10月10日 ドルアッチェ完成
おそらく平成26年10月10日
剣暦××年9月10日
ドワーフの国バーンスタイン
斧の町 宝石細工職人の工房
つ、疲れた。
宝石職人に会いに言ったのが、3日前。
インスピレーションが湧かず、酒びたりの毎日を送っていた宝石細工師のおじさんに、オーク石を見せたところ、眼を輝かせて「作らせてくれ!」とか言ってきた。
よかったよかったよ思いきや、仕事を選び過ぎて、貧乏な細工師は、給料が払えないので助手に辞められ、愛想を尽かした奥さんにも出ていかれていた体たらく。
仕方ないので、道具の手入れや工房の掃除から始まる。
僕、ジンさん、ユキくんが手分けして準備。
ドワーフの職人は、石ころとリーヨンちゃんを連れて、工房の一番奥の部屋に入っていった。
ユキくんなんかは「大丈夫なのです?」と心配していたけれど、多分、いけると思う。
秘宝エターナルウォーターの青い輝きを見た瞬間、あのドワーフの眼の奥の輝きは、それ以上の異様だった。
きっと、彼もそういうタイプの人間なのだろう。
一日かけて掃除完了。
その間にドワーフはリーヨンちゃんと打ち合わせが済んだらしく、早速作業に入る。
もちろん、僕達三人も手伝い。
あれを持ってこいだの、隣の家から大槌持ってこいだの、これを研いでおけだの色々。
でも、僕はドワーフ語喋れないし、ユキくんも職人の手伝いは門外漢過ぎる。
結果、まともに動けるジンさんが超活躍した。
加工はとても面白かった。
まず、普通のミノでは削れないオーク石である。どうやって加工するのかと思ったら、長さ2mくらいの槍のようなものをあてがい始めた。そしてその槍の刃先を削りたい部分に添えてドワーフ親方が合図すると、その石突をリーヨンちゃんが金槌を使って怪力でまっすぐに打ったたいて、削る。
ご、豪快すぎるだろ。
ドワーフとオークは、2日寝ないで、作業を続けた。
ついでに、親方の説明する角度とか力加減をドワーフ語からオーク語に通訳するために、ジンさんも寝ないで付き添った。
僕とユキくんも、一晩中水汲みだった。(オーク石を叩くと、石も槍もえらく熱を発するらしく、水をかけ続ける必要があるのだ)
おかげで、なんとか指輪につけるのにふさわしいサイズの宝石に加工することができた。
これは、これなら、国宝ドルアッチェにふさわしい石だ。
早速持ち帰りたいところだけれど、もう皆体力使いきって、その場でバタンキュー。
皆で、そのまま丸一日寝てしまった。
で、今。
起きたら、ジンさんがシチュー作ってくれていた。
やっぱジンさんすげえなあ。




