでもなく、動くことができない俺がいた。


 膝の上でコタローが寝ているからだ。


 使い魔とは主人の相棒であり、魔術の補佐をしてくれる頼もしい存在だ。


 コタローの背中を優しく撫でる。手触りが気持ちいい。


 見た目は猫だ。でも使い魔。


 うーむ、なんでコタローは喋らないのか。


 全ての使い魔が喋れるわけではないが、文献によると猫の使い魔はお喋りと書いてある。


 俺が未熟で魔力供給に問題あるのか、コタローが恥ずかしがり屋なのか。


 それにしても可愛いな。うちのコタローは猫界で一番だろう。使い魔だけど。


「アルマ様は最近よくあの犯罪者の許に行きますよね? もう捕まえたのに必要ないでしょ」


 ジーンは俺をうらやましそうに横目で見ながら拭き掃除している。


 俺は知ってる。コイツも猫好きなのは。


「確かに俺たちの活躍で捕らえることは出来たんだが、どうもまだ何かある感じがしているんだよな」


 机の上に置いてある取り調べ記録を手に取る。


「あぁ……」


 俺が動いたからコタローが起きた。膝から飛び降りて、ジーンが用意してくれている水飲み場に向かった。


 水を飲み終えたコタローを待ち構えていたジーンが抱きかかえている。


「ちょっ! お前やり方がきたないぞ」


 ジーンはコタローを俺から移動させるために、仕事の話を振ってきた。


 コイツは俺が取り調べ記録を手に取ることが分かってたんだ。


 ずっと一緒にいるから俺の行動が読まれているな。


「アルマ様が何を仰られているか分かりませーん。ふふっ、コタローちゃんは可愛いですね」


 コタローに(ほお)ずりしている。うらやましい。


 ジーンの様子に毒気が抜かれたので、仕事する。


「なあターニャ、人に何か取り付いているのを除去する魔道具作れないか?」


 部屋の中に用意している工房エリアで作業中のターニャに尋ねた。


「ん? 無理っす。取り付いている物体が何か分からないと魔道具を作りようがないっす」


「だよなぁ。どうすっかなー」


 両手を頭の後ろにのせ、椅子の背もたれに体重を預けるように身体を反らした。


「ターニャをその犯罪者に会わせたらどうです?」


「駄目だ。危険すぎる」


 あの犯罪者から聞いた話をすべて信じるわけにはいかんが、クラウディアが本当だとしたら、何が起こるかわからん。


「どうしてです? だって独房にいるんだから安全ではないですか」


「何を言われても、あの犯罪者に女性を近づけさせるわけにはいかない。言うまでもなく、お前らは見た目いいからな」


 俺の言葉が嬉しいのか、ジーンはコタローを抱えながら踊るようにクルクル回っている。


「ふふふっ、ターニャ聞きました? 聞きましたよね? アルマ様は私達が美人だからずっと一緒にいたくて結婚して欲しいそうですよ。モテル女は困りましたね」


「うん、困ったっす」


 大人しいターニャがジーンに触発されたのか、俺にウィンクしてきた。全然困ってないじゃん。


「そこまで言ってないだろ。捏造するな! ターニャも便乗するんじゃない」


 本当にコイツらは図々しいわ。


 俺の注意はスルーされて、ターニャの側に向かったジーンは、二人でハネムーンの話で盛り上がっている。


 これはしばらくダメかもな。


 あいつらを無視して、取り調べ記録を見てると、部屋がノックされた。


 チラッとジーンを見たが、話しに盛り上がり過ぎて気づいていない。


 俺だから許すけど、職務放棄したら普通はクビだからな。


 入室に許可を出す。


「入っていいぞ」


「失礼します。アルマ王子。例の男が死にました」


 入ってきたのは取り調べを担当していた兵士だった。


「なんだって!」


 渡した薬は効かなかったのか。


 まだ遺体は全て見つかってないというのに。



「こちらが調査報告書になります」


「ああ、ごくろうだった」


 調査報告書が入った袋を受け取ると、兵士は退出していった。


 袋から報告書を取り出し読んでみる。


 ジェイコブの死は凄惨だった。独房の壁に何度も顔とか全身を強打させて血まみれだった。


 巡回している兵士が気づいて止めようとしたが、とんでもない力で歯が立たなかった。


 念のために巡回の兵士の犯行でないか調べたがおかしな点はなかった。


 殺人犯が死んだことで事件としては終わったが、何とも後味が悪い。


「あら、あの人亡くなったんですね」


 いつの間に後ろに回り込んでいたジーンが机の上に置いてた報告書を手に取り、フムフムと呟いている。


 真面目な顔してるから頭がお花畑状態は終わったらしい。


「これで事件が終わったのでしたら、ディナン様の課題はクリアですね。他国行きは無くなって良かったです」


 ジーンは良かったですねと言ってくれたが、そんな簡単なもんじゃない。


「お前なぁ、たった1回事件解決したくらいで、俺の評判が上がるわけないだろ?」


 自分で言ってて胸にくる。


「では、これからどうされるのです? またディナン様に課題をもらいに行きます?」


「うーん、兄上も忙しいからな。どうしたもんやら」


 執務机にぴょんと飛び乗ったコタローが俺を見て口を開く。


「ニャニャン?」


 喋った。ついにうちの子が喋った。

 めっちゃ興奮する。

 いや、待て。それよりなんて言ったっけ?


「おい、ジーン。コタローはパパって言わなかったか? うちの子は天才かもしれない」


「アルマ様ちょっと落ち着いてください。私にはジーンママって聞こえましたよ」


 コイツは本当に図々しいわ。


「ターニャママって聞こえたっす」


 おい、お前もかよ。


「ふざけんな、コタローはパパって言ったんだ。俺のことを見てたしな。ちょっと陛下のところに行ってくるわ。お前らは留守番をしといてくれ」


 俺は執務中の父上の部屋にアポなしで乗り込んだ。


 今日はコタローが喋った記念日で国民の祝日にしたいと提案したら、しこたま怒られた。


 余りにも長々とお説教してくるので、父上に「喉を傷めないですか?」と尋ねたら、更に怒られた。


 ヤバい。

 またやらかしてしまったようだ。

読んでいただいてありがとうございます。


宜しければ、『評価・リアクション・感想』があると嬉しいです。


反応があるとモチベーションがアップして執筆意欲があがります。


ご協力よろしくお願いします (^^)/

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ