第二話 剣の真理と<終憑>の真価
第二話
ジークと修行を始めてから一週間⋯⋯ジークが中庭で俺に言う。
「アレン様、魔力を込めすぎです⋯⋯」
中庭でジークに素振りの稽古を付けてもらう。
「アレン様の魔力量は、私のような騎士にもわかるほどのオーラです⋯⋯が、それだけで勝てはしません。」
向かい合うジークの素振りを真似て、剣を振る。
ジークの剣はとても美しい⋯⋯
魔力を持っているものにはオーラが見えるがジークのオーラは揺れ動かず⋯⋯一振するたび剣先の魔力の残像が見える。
風を切る袈裟斬りからの逆袈裟⋯⋯青い魔力の残像が遅れて見える⋯⋯芸術的だ。
俺がジークに剣を習い始めて気づいたことは⋯⋯剣は美しいということだ。
アスター家の騎士団の模擬戦を見たが、ジークほど美しい魔力のオーラは見えなかった。
「ジークは何故そんなに、魔力が揺れ動かないのだ?」
俺の剣は、ドス黒い魔力が揺れ動き続けている。
「私は長年、王国のために戦場で剣を振り続けまた。」
ジークが思い出すように、空を見上げる。
「勇者を信仰している国⋯⋯聖導皇国との戦争の際、私は先代勇者と切り合いましたが⋯⋯」
ジークが感傷に浸りながら話す。
「私なんか、よりも美しい魔力の流れでした⋯⋯純白の魔力が彼の体を駆け回っていました。」
ジークが俺の目を見て話す。
「勇者は私よりも、おそらく魔力量は多くなかったと思いますが、今のアレン様よりも強いと思います。」
ジークが言っているのは、原作でも出ていた【勇者の血】のことを言っているのだろう⋯⋯少ない魔力を無駄なく使用することのできる⋯⋯血液。
「私は、それからも長い間⋯⋯剣と向き合い続けると、私もこのようなオーラになりました。」
原作では確か⋯⋯【勇者の血に相応しきものが、その力を得る】とファンブックに書いてあったはずだ。
相応しきものとは?制作者に選ばれた人間が、手にするのかと考えていたが⋯⋯⋯
ジークは実際にできている、つまり後天的にだが【勇者の血】に近づくことができるのではないか?
「アレン様、今日はここまでにいたしましょう⋯⋯なにか、考え事がお有りそうでので。」
ジークが、模擬刀を鞘に戻し俺に聞いてくる。
「あぁ、そうだな」
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すぐに屋敷の風呂に入り、自分の部屋で魔力を抑え込む。
ここ最近、ジークの魔力の流れを見続けてわかった。
「こうすれば⋯⋯⋯いいのか」
今まで燃え盛るように揺らめき続けていた、俺の魔力が、ジークのように静まっている。
「勇者は元から、これができるなんて⋯⋯さすがは主人公は違うな⋯⋯」
自分の右手を見ながら思う。
(今の俺なら【終憑】を使える気がするな。)
ミスったら、自分が消えるかもしれないがやってみる価値はある。
〈終憑〉
なにも⋯⋯起きないな⋯⋯成功したのかもわからないな。
部屋に掛けてある、模擬刀を持ち部屋を出て中庭へ向かう。
「アレン様、今から鍛錬ですか?頑張ってくださいませ。」
すれ違う、メイド達が声をかけてくるが⋯⋯今は気にしている余裕がない⋯⋯
(早く、この力を試したい!!!!)
中庭に行く途中に、目当ての男を見つけ声を掛ける。
「ジーク、今から俺と模擬戦をしろ」
ジークが困った表情を見せる。
「ヴィクター様より、仕事を預かっていまして⋯⋯⋯」
だが、俺の目を見て言う。
「アレン様が、そんな笑みをするのは始めてみました。」
ジークが書類をまとめながら言う。
「先に行って待っていてくださいますか?すぐに行きます。」
「あぁ、早く来てくれよ」
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中庭で素振りをして待っていると⋯⋯⋯
「今から、模擬戦だと言うのに疲れてしまいますよ?遅れて申し訳ありません。アレン様。」
今の俺は、どんな顔をしているのだろうか?
(久しぶりに見た笑顔ですな)
自身の主君の息子⋯⋯アレン様のワクワクが抑えきれないような。
(奥方様がいた頃のような、純粋な笑顔⋯⋯いや、冷たく不敵な笑顔)
アレン様は、明確に変わろうと⋯⋯⋯いや、変わったのだと私は感じている。
「俺の準備はいいんだが、固有魔法を使ってもいいか?」
「もちろんでございます」
ジークがなんだか、微笑んでいるな⋯⋯俺の顔はそんなに面白いものなのか?
(ただ、ジークに死なれるのは困るからな⋯⋯⋯〈終憑〉の対象は俺に害のあるものだけにするか。)
「もう、打ってもいいのか?」
「いつでも来てください。」
アレン様が私と向かい合い、お互いに視線を交差する⋯⋯教えてから、たったの一週間⋯⋯才能と努力というものは恐ろしいですな。
アレン様のオーラは、以前のような猛々しく燃え盛る魔力ではなく抑えられている。
私の剣を喰ったんでしょう⋯⋯
「行くぞ!!!!」
アレン様が踏み込むと、芝生が凹むと同時に横薙ぎが私の胴を狙うが防ぐ。
ガキン! ドオォォォォオン!!!
(以前より!!!遥かに重く!早っ゙)
頭上から、石屑が落ち水が流れ背中に激痛が走る。
後ろを見ると⋯⋯⋯
(中庭の女神の噴水まで吹き飛ばされたのですか⋯⋯これは修理代が高そうですね⋯⋯)
「もう、おしまいか?お前はもっと強いと思っていたのだが?」
アレン様から激が飛んでくる⋯⋯情けない限りです。
私は立ち上がり⋯⋯構える⋯⋯今私の目の前にいるのはアレン様ではない⋯⋯先代勇者と勘違いしてしまうほどの強さ。
「王国元騎士団長⋯⋯【ジークヴァルト】!」
私の口上を聞き、アレン様が不敵な笑みを浮かべる。
(私も⋯⋯戦うことが好きだったのか⋯⋯久しく忘れていました。)
「四大貴族アスター家嫡子⋯⋯【アレン・ヴァルハイト・アスター】」
ヴィクター様⋯⋯アレン様は四代大貴族の恥などではない!頂点に立つお方だ。
最大の魔力を絞り出し、剣に通す⋯⋯「参る」
地面を駆け抜ける⋯⋯一合、二合、三合、四合!止まることなく、刃を交え、火花が散る。
(私の目指した⋯⋯理想が⋯⋯今目の前にある!!!)
打ち合うたび、アレン様の反応速度が上がり押され始める。
「ハァァアアア!!!(受け流す!!!!)」
攻めるのを諦め、アレン様の剣を受け流す。
ガキィンッ!!!
(崩されましたぞ!!次は何を見せる!?アレン様!!)
アレン様が受け流され、隙ができた脇腹に剣を振り抜くと⋯⋯⋯
アレン様に刃が近づけば近づくほど、勢いが落ちていき刃が、錆つき崩れていく。
(これが!人類史上未確認の【固有魔法】)
アレン様が活き活きとした笑顔のまま⋯⋯⋯私の首筋に当てられる剣⋯⋯私の手から、柄から上が崩れ落ちた、剣だったものを投げ捨てる。
「お見事です。参りました⋯⋯アレン様」
もう私がアレン様に教えれることはない⋯⋯もう隠居を考える時かもしれなですね⋯⋯
「アレンさ「ジーク、この領内の賞金首の情報をすべてまとめておけ」」
最近のアレン様は唐突に物言うことが多いですね⋯⋯
「お前にはまだ働いてもらうぞ?」
昔よりも、笑顔が増えた分⋯⋯仕事にやりがいが出ますね。
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終焉】の一部の能力が出ましたね!
これからも、無双していってほしいですね!
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