表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

PR
17/44

第十七話 使える小僧

第十七話です。


江戸で最初の夜を越えた平吉は、奉公先を探して町を歩き始めます。


ただ、江戸の店は、夢を持った小僧を待っていてくれるわけではありません。

「何でもやります」という言葉が、どこまで届くのか。


平吉が、江戸の店先で自分の立ち方を探す回です。


木賃宿の朝は、家の朝とは違った。


誰も平吉を起こさない。


母の声もない。

太助の足音もない。

父が戸を開ける音もない。

いとの寝言もない。


あるのは、知らない男たちの咳と、藁の擦れる音と、誰かが草履を履く音だった。


平吉は目を覚ますと、すぐに荷を抱き直した。


寝ている間に何か取られていないか。


布包み。

ある。


父の荷札。

ある。


和尚の木札。

ある。


弥七の紙片。

清次の控え。

いとの絵。

兄の草履の緒。


ある。


銭は十七文。


昨日、江戸へ入り、煮込みに五文、木賃宿に八文を使った。


残り十七文。


平吉は、懐の中の銭を押さえた。


数えたい。


だが、ここは木賃宿だ。


人がいる。


銭は人前で数えるな。


母の声が、江戸に来てから前よりも強く聞こえるようになった。


平吉は、押さえるだけにした。


周りの男たちは、次々と出ていく。


誰も平吉に声をかけない。


昨日の夜、少しだけ泣いたことも、誰も知らない。


知られなくてよかった。


泣いても、朝は来る。


そして朝が来れば、また歩かなければならない。


平吉は荷を背負い、宿の女に頭を下げた。


「お世話になりました」


女は銭箱を見ていた。


「忘れ物するんじゃないよ」


「はい」


「外でぐずぐずしてると、声かけに捕まるよ」


平吉は顔を上げた。


「声かけ」


「昨日もいたろう。奉公先を紹介する、安い寝床を知ってる、いい仕事がある。そういうやつらだよ」


やはり、昨日の男のことだ。


平吉は頭を下げた。


「ありがとうございます」


「礼はいらないよ。うちの前で揉められると面倒なだけさ」


女はそっけなく言った。


だが、そのそっけなさが逆にありがたかった。


江戸では、親切も不親切も、村より形が違う。


平吉は木賃宿を出た。


朝の江戸は、すでに動いていた。



店の戸が開く音。


水を撒く音。


小僧が箒を動かす音。


荷を降ろす音。


「早くしろ」と怒鳴る声。


「そこに置くな」と叱る声。


朝の江戸は、夜よりも忙しかった。


平吉は道の端に立ち、しばらく店先を見ていた。


昨日は、ただ人と品の多さに飲まれた。


今日は、少しだけ見る場所を変えた。


店の前で誰が何をしているのか。


大店では、小僧たちが店先に水を撒き、箒で掃き、品を並べている。

手代らしき若い男が、帳面を抱えて出入りしている。

番頭らしき男が、品の置き方を指示している。


誰も暇ではない。


誰も、平吉のような小僧に構っている余裕はなさそうだった。


清次が言っていた。


朝の掃除が終わり、店が動き出す頃に回れ。

忙しすぎる時は邪魔にされる。


今は、忙しすぎる時かもしれない。


平吉はすぐに店へ飛び込まず、少し離れて見た。


見ていると、店によって違いがあることに気づいた。


ある店は、小僧が何人もいて手が足りている。

ある店は、一人の小僧が水撒きと品出しを何度も行き来している。

ある店は、店先の荷が少し乱れているのに、誰も直す余裕がない。


平吉の胸が少し動いた。


「何でもやります」と言うより、今その店で何が足りていないかを見る方が大事なのではないか。


品を見るな。使う人を見ろ。


弥七の言葉。


奉公先探しも、同じかもしれない。


自分を売るなら、相手が何を欲しがっているかを見なければならない。


平吉は、店先の様子を見ながら歩いた。



最初に声をかけたのは、小さな紙屋だった。


昨日、紙屋に目を奪われた。


帳面が欲しいと思った。


しかし、今日声をかけたのは、紙が欲しかったからではない。


店先に積まれた紙束の一つが、少し傾いていたからだ。


風が吹けば崩れそうだった。


店の奥では、女が客の相手をしている。

小僧らしき姿は見えない。


平吉は店先で頭を下げた。


「すみません」


女は紙を数えながら言った。


「何だい」


「その紙束、少し傾いています。直してもよろしいですか」


女の手が止まった。


「買うんじゃないのかい」


「買えません」


正直に言った。


「でも、崩れそうなので」


女は少しだけ平吉を見た。


「触るんじゃないよ。紙は汚れやすい」


平吉は手を引っ込めた。


「すみません」


「気づいたなら、そこの板を押さえておくれ」


「はい」


平吉は言われた通り、紙束の下にある薄い板を押さえた。


女が客への包みを終えると、紙束の位置を直した。


「助かったよ」


「いえ」


平吉は頭を下げた。


ここで言うべきか。


奉公先を探しています。


だが、この紙屋は小さい。

小僧を置く余裕があるかはわからない。


それでも、聞かなければ始まらない。


「こちらで、小僧は必要ありませんか」


女はすぐに首を振った。


「いらないね」


早い。


だが、昨日の番頭のように冷たくはなかった。


「うちは家族でやってる。食わせる口を増やせない」


「そうですか」


「字は?」


「自分の名前と、数字を少しだけです」


「紙屋で字が弱いのは困るね」


胸に刺さる。


しかし、その通りだ。


「はい」


女は少し考えた。


「奉公先を探すなら、紙屋より荷を扱う店の方がいいかもしれないね。字は後からでも、まず体がいるところがある」


平吉は頭を下げた。


「ありがとうございます」


「ただし、荷運びだけだと、使い潰されることもあるよ」


平吉は顔を上げた。


女は言った。


「体だけで入ると、体だけ見られる。字を覚えたいなら、字を使う場所に近づきな」


平吉はその言葉を胸に入れた。


体だけで入ると、体だけ見られる。


江戸で生きるには、入り口の選び方も大事なのだ。


「ありがとうございました」


平吉は店を離れた。


奉公先は見つからなかった。


だが、少しわかった。


紙屋は今の自分には遠い。


字が足りない。


しかし、完全に諦める必要はない。


体を使うだけではなく、字に近づける場所を探す。


小間物屋。

木綿問屋。

荷も品もあり、帳面もある場所。


平吉は清次から聞いた店の名を、また繰り返した。


大和屋。

近江屋。

伊勢屋。



二軒目は、木綿を扱う店だった。


店先に反物が積まれ、奥では男たちが荷を動かしている。


昨日よりも、平吉は店の中を少し見るようにした。


どこに手が足りていないのか。


荷が重そうだ。

店先の掃除は済んでいる。

帳場には番頭がいる。

小僧は二人いる。

だが、一人が何度も奥と表を走っている。


平吉は店の端で頭を下げた。


「すみません」


忙しそうな男が振り向いた。


「何だ」


「奉公先を探しています。水汲み、掃除、荷運びならできます」


男は眉をひそめた。


「そういうのは、朝から何人も来る」


平吉は息を呑んだ。


自分だけではない。


江戸には、同じような小僧が山ほどいる。


男は続けた。


「字は」


「少しだけです」


「算盤は」


平吉は言葉に詰まった。


算盤。


見たことはある。


庄屋の家で、三蔵が使っていた。


だが、触ったことはない。


「できません」


男は首を振った。


「無理だな」


まただ。


平吉は頭を下げた。


「ありがとうございました」


それで帰ろうとした時、店の奥で声がした。


「おい、そこの荷、誰か裏へ回せ!」


男が振り返った。


店の小僧は客に呼ばれている。

もう一人は奥で何かを探している。


平吉は、反射的に言った。


「運びます」


男が平吉を見る。


「落とすなよ」


「はい」


平吉は荷を抱えた。


重い。


木綿の反物がいくつも包まれている。


田で米俵を動かしたことはある。

薪も運んだ。


だが、店の荷は違う。


汚してはいけない。

ぶつけてはいけない。

濡らしてはいけない。


平吉は慎重に運んだ。


裏へ回す道は狭い。


人にぶつからないように、足元を見る。


荷の角を壁に当てないように、肩を少し入れる。


太助が田で言っていた。


手元だけ見るな。全体を見ろ。


和尚も字で同じことを言っていた。


荷運びも同じだった。


手元と、道の先。

荷の重さと、人の動き。


両方を見る。


平吉は何とか荷を裏へ運んだ。


奥の男が受け取る。


「遅い」


短い一言。


礼はない。


それでも、落とさなかった。


平吉が表へ戻ると、最初の男が言った。


「まあ、荷は持てるな」


平吉の胸が少し明るくなった。


「こちらで働かせていただけませんか」


男は首を振った。


「置く余裕はない」


また沈む。


「ただ」


男は続けた。


「荷を落とさなかったのは悪くない」


平吉は顔を上げた。


「江戸で小僧を探すなら、荷を持てます、だけじゃ弱い。荷を傷めずに運べます、と言え」


平吉は息を止めた。


荷を持てます。

荷を傷めずに運べます。


似ているようで、全然違う。


相手が欲しいのは、力ではない。


品を傷めないことだ。


男はさらに言った。


「掃除できます、も弱い。店先を客が歩けるように掃けます、と言え。水を汲めます、も弱い。店の邪魔にならない時に汲めます、と言え」


平吉は、頭の中に必死に刻んだ。


「何でもやります」は、何も見ていない言葉なのかもしれない。


店が欲しいのは、何でもする小僧ではない。


店の手間を減らす小僧だ。


「ありがとうございます」


平吉は深く頭を下げた。


男はもう別の荷を見ていた。


「行け。邪魔になる」


「はい」


平吉は店を離れた。


また、奉公先は見つからなかった。


けれど、今の言葉は大きかった。


荷を傷めずに運べます。

店先を客が歩けるように掃けます。

店の邪魔にならない時に水を汲めます。


平吉は口の中で繰り返した。


使えるとは、気持ちではない。


相手の手間を減らすことだ。



昼を過ぎる頃、腹が鳴った。


残り十七文。


飯の銭は、昨日分けた五文が残っている。


江戸では、一椀の煮込みが五文した。


昨日のように食べれば、飯の銭は消える。


しかし、何も食べなければ歩けない。


平吉は、露店で握り飯の値を聞いた。


「二文」


二文。


まだ何とかなる。


買うか。


少し迷ったが、買った。


二文を出す。


残り十五文。


握り飯は小さかった。


母の握り飯より小さい。


塩も薄い。


それでも食べた。


江戸で初めて買った握り飯。


母の握り飯は、もうない。


平吉は、一口ずつ噛んだ。


飯にも値がある。


家で食べていた飯にも、本当は値があった。


母が払っていた。

家が払っていた。

田が払っていた。

父と太助の背中が払っていた。


自分はそれを、ただ食べていた。


江戸で二文の握り飯を買って、平吉はようやくその重さを知った。



午後、平吉はもう一軒の小間物屋を訪ねた。


今度は、店先ですぐに奉公の話をしなかった。


まず、少し離れて見た。


客が二人。

店の者が一人。

小僧が一人。


小僧は客の草履を整えたり、品を奥から出したりしている。


忙しい。


店先の端に、小さな紙包みが落ちていた。


客のものか、店のものかはわからない。


平吉は近づき、すぐに拾わず、店の者に声をかけた。


「すみません」


店の男が振り向く。


「何だ」


「そこに紙包みが落ちています。お店のものですか」


男が見る。


「あ」


小僧が慌てて拾おうとした。


男が睨んだ。


「お前、落としたのか」


小僧は青くなる。


「申し訳ありません」


紙包みの中は、針だった。


細い針が何本か。


落としたまま踏まれれば、危ない。

失くせば品も減る。


男は平吉を見た。


「お前が拾ったのか」


「拾ってはいません。店のものか、客のものかわからなかったので」


男の顔が少し変わった。


勝手に拾えば、盗んだと言われるかもしれない。


だから声をかけた。


平吉は、それを薬包みの一件で学んでいた。


男は言った。


「気づいたのは、お前か」


「はい」


「なぜ気づいた」


「店先で、人が通るところに小さいものが落ちていたので」


「ふうん」


男は平吉を少し見た。


「何か用か」


平吉は頭を下げた。


「奉公先を探しています」


男の顔が、また店の顔に戻った。


「うちは足りてる」


やはり。


「字は」


「自分の名と、数字を少しです」


「算盤は」


「できません」


「なら難しい」


その言葉は冷たいが、昨日より痛くはなかった。


自分に何が足りないか、少しずつ見えてきたからだ。


平吉は言った。


「荷を傷めずに運ぶこと、店先を客が歩けるように掃くこと、水を店の邪魔にならない時に汲むことならできます」


男は少し眉を上げた。


「誰に教わった」


「木綿屋の方に」


「素直に言うんだな」


「はい」


男は少し笑った。


「使える言い方ではある。だが、うちは今はいらん」


平吉は頭を下げた。


「ありがとうございました」


また駄目だった。


しかし、男は去り際に言った。


「大きな店ばかり回るな。小さい店は食わせる余裕がない。大きすぎる店は口利きがないと入りにくい。中くらいの店を見ろ」


平吉は顔を上げた。


「中くらい」


「小僧が一人か二人いて、でも手が回っていない店だ」


平吉は深く頭を下げた。


「ありがとうございます」


男は針の包みを小僧に渡しながら言った。


「礼はいい。次は最初から奉公先を探してますって言え。遠回りしすぎても怪しまれる」


平吉は胸を突かれた。


「はい」


店を離れてから、平吉は思った。


観察することは大事だ。


だが、観察しすぎても怪しまれる。


江戸は難しい。


見なければわからない。

見すぎれば怪しまれる。

言わなければ伝わらない。

言いすぎれば軽く見られる。


平吉は、また一つ覚えた。



夕方が近づく。


奉公先はまだ見つからない。


銭は十五文。


昨日より、さらに減った。


今夜も木賃宿に泊まれば、八文かかる。

残り七文。


それでは明日が怖い。


軒下を頼める場所を探すか。

寺を探すか。

木賃宿に泊まるか。


江戸の夕方は、道中の夕方より忙しかった。


店が片づけ始める。

客が急ぐ。

灯りが入り始める。

呼び込みの声が変わる。


昼の商いから、夜の商いへ。


平吉は、その変化にも圧倒された。


道端で立ち尽くしそうになった時、朝見た木綿屋の言葉を思い出した。


店の手間を減らす小僧。


相手の手間。


今、自分が頼むなら、相手の手間を増やしているだけではないか。


泊めてください。

飯をください。

奉公させてください。


もらう言葉ばかりだ。


何を減らせるかを先に見なければ。


平吉は、通り沿いの小さな寺を見つけた。


門の前に落ち葉はほとんどない。

掃除で入り込む余地は少ない。


そこへ頼んでも、ただ泊めてくれと言うだけになる。


少し進むと、裏手に水桶を運んでいる寺男がいた。


桶が二つ。

重そうだった。


平吉は近づいた。


「手伝います」


寺男は警戒した。


「何だ、お前」


「江戸へ奉公先を探しに来た者です。今夜の寝場所を探しています」


言ってから、平吉は少し息を止めた。


最初から言った。


嘘も遠回りもしない。


「水を運びます。その代わり、軒下をお借りできないでしょうか」


寺男は平吉をじっと見た。


「銭は」


「少しあります。でも、木賃宿に毎晩泊まると、すぐ尽きます」


寺男は鼻を鳴らした。


「正直すぎるのもどうかと思うがな」


平吉は黙った。


寺男は桶を指した。


「運べ」


「はい」


平吉は桶を持った。


重い。


だが、持てる。


何度か運ぶ。


井戸から裏手へ。

裏手から台所の脇へ。


四往復した頃には、腕が痛くなった。


寺男は黙って見ていた。


最後に言った。


「軒下ならいい。ただし、朝も水を運べ」


「はい」


「飯は出ない」


「はい」


「荷は自分で抱えて寝ろ」


「はい」


平吉は頭を下げた。


今日も、何とか夜を越せる。


銭は使わずに済んだ。


だが、腕は重い。


腹も減っている。


夕飯は、粟の干し飯の残りを食べるしかない。


それでいい。


銭十五文。


明日に残せた。



その夜、平吉は寺の軒下で、暗い中、荷を抱えて座った。


紙片を開きたい。


だが、もう余白はほとんどない。


それでも、どうしても今日のことを残したかった。


平吉は、見えにくい中で小さく印を描いた。


紙屋の紙束。

木綿屋の荷。

針の包み。

握り飯。

水桶。


それから、拙い字で「十五」と書こうとした。


十五。


十は書ける。

五はまだ怪しい。


丸を五つ足した。


残り十五文。


今日、平吉は奉公先を得られなかった。


だが、昨日より少しだけ、自分の売り方を知った。


何でもやります、では足りない。


荷を傷めずに運べます。

店先を客が歩けるように掃けます。

店の邪魔にならない時に水を汲めます。

落ちている品を勝手に拾わず、先に声をかけます。


使えるとは、相手の手間を減らすこと。


平吉は、口の中で何度も繰り返した。


明日、もう一度店を回る。


大きすぎず、小さすぎず。

小僧が一人か二人いて、手が回っていない店。


そこを探す。


そして、最初から言う。


奉公先を探しています。


その上で、自分が何を減らせるかを言う。


平吉は荷を抱え直した。


腹は減っている。

腕は痛い。

足も痛い。

銭は十五文しかない。


江戸は厳しい。


でも、今日一日で、ただ断られただけではない。


断られながら、少しずつ削られ、少しずつ形が出てきている気がした。


木を削って箸にするように。


泥をならして畦にするように。


自分も、江戸に削られている。


それが良いことなのか、悪いことなのかはわからない。


だが、削られなければ、形にはならない。


平吉は目を閉じた。


「明日も、探す」


昨日と同じ言葉だった。


だが、昨日とは少し違った。


明日は、ただ探すのではない。


使える小僧として、立つ。


第十七話 了

ここまで読んでいただきありがとうございます。


第十七話では、平吉が江戸で奉公先探しを続けました。


紙屋、木綿屋、小間物屋。

どの店でも簡単には受け入れてもらえません。


けれど、その中で平吉は、ただ「何でもやります」と言うだけでは足りないことを知ります。


店が欲しいのは、かわいそうな小僧ではなく、店の役に立つ小僧。


荷を傷めずに運ぶ。

店先を客が歩けるように掃く。

店の邪魔にならない時に水を汲む。

落ちている品を勝手に拾わず、先に声をかける。


「使える」とは、気持ちではなく、相手の手間を減らすこと。


平吉はまだ奉公先を得ていません。

銭も残り十五文。

それでも、ただ断られるだけだった昨日より、少しだけ江戸での立ち方が見えてきました。


次回は、平吉がその学びを持って、もう一度店先に立つ話になります。


続きが気になりましたら、ブックマーク・評価で応援していただけると嬉しいです。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ