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第十八話 半日だけ

第十八話です。


江戸で奉公先を探す平吉は、少しずつ店の見方を変えていきます。


店の名を見るのではなく、店先を見る。

自分を雇ってくれる場所を探すのではなく、自分の手が入れる隙間を探す。


まだ何者でもない平吉が、江戸の店先でどう立つのか。

今回は、その一歩を描く回です。

平吉は、店をすぐには見なくなっていた。


昨日までは、暖簾を見ていた。

店の名を探していた。

「奉公先を探しています」と言う相手を探していた。


だが、今日は少し違った。


まず見るのは、店の前だった。


水が撒かれているか。

客が歩きやすいか。

荷が通り道を塞いでいないか。

小僧が何人いるか。

その小僧が、何に追われているか。


昨日、木綿屋の男に言われた言葉が残っている。


荷を持てます、では弱い。

荷を傷めずに運べます、と言え。


掃除できます、では弱い。

店先を客が歩けるように掃けます、と言え。


水を汲めます、では弱い。

店の邪魔にならない時に汲めます、と言え。


平吉は、江戸の店先を歩きながら、胸の中でその言葉を何度も繰り返した。


使えるとは、気持ちではない。


相手の手間を減らすことだ。


ならば、自分が入る隙間を見なければならない。


どこに手間があるのか。

何に店の者が困っているのか。

どこなら、自分の手が邪魔にならずに入るのか。


江戸の道は、今日も人であふれていた。


売り声。

荷車の音。

客の足。

店の者の声。

銭の鳴る音。


それらに飲まれそうになりながら、平吉は店先を見た。


大店は無理だった。


小僧が何人もいる。

手代もいる。

番頭もいる。

平吉が入る隙間など、最初から見えない。


小さすぎる店も難しかった。


家族だけで回している。

店先は狭く、食わせる口を増やす余裕がなさそうだった。


狙うなら、中くらいの店。


小僧が一人か二人いて、しかし手が回っていない店。


平吉は、そういう店を探した。



午前のうちに、三軒回った。


一軒目は、木綿を扱う大きな店だった。


反物が高く積まれ、奥から奥へと人が行き来している。


平吉は店先の邪魔にならない場所で頭を下げた。


「奉公先を探しています」


番頭は、平吉の顔をほとんど見なかった。


「足りてる」


それだけだった。


平吉は頭を下げて退いた。


二軒目は、薬種屋だった。


嘉平を思い出し、少し期待した。


薬を運ぶこと、預かりものの重さ。

道中で学んだことが役に立つかもしれないと思った。


だが、店主はすぐに言った。


「薬を扱うには、字も数も要る。間違えたら人が倒れる」


平吉は何も言い返せなかった。


その通りだった。


薬は、ありがたくも怖いものだ。

わからないまま触っていいものではない。


三軒目は、古着屋だった。


店先に服が多く、手が足りなそうに見えた。


平吉は、昨日覚えた言い方で言った。


「店先を、客が歩けるように整えます。荷を傷めずに運びます」


店の男は少しだけ話を聞いた。


だが、最後には首を振った。


「盗まれたら困る。知らねえ小僧は奥へ入れられねえ」


これも、もっともだった。


品が多い店ほど、知らない小僧を入れるのは怖い。


平吉は、また一つ知った。


自分が怖がるだけではない。


店もまた、平吉を怖がるのだ。


知らない小僧。


誰の名も通じない小僧。


逃げるかもしれない。

盗むかもしれない。

品を傷めるかもしれない。

客を怒らせるかもしれない。


店から見れば、平吉は役に立つ前に、手間を増やす存在なのだ。


だから、いきなり置いてくださいでは重い。


半日だけ。


まずは、そこからだ。


平吉はそう思った。



昼前、平吉は一軒の店の前で足を止めた。


暖簾には、読めない字が二つと、「屋」の字が見えた。


店先には、小間物が並んでいた。


紐。

手ぬぐい。

針。

糸。

櫛。

油紙。

小さな紙包み。


大店ではない。


小さすぎもしない。


店の中には、主人らしき男と、若い手代が一人。

小僧は一人いるようだったが、その小僧が見るからに忙しそうだった。


客が来る。

小僧が品を出す。

奥から声がかかる。

小僧が走る。

店先の紐が少し乱れる。

小僧は戻ってこない。


手代は客への説明に追われている。


主人は帳場に座り、銭を数えたり、帳面に何かを書いたりしている。


平吉は店先を見た。


客の足元。

品の位置。

通り道。

小僧の動き。


店先の端に、紙包みが三つ置かれていた。


その横を、客の袖がかすめる。


平吉は息を止めた。


あれは落ちる。


そう思った瞬間、一つがころりと転がった。


小さな紙包み。


客は気づかない。


小僧もいない。


平吉は反射的に手を伸ばしかけた。


だが、止めた。


勝手に拾わない。


薬包みの時も、針の包みの時も、そこを間違えれば疑われると知った。


平吉は店先の端に立ち、声を出した。


「すみません」


手代がちらりと見る。


「何だ」


「紙包みが落ちました。お店のものですか」


手代の顔が変わった。


「どこだ」


平吉は指を差した。


手代が慌てて拾う。


紙包みを開き、中を確認する。


「針だ」


帳場の主人が顔を上げた。


「何をしている」


手代が答える。


「包みが落ちました。この小僧が気づきました」


主人の目が平吉へ向く。


鋭い目だった。


平吉は頭を下げた。


「奉公先を探しています」


最初から言った。


隠さなかった。


主人の眉が少し動く。


「いきなりだな」


「はい」


平吉は顔を上げた。


「隠していると怪しまれると、昨日教わりました」


手代が少し笑いそうになった。


主人は笑わなかった。


「名は」


「平吉です」


「どこの者だ」


平吉は、武蔵の村の名を告げた。


「江戸へ来て何日だ」


「昨日、入りました」


「字は」


「自分の名と、数字を少しです。商家で使えるほどではありません」


「算盤は」


「できません」


「では、何ができる」


昨日までなら、平吉は言ったかもしれない。


何でもやります。


だが、今日は違う。


「荷を傷めずに運ぶこと。店先を客が歩けるように掃くこと。店の邪魔にならない時に水を汲むこと。落ちている品は、勝手に拾わず、先に声をかけること」


平吉は続けた。


「それから、まだ遅いですが、数を覚えています。銭の出入りは、忘れないように印で残しています」


主人の目が少し細くなった。


「印?」


平吉は迷った。


弥七の紙片を見せるべきか。


あれは、自分の大事なものだ。

もう黒く汚れていて、人に見せるようなものではない。


だが、今は自分を見てもらう場だ。


平吉は懐から紙片を出した。


汚れた紙。


箱。

魚。

銭の丸。

苗。

杭。

薬包み。

草履。

椀。

水桶。

そして、拙い字で書いた平吉。


主人は紙片を受け取らず、覗き込んだ。


手代も横から見る。


手代が言った。


「何だこれは」


平吉は顔が熱くなった。


「字が書けなかった時から、忘れないように描いていました」


「これは帳面か」


主人が聞いた。


平吉は少し考えて答えた。


「帳面ではありません。帳面にしたいものです」


主人は黙った。


その沈黙が長く感じた。


平吉は紙片を握りしめそうになり、慌てて力を抜いた。


紙が破れる。


主人は言った。


「うちは今、小僧を増やすつもりはない」


平吉の胸が沈んだ。


また駄目か。


だが、主人は続けた。


「だが、今日は荷が多い」


平吉は顔を上げた。


「半日だけ使う」


胸が鳴った。


「はい」


「飯は出さん。銭も出さん」


平吉は少しだけ息を呑んだ。


銭も飯も出ない。


ただ働き。


それでも、ここで退けば何も始まらない。


「はい」


「使えなければすぐ帰す」


「はい」


「品を壊したら弁償だ」


平吉は胸が冷えた。


弁償。


今の銭は十五文しかない。


壊した品がそれ以上なら、払えない。


しかし、逃げていては何もできない。


「はい」


主人は手代に言った。


「利助、見ていろ」


手代、利助が頷く。


「はい」


主人は平吉に言った。


「名をもう一度」


「平吉です」


「半日だけだ。平吉」


自分の名を、店の主人に呼ばれた。


それだけで、平吉の背筋が伸びた。


「よろしくお願いします」


平吉は深く頭を下げた。



店の名は、相模屋だった。


小間物を扱う店で、主人は宗兵衛。

手代は利助。

小僧は定吉というらしい。


平吉が最初に任されたのは、店先の邪魔にならないところで品の包みを受け取り、奥へ運ぶことだった。


「勝手に奥へ入りすぎるな」


利助が言った。


「はい」


「この線より向こうは、呼ばれるまで入るな」


店の床の境目を指される。


「はい」


「品は両手で持て。片手でつかむな。落とすな。客の前を横切るな」


「はい」


「返事は一度でいい。多すぎるとうるさい」


「はい」


利助の目が細くなる。


平吉は慌てて口を閉じた。


定吉が、少し笑った。


年は平吉より一つか二つ下に見える。


だが、店の中では平吉よりずっと先輩だ。


定吉は品の場所をよく覚えていた。


「赤の紐」


と言われれば、すぐに出す。


「木綿針」


と言われれば、箱の奥から取る。


「油紙、小」


と言われれば、間違えずに持ってくる。


平吉は驚いた。


自分なら、まず場所がわからない。


定吉は小さいが、店の中で役に立っている。


年ではない。


使えるかどうかだ。


平吉は、まず定吉の邪魔をしないことを覚えようとした。


品の場所はまだわからない。


だから、聞かれても勝手に探さない。


利助に言われたものだけ運ぶ。


店先に出た客の草履を、定吉が直す前に整えようとした時、利助に止められた。


「客の草履は勝手に触るな」


「すみません」


「良かれと思っても、嫌がる客もいる」


平吉は頭を下げた。


また一つ知る。


手間を減らすつもりが、余計な手間を増やすこともある。


使えるとは、先回りすることだけではない。


してよいことと、してはいけないことを見分けることだ。



昼を過ぎると、店はさらに忙しくなった。


女客が二人続けて来た。


手ぬぐいを見たいという。


利助が相手をする。


その間に、別の客が針を求める。


定吉が走る。


奥から主人の声が飛ぶ。


「紙包みを切らすな」


平吉は、紙包みを置く位置を見た。


さっき落ちた場所だ。


同じことが起きるかもしれない。


平吉は勝手に動きかけて、止まった。


利助に言う。


「紙包みの置き場、少し内側に寄せてもよろしいですか。袖が当たりそうです」


利助がちらりと見た。


「寄せろ。ただし、針と糸を混ぜるな」


「はい」


平吉は両手で包みを持ち、少し内側へ寄せた。


針。

糸。

別々に。


形の似た紙包みは、混ざるとわからなくなる。


平吉は、それぞれの位置を心の中で覚えた。


針は右。

糸は左。

油紙は奥。


まだ字ではない。


だが、場所の帳面を頭の中に作る。


少しして、定吉が戻ってきた。


「針は?」


平吉は右を指した。


「そこ」


定吉がすぐに取る。


間に合った。


利助は何も言わなかった。


褒められない。


だが、怒られもしない。


江戸の店では、怒られないことがまず一つの証なのかもしれない。



次に、荷が届いた。


小さな木箱が三つ。


運んできた男が店先に置こうとした。


平吉は、足元を見た。


そこは客が通る場所だ。


置けば邪魔になる。


だが、自分が言っていいのか。


一瞬迷う。


しかし、言わなければ、後で客がつまずくかもしれない。


「すみません」


平吉は運びの男に言った。


「そこはお客さんが通ります。こちらに置いてもよろしいですか」


男は平吉を見下ろした。


「お前、店の者か」


その一言に詰まった。


店の者ではない。


半日だけの小僧だ。


答えに迷った瞬間、利助が後ろから言った。


「そこへ置け。平吉、奥へ回せ」


胸が熱くなった。


今、利助は平吉の名を呼んだ。


店の者としてではないかもしれない。


だが、指示の中で呼んだ。


「はい」


平吉は木箱を抱えた。


重い。


だが、昨日の木綿屋で学んだ。


荷を持つのではない。


荷を傷めずに運ぶ。


木箱の角を壁に当てない。

客の前を横切らない。

定吉の動きを邪魔しない。

奥へ入りすぎない。


一つ目。

二つ目。

三つ目。


運び終えると、腕が震えていた。


利助が木箱を確認した。


「角は当ててないな」


「はい」


「見ていたのか」


「はい。角と、足元を」


利助は少しだけ頷いた。


「続けろ」


それだけだった。


平吉には、十分だった。



半日は、思ったより長かった。


足は痛い。

腕も痛い。

腹も減る。


飯は出ないと言われている。


銭も出ない。


それでも平吉は、途中で帰りたいとは思わなかった。


ここには、学ぶものが多すぎた。


客の声。

手代の動き。

定吉の走り方。

主人の帳場。

品の位置。

紙包みの扱い。

客の草履を触るか触らないか。

荷を置く場所。

声を出す時と、出さない時。


村での仕事とは違う。


田は、土と水と苗を見る。


店は、人と品と銭と声を見る。


しかも、全部が同時に動く。


平吉は何度も間違えかけた。


客にぶつかりそうになった。

品の包みを逆に置きそうになった。

奥へ入りすぎそうになった。

返事を多くしすぎた。


そのたびに、利助が短く直す。


「そこじゃない」


「触るな」


「今じゃない」


「声が大きい」


「客の目の前で迷うな」


一つ一つが痛い。


だが、どれも必要だった。


江戸の店では、迷うことも客に見える。


迷えば、店の信用が揺れる。


平吉は、店の中の空気に少しずつ気づき始めた。


客は、品だけを見ているわけではない。


店の者の手元を見る。

声を見る。

迷いを見る。

置き方を見る。


店全体が、信用を売っている。


小僧の動きも、その一部なのだ。



夕方前、客足が少し途切れた。


平吉は店先の端に立っていた。


息が上がっている。


利助が近づいてきた。


「半日だ」


平吉は背筋を伸ばした。


「はい」


主人の宗兵衛が帳場から顔を上げた。


「どうだった」


利助は、平吉ではなく主人に答えた。


「動きは鈍いです」


平吉の胸が沈んだ。


「品の場所は覚えていません。字も弱い。算盤もできません。客前で一度迷いました」


一つ一つが刺さる。


しかし、利助は続けた。


「ただ、勝手に拾わない。荷の角を見る。置き場を聞いてから動く。嘘をついて、できるとは言わない」


平吉は息を止めた。


利助は言った。


「使えない小僧ではありません」


その言葉が、平吉の胸に落ちた。


使える小僧ではない。


だが、使えない小僧ではない。


それだけでも、昨日までの平吉にはなかった評価だった。


主人は平吉を見た。


「飯も銭も出さんと言ったな」


「はい」


「だが、半日使った」


主人は帳場の横から、小さな包みを出した。


「残り飯だ。持っていけ」


平吉は驚いた。


「いただけません」


主人の眉が動いた。


「なぜ」


「飯も銭も出ない約束でした」


宗兵衛は少し黙った。


利助も平吉を見た。


平吉は続けた。


「約束と違うので」


主人は低く笑った。


「変な小僧だ」


道中でも、似たようなことを言われた。


宗兵衛は言った。


「約束は、出さないと言っただけだ。こちらが出してはいけないとは言っていない」


平吉は言葉に詰まった。


確かに。


飯を出さないと言われた。

だが、後から渡すことを禁じられていたわけではない。


主人は続けた。


「働きに銭を払うほどではない。だが、残り飯を渡すくらいには働いた」


その言い方は、優しくはなかった。


でも、平吉にはありがたかった。


「ありがとうございます」


平吉は両手で包みを受け取った。


「それから」


主人は言った。


「明日の朝、来い」


平吉は顔を上げた。


胸が跳ねる。


「奉公に置いていただけるのですか」


「まだだ」


すぐに落とされる。


「明日の朝も半日だ。今日より動けるか見る」


「はい」


「二日続けて来るかも見る」


平吉は息を呑んだ。


逃げないかを見る。


清次の言葉。


江戸の店は、小僧の才なんぞ最初から見ない。

まず、逃げないかを見る。


今、自分はそれを試されている。


「来ます」


「遅れたら終わりだ」


「はい」


「腹を空かせて倒れられても困る。残り飯は食え」


「はい」


宗兵衛は、もう帳面へ目を戻した。


話は終わりだった。


平吉はもう一度、深く頭を下げた。


「ありがとうございました」


利助が言った。


「明日は、今日教えたことを一つでも忘れていたら帰す」


「はい」


定吉が店の奥から顔を出した。


「明日も来るのか」


「来ます」


定吉は少しだけ得意そうに言った。


「じゃあ、針と糸の場所くらい覚えてこいよ」


「うん」


「うんじゃなくて、はい、だろ」


平吉は慌てて頭を下げた。


「はい」


定吉は笑った。


平吉も少しだけ笑った。



店を出ると、江戸の夕方の風が顔に当たった。


道はまだ騒がしい。


荷車。

呼び込み。

客の声。

夕飯の匂い。


平吉の腹は鳴っていた。


手には、相模屋の残り飯。


銭は十五文のまま。


今日は、飯に銭を使わずに済んだ。


だが、それより大きいものを得た。


明日の朝、来い。


その一言。


奉公先が決まったわけではない。

飯も寝床も約束されていない。

銭ももらっていない。


それでも、明日行く場所ができた。


江戸に来て初めて、明日が少しだけ形を持った。


平吉は道の端で、包みを胸に抱えた。


嬉しさだけではない。


怖さもある。


明日、遅れたら終わり。

今日教わったことを忘れたら終わり。

使えないと見られれば、それで終わり。


だが、何もない昨日よりいい。


試される場所がある。


平吉は、今日のことを帳面につけたかった。


紙片はもう限界だ。


それでも、今夜どこかで必ず印を残そうと思った。


相模屋。

針。

糸。

木箱。

半日。

残り飯。

明日来い。


文字は足りない。


でも、忘れるわけにはいかない。


平吉は小さく呟いた。


「半日だけ」


それは、まだ奉公ではない。


だが、江戸で初めて開いた、小さな隙間だった。


第十八話 了

ここまで読んでいただきありがとうございます。


第十八話では、平吉が相模屋で「半日だけ」働く機会を得ました。


正式に奉公が決まったわけではありません。

飯も銭も出ない条件で、ただ使えるかを見られるだけ。


それでも平吉にとっては、江戸で初めて得た小さな隙間でした。


勝手に拾わない。

荷の角を見る。

置き場を聞いてから動く。

できないことを、できると言わない。


まだ字も弱く、算盤もできず、品の場所も覚えていない平吉ですが、利助からは「使えない小僧ではない」と見られました。


そして宗兵衛から告げられた、


「明日の朝、来い」


という一言。


奉公先が決まったわけではない。

でも、明日行く場所ができた。


江戸に来て初めて、平吉の明日が少しだけ形を持ちました。


次回は、相模屋での二日目。

平吉が、昨日教わったことを本当に覚えているのかを試される話になります。


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