↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ヒストリア  作者: パリィ
2章 暁の救世主
48/66

湯舟

風邪でした。

モニター前がお鼻畑になったので怒りの登校です



「すまんラザエラ、助かった」


斃れたアルビノ種オーガの背後には、鋭く曲がった短剣を持つラザエラが立っていた。


「いえ、援護が遅くなり申し訳ありません」



ラザエラが放ったスキルは人型に特効ボーナス大が入る一撃必殺のスキル閃那《首刈》。

暗殺系スキルの大技で確定クリティカル、ボーナスダメージ大+割合ダメージが入る必ラザエラの殺技と言えるスキルだ。


しかし実際に当てることは難しく、対象とのレベル差はもちろんのこと、スキルレベルやステータスが低いと奇跡が起こらない限りカス当たりすらしない。


ラザエラはこのスキルを確実に当てるためだけの目的でステータスと装備、スキルの育成をされた《姉妹達》の中でもかなり特殊なキャラだ。


いくらアルビノ種特有の高耐久でも、両手を失い弱り切っていればラザエラの一撃を防ぐ事などできない。


俺は地面に倒れ伏した白いオーガを見下ろしながら、大きく一息ついた。


「まさかアルビノ種が生息していたなんてな…パニエの索敵に引っかから無かったのは何故だ?」

「恐らくなんらかの高レベルのハイド系のスキルを所有しているものと思われます。そしてこの場だけに漂う空気中の魔力が濃すぎて索敵にノイズが入るので、それもあって発見が遅れました」


非常に申し訳なさそうに頭を下げパニエは謝ろうとするが、そもそもそう言った魔力が濃い場所に設置する予定なのだからパニエは悪くはない。


「気にしないでくれ。俺もまさかアルビノ種が出てくるなんて思ってもみなかったから、舐めきって大した装備もしてきていない。舞剣もこのザマだしな。今回の事は教訓にするよ」


半ば折れかかった舞剣を見せ、俯いてしまったパニエの頭を撫でてやる。

近くにいたソーニャも無事で、全員怪我も無かったようだ。無傷で生還出来たことを今は喜ぼう。


「さあ、残りのオーガ共を根絶やしにして帰ろうか」

「…はい」

「御意」


放心状態でポツンと立ち竦んでいるソーニャを起こして、逃げ惑いだす黒オーガ達を殲滅して行く。


メイには引き続きラザエラを付けて、未だ動揺気味のソーニャにはパニエを付ける。


俺は一人で先行して壊れてしまいそうな舞剣を仕舞い、範囲系の魔法で黒オーガの群れを倒して回った。


なんとか日暮れ前にはパニエの索敵に引っかかる敵を殲滅し終わり、屋敷へ戻る事ができた。








「ふぃ〜疲れた。しっかしまさかアルビノ種が出てくるなんてなぁ」


そして俺は今、熱い湯船に浸かり、一人で大浴場を占拠していた。


「確か他にも厄介な魔物が生息していると聞いたしなぁ。リーゼ以外の妹達では難しいな…」


正直リーゼも単独では難しいかもしれない。


下手なレイドボスより強く、厄介な敵として認識されているアルビノ種。何ならレイドボスよりアルビノ種の方がボスと認識されている事も多い。


被害が出る前に早急に対処しなければならないな…。


最近では屋敷周辺も開拓が進み、かなり広い敷地に農園や訓練施設まで建設されつつある。それらは主に、子供達の学習の為でもある。


勿論幾重にも魔物避けの結界が張ってあっても、遊び盛りの子供達が外に出てしまっては意味がない。


リーゼの所のラージュに周辺のパトロール強化を命じて置くか…。


もしくは俺たちで間引く、か。


「計画の準備完了まではもう少し掛かるようだし、俺とイーリスを中心に第二次リフ大森林魔物掃討戦だな…」


大森林の中は魔力の淀みが多く、人々が多く生活している立より濃い。魔物は間引いてもさらに生まれてくるだろうが、今パーシェルに開発してもらっているマジックアイテムが完成すれば、森の魔力はきっと安定しだすだろう。



そう言えば異世界の魔物はテイムできるんだろうか。


試した事はないができるような気もする。だがアルビノ種のテイムなんてした事がないな。難易度はそれなりに高そうだ。


考えるべき事はまだある。


道化師の存在だ。

ゲーム内では戦闘力は鈴に匹敵し、ステータスではイーリスにも届く馬鹿げた能力値。公式発表では最高の頭脳を持つ魔物として発表されている。


異世界ではどう変化しているのかは分からないが、《姉妹達》の変化を見るあたり恐らく弱体化は有り得ないだろう。


味方でいるうちは頼もしい存在だが、その性格ゆえ裏切る恐れもある。


勢いで召喚してしまった感じではあったが、まあ今のところは俺に忠誠を誓ってくれているらしい。上手く制御していけば俺に対する忠誠も維持できる。


全ては俺次第か。


「んぁ〜。やめやめ!せめて風呂くらいゆっくりしよう」


あんまり考え込んじまうと禿げちまう。


体でも洗うか。


湯船から立ち上がろうとすると、風呂場の引き戸が開く音が聞こえた。

良い感じにまったりモードに移っていた俺はそれに気付くのにワンテンポ遅れてしまう。


「し、失礼しまひゅ!」

「…」

「へ?」


そこにはバスタオルで体を隠した金の髪から犬耳がちょこんと生えている女性、我が家のメイド成長株のメイと銀の髪を水に濡れないように束ね頭の上にお団子を作っている褐色肌のダークエルフ、パニエが緊張しまくった面持ちで立っていた。


「ひ、ひゃぁあぁー!」

「……っ///」

「な、なんだ?どうした?あ、あぁ!風呂だよな!すまん!俺はもう出るから少しだけ待ってくれ!」


二人の姿を見ないように慌てて後ろを振り返り、目線を逸らす。

それに二人はタオルを体に巻いているが、俺は手拭い一枚だ。


そして俺は体を洗おうと今湯船から立ち上がったばかりで、その手拭いは今手元の桶の中に入れてある。


つまり今の俺は生まれたままの姿で、サムシングを覆い隠す物はない。


み、見られたぁ!!


「あ、あ、あの!お、お背中をお流ししたくて!!」

「…(コクコク!)」


どうやら単純に背中を流しに来てくれたらしい。


いかん!ただでさえ女性で飽和状態の屋敷で我慢しているものがあるというのに!


そんな事されたら理性が持たん!

ここは何とかやんわりと断ろう。





「そ、そうか。すまんな!じゃあ頼もうかな!」




あっ。




「は、はい!!で、ではこちらへどうぞ!」

「(コクコク!)」


俺は手拭いを持つことすら許されず、変なテンションのメイに湯船から引き摺り出され椅子に座らされた。


あかん。丸見えや…。


「で、では失礼しまひゅ!」

「し、します…」


メイとパニエは無駄にフローラルな香りがする液体石鹸を付けたスポンジを持ち、二人で俺の背中を擦り出す。


二人の手からは、その緊張が伝わってくるほどガチガチに力が入っている。


「か、痒いところは、無いですか?」

「あ、ああうん。大丈夫、気持ちいいよ」


俺も流石の想定外の事に思わず素の口調が出てしまう。



ふにょん



「ぅぉ!?」


パニエの方から何やら凄まじく柔らかい感触が俺の腕を通して伝わってくる。

本人は緊張していて気付いていないのか、体を動かす度にお胸様が俺に当たっている。



し、鎮まれ我が眷属よ!お前が出てくると全てが終わる!


ふにょん ふにょん



ふおぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!




今度はメイがいる方の腕にも伝わってくるマシュマロ様の感触。



先ほどのアルビノ種の一撃を耐えた俺ですら、その両サイドからの暖かくも柔らかく、ふんわりとした攻撃には抵抗もできず呆気なく陥落した。




「やあ」




やあじゃねえよ!何出て来てんだ!鎮まれ!鎮まりたまえ我が息子よ!!まだその時では無い!



「ご、ご主人様。後ろは終わったので前を…あっ」

「…//////」




「あっ…」




「ごごごごごご主人様も男の人ですもんね!大丈夫です!初めて見ましたけど私は気にしてませんから!!きちんと前も洗わさせて頂きますすすすー!」

「し、します!」


湯船に浸かってもいないのに二人はその肌を真っ赤に染め上げ、4つの視線が俺の一部を凝視する。


それに気付いてしまった俺は一瞬の隙を作ってしまい…。


「だだだ大丈夫です!ツインさんからこういうことも習っているので初めてですががが安心してくだひゃい!!」


軽くパニック状態のメイが前のめりに勢いよくそれを握ってしまい。



「あ!」

「あ」

「///」





その後、俺はめちゃくちゃ洗われた。







「す、すいませんでした。私緊張しすぎちゃって」

「お、俺もごめん。粗末な物見せてしまって…」

「…///」



俺の体を洗い終わり、今はお互いを見ないように三人で湯船に浸かっている。

未だにドキドキが鳴り止まない。喋る言葉も上擦っているのが自分でもわかる。


女性と縁が無かった人生を今日ほど憎んだこともないだろう。


「い、いえ!ご、ご立派でした!わ、私なんかが触れていいものでは無かったです!!えっ?……ああぁ

私何言ってるんだろ!?も、申し訳ありませんご主人様ぁ…」

「…っ///(コクコク!!)」


いよいよ自爆しながら泣きが入ってくるメイ。

実はどさくさ紛れでパニエもマイサムに何度か触れていたのを俺は知っている。


「き、気にしないでくれ。二人に不快な思いをさせなかったか?お、俺的にはそっちの方が心配でな?」


パニエは当たり前だが、メイもその反応からそれ見るのも初めてなのだろうと分かる。


だがそれを見て嫌われるような事があっては俺は立ち直れないだろう。


「不快だなんて思っていません!そ、その、かっこよかったです!」


背中を向けているため音しか聞こえないが、バシャ!っと水飛沫を上げながらこちらを振り向いたようだ。


そのまま水面が揺れてメイの気配が徐々に近付いてくる。


「メ、メイさん!?」


ピタっと背中に感じるお湯では無い温かさと柔らかさ。

何が起こったのか一瞬分からなくなり思考がホワイトアウトする。


「私達をいつも助けてくれるご主人様を不快だなんて思うわけ無いじゃないですか」


俺の胸へ両手を回し、後ろから抱きしめるメイ。背中がメイと密着していき、自分の鼓動が更に早くなるのが分かる。


「知ってますか?肌が白い魔物は天災クラスと呼ばれ、出現すると周囲の国は滅んでしまうレベルなんです。過去には紫持ちの冒険者が五人以上でようやく相打ちで終わった事もあるそうです。そんな相手から私達を守ってくれたご主人様は私の英雄です。お慕いする事こそあれ、不快に思う事などあり得ません」


ぎゅっと俺を後ろから抱きしめ、密着したメイから自分の背中に伝わってくる早くなったメイの鼓動。


い、いかん!また暴走するっ!!


「…///」


鎮まれ!鎮まれ!と心の中で必死に繰り返し唱えていると、正面にパニエのお団子に束ねられた銀の髪が突然現れる。


「パ、パニエ!?」


そのままパニエは、胡座をかいて座っている俺の膝の上にゆっくりと座り出す。


「……ぁっ///」


そしてそれに触れて一瞬動きが止まるが、迷う事なくそのまま腰を下ろした。


褐色の肌でも分かりやすいほど首元まで真っ赤に染まり俯いているパニエは、俺の両手を取ると、自分の体の前に持っていく。


いつもリットやリリル、ルピナにやっている膝抱っこの態勢だ。



「羨ましかった…ので…」



小さく呟くパニエ。


後ろからはメイ、前にはパニエが密着し、流石に理性の限界が訪れようとしたその時



ガラガラガラ!


引き戸が再び開く音が響く。



「う~ん。まだ酒臭いかえ?何度洗っても臭いが消えた気がしないえ………何しとるんえ?」




「「「あ」」」



三人の声が静かな大浴場に響いた。


唐突なお風呂回

イチャイチャ書かせてください…。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。