二十三話エピローグ
エルデ、エレナはノルスの死を見届けた、言葉にならないほど堪えていた感情が弾けて涙が溢れ出ていた。
「これまた、随分とまぁまぁまぁまぁまぁまぁ……無様に死にましたねぇ」
背後を見るとアイノフレシャスがそこに居た、相変わらず不気味な笑み。
「何の用だ? まさか、この流れで……負の感情を奪うつもりか?」
「まさか、そんなそんなそんなそんなそんな。残酷な真似はできませんねぇ。私は、増愛……そうこの神秘的な状態を涙を流さずには居られない。ですが、ですが、ですが!! 壊れてしまった玩具は、不要!! そう、私は最初からこのーーーー」
そこに現れたのは騎士団の団長、アイノフレシャスの口の中に銃剣を突っ込みどデカい一撃を放った。
「ウゼェよ、いつまで連呼してんだ? こいつらは今、肉親を亡くして悲しんでる。そいつを邪魔するとは、許せねぇぞ?」
アイノフレシャスはよろめきながらも、口が再生してニヤニヤとしてる。
「これはこれは失礼。貴方を、貴方を、貴方を邪魔するつもりはなかったんですがねぇ。 少なくても、いい研究になりましてねぇ。 えぇ、私は感無量!! ですから、ですから、ですから、ですから!! 後始末……なんですよねぇ!!!」
アイノフレシャス指を鳴らした、ノルスの遺体は全身焼かれる。
「誰も相手にされなくて最後は見届けられる! 私からしたらこれは……失態!! 何たる、何たる何たる何たる何たる何たる何たる何たる何たる何たる……吐き気!!! 私、これでも制御尽力したのに……この役たたず!! 天の裁きは、私が代理で……ふふ。あらぁ、皆さんいい顔ですねぇ、食べちゃいたいぐらいに……ハァハァハァハァハァハァハァハァハァハァハァハァハァハァ。おっと、こうしてはいられませんねぇ……」
アイノフレシャスはその姿を消した、キモさが滲み出てて気持ち悪いな。
しかし、後味が良くないなぁ……。
それから、一週間後……学園都市へ戻った俺達は平穏な日々が訪れている。
エルデは普段通りにしてるが、エレナは……学園都市にある施設に暮らす事になった。
十六歳にならないと、学生寮が使えないからだ。
特例はないので、こればかりは痛い話だ。
それから二日後、イルビナに呼び出される。
俺だけ呼ばれて皇族が住み暮らす、中央帝都へと。
豪華なドアと街を見下ろすようなガラス張りの窓に、イルビナが座っていた。その隣には騎士団の団長さんがいた。
「さて、カイトくん。君は先生として凄い実力だったね。功績を称えて、君を特別講師にしたいが……君的にはどうかね?」
「特別講師とはなんですか?」
「この世界の学校に行ける様になる。顔パスでね。 君は皇族の枠組みだから、貴族は逆らえないさ」
「あの、理由をお聞きしても?」
「そうだね、まず彼らからだね」
ドアが開くと、そこに現れたのは……エルデの両親で俺は度肝を抜かして驚いた。
「カイトくん、驚いたかい? これが野暮用って奴でサプライズさ」
「心臓に悪すぎですよこれ!?」
「喜んでくれて光栄だよ」
イルビナの謎にキラキラしたキメ顔にちょっと殴りたい気分を抑えた。するとエルデの父は笑う。
「ははっ、驚くのは無理ないな」
「貴方に言われてやったけど、なんだか納得できないわ」
「そりゃさうさ、死を偽装しなきゃ……ノルス自分に気づかんだろ?」
「救えなかったのは、私達が最初から向き合わないで逃げてたから……それもあるわね」
「ノルスは虐められて引きこもった。だから悪いことしても責めることは出来ない、優しく接してればその傷は癒える。そう考えていたのが、間違いだったに気付くのがあまりにも遅かった」
「取り返しがつかない事を沢山した、その責任は私達にある。エルデとエレナに顔を見合わせる事は出来ないわ」
「あの年齢でも話しかけてもらうの待つばかりで無視されたら愚痴って反応待ち。 そんなんじゃダメだし、結局は親としてわからせるには自分自身に気付かせる。これが手っ取り早いかった」
「残酷かもしれない、けど……生きて償わせても過ちは増える。こうするしかなかった。だから、先生……こんな申し出も虫が良すぎるかもしれません。 エルデとエレナを頼みます」
「あの子達に顔向け出来ない、父としてノルスを止められ無かったのは……自身の落ち度。 あの子の分まで私達夫婦が責任を取ります」
エルデの両親は深々と俺に頭を下げた、その背後には警備隊が立っている。
「わかりました、ですが……約束してください。あの子達の頑張りを褒めてください。あの二人はノルスのわがままに振り回されて気持ちを押し込めて生きてます。それを救えるのは両親だけなんですから」
母親は涙を浮かべて、父親はそっと肩に手を添える。その言葉に返さなかったが、いつの日か再会することを願うばかりだ。
にしても、エルデの父は計画していた感じがある。イルビナをじーっと睨むとてへぺろ。クソ腹立つ。
「それで僕がこの特製仮死丸玉薬を渡したわけ。口に含んだら死んだように寝れます」
「何その危ない秘薬!?」
「公務に疲れた、社畜に耐えられん。よし、死んだフリしようで三日はそのまま」
「普通にやべぇよそれ、三日はそのままは普通に死人扱い!?
「てへぺろ」
「可愛くねぇから、殴っていい?」
「そう怒らないでくれカイトくん、君の分もあるから」
「そうゆう問題じゃねぇよ!!」
無理やり手渡された、黒い玉で見た目がすごく嫌な感じする。
「因みに味は……スペシャル鼻くそ」
「食いたくねぇよ!! なんつー味作ってんだよ!!」
「冗談が私の生きがいでねぇ? 妹に呆れられて「また私をからかって……だからけっこんできないんですよ!」ってね」
「妹パワーワード強いなぁ」
「ははっ、さてはて。私が娯楽街に野暮用はこの話だったけど……まず隣国の騎士団とも話してね」
「顔広すぎるし謎が深まるなぁ。イルビナ本当に何もんだよ?」
「皇族だが?」
「そりゃそうだけど、情報通と人脈も凄すぎるって話だよ」
「ふむ、話せば長いが……まぁ私に興味あるなら今すぐ結婚ーーーーぐふっ!?」
俺ではなくて背後からだ、背が小さい少女が姿を表していた。投げたのは枕……なんとまぁ庶民的なアタックだなぁ。
「おぉ!? わ、我が妹よ……何故に邪魔を……!」
「お兄様、ボーイラブは皇族の次世代が途切れます。見るのは好きな私ですが、実際はやめてください!!」
「照れるではない、私はいつも真面目ーーーー」
枕二発目が放たれた、流石にイルビナは床に倒れた。
「すみません、馬鹿な兄で。私はルビナ、貴方は確か……学園都市の教師ですよね?」
「そ、そうですが…?」
「まぁ、なんと素晴らしいの!? 私、外の世界には過疎いので知りたくてしょうがないのです!!」
キラキラした瞳で近づかないでくれよ!?
顔が近いし、いい匂いするけど!! いやいや、変態思考を抑えてだ。
「あ、いや、あの……ち、近い」
「はっ!? す、すみません!!」
イルビナの血縁を感じさせるぐらい押しがある様に感じるし、なんか色々と問題になりそうだなぁ。
「にして、ルビナ。何故にきたのだ?」
「あ、そうでしたわ。 隣国の騎士団様から……」
ルビナから手渡された手紙、イルビナは眺めて少しばかり悩めた表情を浮かべた。
あまり良くない情報だろうか、イルビナは真剣な眼差しで俺の方を向いて言った。
「愛の教団が暴れだしたらしい、騎士団壊滅で運良く逃れた団長はこっちに来て身を潜める。そんな事を書いてあって……統合結社《A》が助けてくれたらしいよ」
俺にとって刺激的な情報だった、統合結社が団長を救い愛の教団が騎士団を壊滅させた。
この流れからして、そう遠くない……近い内に再び戦いが起きるだろう。
そう、全ては帝国の思惑通りに駒を布陣する悪夢の出来事のようにーーーーーー。
二人目を救った…………。けどさすがにしんどかった。まだ、救えるはずだ………。
次回息抜きで2話ほど外伝が始まります。
アホルークが色々やらかして詰め込んだ内容となりますのでギャグネタ回となります。
注意喚起は下ネタ存在してます。苦手な方は見るか見ないかご自身の判断に委ねます。
本編とは別物なので、見たくない方は本編始まるまでスルーしても大丈夫です。




