入学式前の一悶着
遅れて申し訳ありません!!!!!!学力Aに忙殺されていました……
青光りする月明かりが差し込む中、アレン様に逆らおうとする輩三人の前に立つ。
「なんで、こんなとこに女がいるんだ?」
黒装束を纏った男の一人が言う。
「服装から見るに騎士⋯⋯なのでは?」
私の服はジーク様が用意してくださった、アレン様と似た軍服。
違いがあるとすればマントが無いのと帽子の星の形が違うことね。
アレン様は星が付いていますが、私の星は一つ欠けています。
(アレン様と同じなんて恐れ多いですから。)
「バレた以上、殺すしか無い。」
こちらをじっと、何も言わずに見ていた男が言うと他の二人が剣を構える。
(騒ぎになるとアレン様に迷惑になりますからね。)
黒装束の男たちが同時に切りかかってくるが、クリスタには止まって見えるに等しい速さだった。
(ジーク様とアレン様に比べてしまうと、遅すぎるわね。)
「【氷像】」
斬り掛かってきた男たち全員がクリスタに近づくことすら叶わずに、足の先から頭へと氷漬けになっていく。
「氷!?」
「何なんだ!これは!」
「実験体が見つかるなんてな。」
三人三様の反応をしながら白い息を吐く、興味深い事を言うのね。
「私を知っているのね。」
リーダー格の男に聞くが⋯⋯不快な言葉しか出てこないわ。
「知ってるも何も我々が育てた【モルモット】じゃないか!」
唾を吐きながら喋り続ける。
「【永久凍土】のお陰で薬の投与が上手く行かないからな。お前を輸送する羽目になった時はとても困らされたよ!」
「運良く逃げ込んだ先が【落ちこぼれのアスター家】だとは!【例のボンクラ】に体でも差し出したか?」
私の中で何かが切れる音がした。
「何だ!?木々が凍りついて、俺の俺の目が!!」
(アレン様を?【ボンクラ】?)
他の男二人を見ると完全に氷になっている、散々アレン様を侮辱した男は目玉が凍りついている。
「やめ、てくれ!」
目が凍っただけなら、すぐは死なないのだろう。
(好都合だわ)
「アレン様はね、
私に手を出した事は無いの。
私にご飯を食べさせてくれたの。
私に【人の温もり】を教えてくれたの。
私がベットに入り込んでも許してくれたの。
私を従者にしてくれたの。
私の頭を撫でてくれるの。
私がこの服を着た時、似合っていると言ってくれた の。」
(この女⋯⋯狂ってる!!!)
私がアレン様のすばらしさを語っていると、呼応するように動き出す【氷槍】が男の腹をゆっくりと貫いていく。
(あぁ、私なんかの言葉では語りきれないわ。)
「【アレン様は神なの】」
私が言い切ると同時に先程まで喚いていた男が動かなくなる。
パリィィン!
氷漬けにされた男達が粉々になる。
「また、やってしまったわ。」
氷漬けになった、当たり一面を見て思う。
漏れ出る感情に呼応して周りが氷漬けになってしまう⋯⋯戻すのが大変なのよね。
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入学式当日。
「アレン様、馬車の用意は済んでおります。」
朝食を終え、自室にて制服を身に纏う俺に声を掛けるジーク。
「あぁ、すぐに行く。」
腰に剣を差し長い廊下を歩き、屋敷を出ようとすると⋯⋯
「私に挨拶は無いのか?アレン。」
後ろから声を掛けるのはヴィクターだ。
「行ってまいります。父上。」
俺からすると父親だという感覚はあまりない為、足早にドアノブに手をかけ出ようとすると。
「好きに暴れてこい。」
「はい。」
外に用意された馬車でジークに話す。
「父上があんな事を言うなんてな。」
馬車内に居るのはジークとクリスタ。
「ヴィクター様もアレン様を認めているのですよ。」
揺れる馬車の中で資料を見ているジーク。
「ところで何を見ているんだ?」
ジークが額にシワを寄せながら資料とにらめっこをしている。
「最近の【聖勇騎士教団】が領内で動きが活発になっている事と他の【四大貴族】の情報を見ておりました。」
「俺も見よう。」
ジークが資料を手渡してくる。
敵対勢力と中立勢力が書かれている……【バルバロス家】と【シルフィード家】この2つは明確な敵だ。
「1番動きがわからないのは、【ハインライン家】だな。」
その名を出すとジークが少し疲れたような顔を見せる。
「ハインライン家が何なのですか?」
何も知らない、クリスタが俺に聞いてくる……今では普通に喋れるまでなったな。
「私が説明しましょう。」
ジークが資料も見ずに説明する。
「ハインライン家は我が家と同じ【四大貴族】であり、商業に強い貴族でもあります。公にはされていませんが闇市などにも携わっていると。」
ゲームの設定でも明確に味方になったシーンは無いな。
一時的な同盟関係ぐらいが関の山だな。
「教えてくださり、ありがとうございます。」
クリスタが感謝を口にする。
【聖勇騎士教団】の方が問題だな、ゲームの本編だからな色々用意しているのだろう、クリスタみたいな実験体達を。
「クリスタ、お前のような境遇の奴らを助けたいって思うか?」
正直助ける助けないはどっちでも良いのだが、改造される前に救出して置く方が楽ではあるだろうが……俺は学園があるから動けないだろう。
「教団はアレン様の……邪魔になるのですよね?」
教団は邪魔ではある、最終的には俺の【固有魔法】を狙っていることは確実だしな。
「邪魔にはなるだろうな、現状も屋敷に忍び込もうとしているしな。」
ジークに話したのは初めてだが眉一つ動かさない……わかってたけど放置してたな?
「私が掃除をします。アレン様の手を煩わせるほどのことではありません。」
ジークが資料をクリスタに手渡しする。
「行動する時は当家とは無関係ということで、捕まったりした際は……ご理解頂けると助かります。」
「アレン様の為ならこの命は捨てれるわ。」
何かあった時の話をするなんて辛気臭い奴らだ。
「お前は俺の従者だ、簡単に死なれたら困る。」
「バレた時は俺が全員殺す。」
ジークが固唾を飲む音とクリスタが瞳をうるわせている。
「その時は、この国が滅びそうですね。」
ジークがそんな事を言うと同時に馬車が止められる。
「ジーク様、学園前まで着きました。」
御者の騎士が馬車の扉を開け、ジークが先に降り先導をする。
馬車から降り全開になった鉄格子の門を見る。
「圧巻だな」
俺の眼前に広がるのは、王城より一回りほど小さいがそれでも威厳のある城だった。
「第二の王城と言われていますからね、【第一次皇王国大戦】時は王族の一部をここで守っていました。」
ジークが遠い目をしながら腹部を擦っている。
続々と貴族の生徒たちが横を通っていくが……視線が気になるな。
俺を馬鹿にするような視線と俺に近づいてくる男。
「よぉ、アレン・ヴァルハイト・アスター……久しぶりに見たぜ。」
俺よりも二回りほどデカい男、【ガルド・フォン・バルバロス】だ。
「おいおい、無視かよ。【落ちこぼれのアレン】よー。」
ガルドは俺に向かって、自身の手袋を投げつけ俺に囁く。
「【固有魔法】が使えない相手を倒しても、意味ないと思うだろ……【四大貴族】なら話は変わるよな。」
周りの入学式に向かう生徒に聞こえるように奴は叫ぶ。
「俺の決闘を受けろ!!!【四大貴族】アレン・ヴァルハイト・アスター。」
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早速面倒なことになりましたね。
これにはジークもお腹を痛めているでしょう!!
(´;ω;`) (入学早々、なんて事なんでしょうか……胃痛が……)




