8月9日 最終目標が決まる
おそらく平成26年8月9日
剣暦××年7月9日
今から王都に乗り込もうにも、戦力が足りな過ぎる。
やはり、援軍を呼ぶしかないか。
※※
「それでは、ホビット忍者のみなさん。この手紙をここに書いている6人に渡してください」
高町家 家宰 デミトリ
ドワーフの戦士 レミィ・アンダーテイカー
エルフの巫女 シャラク・ウラ
オークの文豪 キログラム
竜宮の両虎 シズカとトモエ
草原の料理人 アレグロ・スタッカート
それだけでいいのか? とジンさんは訊くが、これでも戦力を集めすぎなくらいだ。
僕の目的がイリス王女の無血解放である以上、少数精鋭で、行く。
手紙を受け取り、何かの言葉を待ってる風な小人達に、そえっぽいセリフを言ってあげなければ。
「それでは、散れっ!」
日本語なんて知らないだろうけれど、雰囲気を察して、影に姿を消した。
「あのー、わたすはどうすたら?」
訛りのひどい日本語で、質問してきたのは、姫様からの手紙を届けてくれた魔女。
彼女には一番大事なメッセンジャーをしてもらう。
「あなたには、もう一度草原の国の王都 というか、国王に会ってこう言ってほしいのです。『大鬼の国との条約は、イリス王女の命を受けたカンテラが、果たしてきました』」
五回くらい説明して、やっと暗唱した魔女を送り出した後、ジンさんが訊く。
「お前が言ったのって、今年の2月に王女殿下と話をしていた。あの条約だよな。途中までお前が段取りをつけていたが、結局別の派閥の貴族に手柄を取られた」
「そう、それ。あれがこじれるように、って僕がホビットの国に飛ばされたやつ」
「……いつ、条約なんて締結したんだ? 噂では、やっぱり特使となったフレイムロード候は話をこじれさせて、未だに締結の目途は立っていないと聞くが……」
「もちろん、何の目途も立っていないし、そもそも僕はこの4か月オークの国にも行っていないよ」
「……嫌な予感がするが、どうする気だ?」
「もちろん、今週中にオークの国に行って、条約を結んで、王様に報告する。そして、行方不明になっていたのは、その条約の根回しで動いていたことにする」
「いや……、いや、お前は何を言っているんだ? いや、お前は何を言っているんだ?」
「なんで2回言ったの?」
「そもそも、ここから大鬼の国まで、どうやって……」
有難いことに、向こうに見える丘を越えれば剣の国チートブレードである。
そして、そこには僕のペットの世話をお願いしている人が住んでいる。
そう、あれなら、1日で大鬼の国に着く。




