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かんてらOverWorld  作者: 伊藤大二郎
三方向作戦! 三カ国を巡るリーヨンちゃんとピコちゃん編
98/363

10月6日 ドワーフの国 斧の町 ジンさんとリーヨンちゃんと合流する


 おそらく平成26年10月6日

 剣暦××年9月6日


 ドワーフの国バーンスタイン

 斧の町


 なんだかんだ言っていたら、今日の日没前には斧の町に着いた。

 やったね。

 せっかくなので、ジンさんと食べた山盛りのサラダの出る食堂に行こうとしたら、もう閉店。あー、朝と昼しかやってない店なのか。

 ユキくんに看板を読んでもらったら、あと一時間くらいすると夜からのパブが始まるらしい。

 ならその間に宿をとることに。


 斧の町の話をしていると、ユキくんは僕とジンさんが間違って選んだ連れ込み宿にえらく興味しんしんだった。

 風呂自体は嫌いだけれど、泡の出る風呂とか、ピンク色のベッドを見てみたいのです、ときたもんだ。


 まあ、見たいと言うなら、見に行ってもいいか、宿賃安いし。

 しかし、ユキくんはまだ14才。もし「この宿どうしてこんなにピンクなのです?」なんて訊かれたらなんて答えよう、と悩む。

 悩んでいる最中に、件の宿に着く。

 二か月前と同じところに、どの建物はあった。

 まあ、いっか。

 はしゃぐユキくんに手をひかれ入ろうとしたところで。


 ジンさんとリーヨンちゃんと合流した。

 2人とも、青ざめた顔をして、連れ込み宿に入ろうとした僕とユキくんを見ていた。

「いつまで経ってもお前らが斧の町に来ないから、もしかしてここにいるんじゃないかと思ったんだが……」

 というのがジンさんの言。

 タイミングよすぎだわ。

 この建物の用途をよく理解しているのだろう。

 口に手をあてたまま震えるリーヨンちゃんに、なんと説明したものか。


 閑話休題


 その後、4人で先ほどのパブに行き打ち合わせ。

 オークの国の経緯を聞く。

 どうやら、大成功したらしい。

 リーヨンちゃんが到着した時、世界廃滅主義者のアホ共は国宝エターナルウォーターはすでに紛失しているという情報を世間にばらまいていた。

 皆がまさか、と不安になっているところに、竜に乗ったリーヨンちゃんがその国宝を持って帰ってものだから、演出としてはばっちりはまったことになる。

 それはもう歓喜の渦だったとか。

 間に合った、よかった。

 グーさんはそこで別れて、リーヨンちゃんとジンさんは徒歩と馬車を乗り継いで僕達より先に着いたと言う。

 僕とユキくんが迷子になって一日ロスしたにしても早すぎないだろうか、と思ったが、ジンさん曰く「徒歩しか手段のないホビットの国を通るより、馬車を乗りついで、草原の国経由でドワーフの国に入った方が、実質早い」とのこと。

 流石、ジンさん。プロってる。


 とりあえず、再会を祝して乾杯。

 酒の入ったジンさんに、興味があるとは言えユキくんをあんな宿に連れて行こうとするな、と叱られる。いや、社会勉強よ、と言い訳したら怒られた。

 すると話を聞いていたユキくんがジンさんに「あの宿はそんなにいけないところなのです? なんで入ってはいけないのです?」とか訊かれてしどろもどろになっていた。やーい。


 宴が終わり、ジンさんが四人分取ってくれた宿に入る。

 僕とリーヨンちゃんが相部屋。 

 いつものごとく、にこにこしながらこっちを見ているリーヨンちゃんと片言で会話しながら、日記をつける。

 すると、「カンテラ様はあんなに飲まれていたのに酔われていないのですね」とか言われた。

 大学時代に、酒を飲む連中とばっかりつるんでいたから、正体を失くす程酔わない癖がついたってことを、どうやって剣祖共通語で説明したものか、悩む。



 明日、ドワーフの宝石職人アングルカートを訪ねる。


 

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