表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
幸せにすることを、誓います。  作者: 夢魅るか
第二章 夢を叶えるために
59/65

第五十九話 相談

「えっと、さっきの悪の組織のことなんですけど……」

「そうなのね」



師匠は優しい表情で頷く。


怒られるかと思ったけど……よかった。

ほっとしながら、話し始める。



「……悪の組織の人たち、ボスとしてのわたしに優しくしてくれて……」

「うんうん」

「倒される未来を知っているのに、黙っていて……なんか、罪悪感が湧いて……」



ミリシアには、言えなかったけど……大人の師匠には相談できた。

ミリシアは少し驚いていて、わたしの方をじっと見ている。



「そうね……どうしても嫌だったら、やめればいいと思うわ。でも、それを我慢してでも叶えたいのなら……頑張るしかないわね」

「そっか……」

「夢を叶えるのは、大変なのよ……だけど、その辛かった時間があるからこそ、達成感があるのだと思うわ」



師匠は、少し懐かしそうにしながら優しく言う。

わたしは、その言葉にこめられた重さに、思わず黙ってしまった。



『……気づけなくて、ごめんなさいね』

『あ、ううん、気にしないで……少し、嫌だっただけだから』



少ししょんぼりしているようなミリシアに、慌てて言う。

だけど、ミリシアは変わらず落ち込んでいるみたいだ。


どうしよう……


そんなふうに焦っていると、ミリシアは伺うように言った。



『……わたしのせいにしても、いいのよ? もともとのわたしがこんなことをしていたから、リアもしなくちゃいけなくなったのでしょ?』

『そ、そんなことできない! やると決めたのは、わたしなんだから』



そうだ、わたしが決めたことなんだ……

だから、最後まで……物語の終わりまで、やりきらないと。



『……なら、責任は半分こね』

『うん……わたしたちの責任だ』



わたしはそっと差し出されたミリシアの手を、ぎゅっと握る。

ミリシアも、一緒に強く握り返してくれた。



「……もう悩みは解決したみたいね。私は役に立てたかしら?」

「はい、ありがとうございました」

「そう……いつでも相談してちょうだいね」



師匠は、優しく微笑みながら言った。


師匠と話さなかったら、きっとミリシアにも相談できなかっただろうし……

とても助かった。



「それで、もう休憩は終わりなのかしら? 少しって言っていたけれど……」

「あ、そうですね……もう帰らないと」



思ったより、相談が長引いてしまった。

お屋敷の人たちに違和感を持たれる前に帰らないといけないのに。



「残念ね……でも、またいつでもきてちょうだい」

「はい、もちろんです。また、修行をしにきますね」

「ええ、楽しみに待ってるわ」



師匠は、少し寂しそうにしながらも笑う。

でも、すぐに思いついたように言った。



「あら、そうだわ。ジゼルをしばらく借りてもいいかしら? いてくれると、とても助かるの」

「ジゼルがですか?」

「ええ、そうよ。無理なら別にいいのだけど……」



ジゼルが……

確かに最近は師匠のところにずっといると思っていたけど。


そんなに役に立っているとは知らなかった、と少し驚いてしまう。



「えっと、大丈夫だと思います……ジゼルにたくさんお手伝いさせてください」

「まぁ、いいのね。ありがとう。少しだけ、助けてもらうわね」



師匠は、嬉しそうに笑った。


ジゼルも楽しそうにしていたし、たくさんお手伝いさせてもいいと思うけど……


わたしは、そんなふうに考えながらも、家の外に向かう。



「それじゃあ、またね。ミリシア」

「はい、また……絶対にきますね」

『……わたしも、リアと一緒に来るわ』



ミリシアも、わたしと一緒に挨拶をする。

声は聞こえていないと思うけど、その気持ちは伝わったのか、師匠はまた嬉しそうに笑う。



「楽しみにしているわね」



師匠に手を振りながら、わたしとミリシアはラニの能力で転移した。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ