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【物理最強】十年不登校を極めて転生したら魔法学園の教師に!? 追放されし元カノが廃墟いたから救う件  作者: 速水すい
4章追憶の悲劇

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二十六話 旧ルキナス市場

ガタンゴトン、ガタンゴトンーーーー。



揺すられながら列車は学園都市を離れる、夜間の車内は仕事終わりの人々が寝ている。


西へと線路は伸びて、長いトンネルを抜ける。

空気が圧縮されて耳がやや雑音を遮る。


トンネルを抜けると、列車は終点旧ルキナス市場へと着く。

駅は無人駅……人気がない。空は雲が分厚くてくらい。老いた駅員さん列車から出てきて「なしてここに来たんだ?」っと訊かれた。



「ここで何があったのかを知りたくて」

「ほー、兄ちゃん悪いこと言わんが……。市場に近づかない方がいい」

「お気遣いありがとう、だけど行かなきゃならない」

「どうせ行ぐなといっても行くすぺ?」



訛りがあってよく分からないけど、多分行くんだろ?って言ってるんだろうな。


「そうですね」


老いた駅員は、しばらく考えてから「んだな、ワシはまたここへ来るべ。次は昼頃になりそうだべからそん頃にはあんだの要件終わってるといいべな」っと割と早い口で言って、老いた駅員は列車に乗り込んで走らせた。

訛りが地方にある田舎感を感じるなぁ。



駅ホームを何分間歩くと、旧ルキナス市場跡に着く。雑草が生えていて、自生した木々が至る所にある。簡易式魔導ライトを点灯、ゆっくりと歩く。


足場は石畳で、民家だった場所は焼け焦げたり崩れてる……。廃墟感がある。



先に進むと、教会と枯れた噴水……多分中央なのかな。俺は辺りを見渡した、活気あったに違いない。

露店にある商品が色褪せて、錆びてたりしてる。



パタン! っと鳴り響く、俺はビクッとした。

恐らく教会から扉が閉まる音。背筋が寒気を覚える、こんな薄暗い場所に何があるって言うのか。



教会のドアを開ける、生唾を飲んで進む。

なにか不気味な雰囲気で、身体が逃げたいって思うぐらい冷や汗。



ポタポタっと不規則に水滴が俺の恐怖心を煽る。

服に落ちる度に肝が冷える。


雲が避けて月明かりが差し込む、影が床に映し出される。何やら不気味なオブジェクト……。



見上げた俺は絶句する、吊るされていたのは人……。既に肉体は腐敗が進んでいる。

女神像の頭上に、そんな物を吊るす意味あるのか? いや、気持ち悪い。



吐き気より、謎だけが一人走りする。



「君はこの真実をどう感じたか」っと背後から声が飛ぶ。俺は振り返る《A》の姿がそこあった。


「かつては賑わい、人々の憩いの場。そんな場すら簡単に奪う。この世界は常に残酷で闇が隣り合わせ……君はなぜそうしてまで救いを選ぶ? 自分の気持ちなんて誰にも見せない、隠れ芝居を描いて本当は怖いって感じてる人が何故?」



《A》は何故か俺を知ってるかのような口を言う。

疑問ばかりぶつけられ、俺はどう答えるべきかとしばし考える。



「黙ってないでなんか言ったら?」

「はは、俺をなんでそこまでしってるかはよく分からない。 けど、その問は……俺自身の闇であり超えるべき点でもある。だから、答えなんてすぐ出ない」



《A》は軽くため息を吐いた、後ろを振り返り「自分の弱さを認めないか……」っと小さく呟いた。

そして呆れながら「君が行きたい場所は知ってる。ここは、処刑場……惨いけど救いはここじゃないわ」ってこっちの話を知ってるかのように言い外に出た。



俺も外へ出る《A》は歩きながら話す。


「ここの目的は、愛の教団執着、執念、絶望、失意……。それらを引き起こす為に帝国はここを戦地とした。他種族がいるわけで、より強い感情が働き蓄積される。それが生まれたのはグリード」



グリードの起源点がルキナス市場(ここ)という話だろうな。じゃあそれまでは……魔物が存在していて生態系がちゃんとあったのか? よく分からないけど、わかったのは意図的だったという話だ。



「そんな話を俺に聞かせていいのか?」

「大丈夫、バレてもいい範囲だから。それに、聞かせといた方がシエル(あの子)の為よ」

「それまで知ってるのか。ほんと統合結社って何もんだよ」

「知りたいの? でも深入りすれば、君は絶望する。それだけは言える」



《A》は真剣な眼差し、だけど何故か……哀しみを感じる。俺はそのまま導かれる様にシエルの家の前に着く。

底にあるのは無造作に佇む一枚の扉、外壁は崩れてて二階の一部だけ残ってる。



「……いつ来ても、やはり悲惨だ」

「どんな理由があっても許されないな。シエル、ずっとここで暮らしたかったんだろうな」



目に浮かぶその光景、今は幻想に過ぎない。

落ちてるぬいぐるみは、少し焦げていた。

拾い上げて裏を見る"シエル"っと書かれたていた……。その字は幼さを物語る様に乱雑で、一生懸命に書いた字である。

俺はポケットから懐中時計を取り出した、規約は五分間……過ぎたら戻れなくなる。



「その懐中時計は?」

「神様の贈り物さ、なぁ《A》……もし戻らなかったら皆に伝えて欲しいことある」

「なに? フラグ自ら立てるとか……正気?」

「正気だ。ただ、五分以内に全て救えるかは分からない」

「馬鹿じゃないの? なに命かけてまでやる意味あるのーーーー?!」



俺の表情を見た《A》は言葉を失う、酷い顔してるに違いない。懐中時計を押した、光が放たれた瞬間に俺は《A》に伝言を託した。



視界に移るのは時空……無数の物語を映してる。

それが時を刻むように逆再生、それがゆっくり加速していく。目の前が真っ白になると、シエルの家の前に立っていた。



時間は五分、俺に出来るのは……あるはずだ!



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