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10.「再会より後来る恐怖にビビる」

「…は?」




〈まぁまぁ!主様ったら、間抜けな顔を晒すなんて〉




「夜鷹姫、お久しぶりです」




〈そうね、随分と会ってなかったものね!!〉




「また会えて嬉しい限りです」





皇帝陛下や第三皇子、カイル兄上を放置して私の意識は夜鷹姫に向く。あぁ、懐かしさに涙が出て来そうだ。





夜鷹姫は眩しそうに目を細め、そしてクルルと喉を鳴らす。なんだか昔よりも取っ付きやすい性格になっているような気もするし、その尻尾の豪華なこと。ふさっふさになっているじゃないか。昔はそんな尻尾なかったのに!





「お前、コイツと話が出来るのか?」




〈主様ったら今更なことを!〉




「夜鷹、答えろ」




〈それは(ワタクシ)ではなく、彼女に聞いたら如何かしら!〉





楽しそうだなぁ、夜鷹姫。声が弾んでいる。また、飛鷹にも会わせてあげよう。こんなところで、こんな再会が出来るとは思わなかった。嬉しい。これは、純粋に偽りなく嬉しいと思う。





「ルーチェと言ったな、答えろ」





「真夜、という名前をご存知でしょうか?」




「…ま、や?」





黒い目が大きく見開かれた。握っていたペンを置いて、立ち上がってゆっくりと危なげな足取りで私に近付いてくる。





あ、似てない所発見。




デカい。190センチ超えてんじゃなかろうか。しかも筋肉質。服の上からでも分かる程、がっちりとしたガタイをしている。前世の恋人君は、こんなにがっちりしていなかった。ひょろっと細身で、そう翔陽様のような体格だった。






「…お前は、」





「再び巡り合うことが我等が運命でございます」




「そうか!そうか!!」





二本の腕が伸びて来た。そして、その腕は私の体に回る。そう、抱き着かれた。このきったない体に、皇帝陛下が抱き着いているのだ。私の真横で、慌てて剣を退けた第三皇子とカイル兄上が目を見張っているのが分かる。





「漸く、会えた!久しぶりだな、真夜」





「久しぶり、です」





ぎゅうぎゅうと苦しいぐらいに抱き締められる。しがみ付く様に抱き着いて来て、皇帝陛下は私の首筋に顔を埋める。私から触れても良いのか分からないけど、そっと背中に回した手が拒絶されないから、良いのだろう。






「真夜、あぁ、真夜・・・!」




〈まぁまぁ、主人様ったら。赤子のようにしがみ付いちゃって〉





「夜鷹姫」






〈ふふ、良いわぁ。私、今気分がとても良いの!暫く二人っきりで居させてあげる〉





語尾にハートマークが付きそうな程、夜鷹姫の声音は嬉しそうというか楽しそうだった。そして、暗転する部屋。夜鷹姫の空間に入ったらしい。





カイル兄上の気配も、第三皇子の気配も、夜鷹姫の気配すらなくなった。








そこは、私と皇帝陛下だけの空間。



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