第五十八話 最近のことを教える
「ミリシア、これからどうするのかしら? 少し休んでいく?」
「えっと……はい」
師匠の言葉に、少し迷いながらも頷く。
急いで戻ったほうがいいのかもしれないけど、お屋敷に戻っても修行以外にやることもない。
それなら、久しぶりに会えた師匠と一緒に過ごしたいかな……
「それなら、お話でもしましょうね」
「はい」
わたしは頷きながら、師匠の後ろをついて行く。
ミリシアもはっとしたようにわたしの隣に来て、一緒に歩いていった。
「ミリシア、最近はどうなの?」
「そうですね……頑張ってます」
「そうなの、すごいわ」
師匠は柔らかく微笑みながら言う。
お屋敷ではミリシア以外に褒めてくれる人なんていないから、なんだか照れる……
でも、とても嬉しい。
「そうだわ。ミリシアの言ってた、物語? 今はどうなっているの?」
「えっと、最近主人公が前世の記憶に目覚めて……でも、わたしの出番はまだ先です」
師匠は、頷きながら真剣に聞いている。
ミリシアもわたしの後ろから席に移動して、話を真剣に聞き始めた。
「わたしが出るのは学園編からなので、三年後くらいです」
『その学園編のために、リアは頑張っているものね』
ミリシアは頷きながら、わたしを褒めてくれるように言う。
やっぱり正面から言われると恥ずかしい……
そう思ってしまうけど、心を切り替えて話を続ける。
「あの、でも、わたしが暗躍して主人公をピンチにしていたという話もあって……そのために、いわゆる悪の組織っていうものを作ったりしました」
「悪の組織ね……」
「でも、悪の組織でも悪いことはちょっとだけしかしてません……!」
物語に必要な悪いこととか、他にも最低限しか悪いことはしていない。
悪そうに見えて、しっかり法律は守っていることとか……そういうので組織の資金は作っているし。
でも、怒られるかな……
師匠の方を見ると、少し驚いような顔をしている。
不安になりながら待っていると、すぐに息を吐いた。
「……まぁ、必要なことならしたらいいと思うわ」
「はい……あの、ごめんなさい……」
「別にいいのよ」
師匠は困ったように笑う。
やっぱり嫌だったのかな……
でも、もう変えられないし……
悩んでいると、少し相談したかったことを思い出す。
話題を変えるのにちょうどいいと思って、さっそく聞いてみる。
「あ、その……相談が、したくて……」
「あら、何かしら?」
師匠は、不思議そうな表情で聞いてきた。




