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ズルは駄目よ(恵利華視点)

恵利華視点なので、もしかしたら少し気分が悪くなるかもしれません。ご了承下さい。


私の名前は花影はなかげ恵利華えりか。成績もいつもトップで、仲がいい友達も沢山いるわ。けれど、これもあと少しで崩れてしまうの。


私には皆と少し違うところがあって、私は私でも、別の人生を歩んだ記憶が残っている。いわゆる転生者なの。5歳の時にベッドから派手に落ちてからきづいたわ。それで衝撃の事実が発覚したわ。この世界は私が大好きだった『私が進む花の道』と言う乙女ゲームの世界だったのよ。


しかも私の役割は悪役令嬢。乙女ゲームに転生とかだったらヒロインになりたかったわ…。

けど気づいたお陰で我が儘な性格も直って、いつの間にか攻略対象5人の内の4人と仲良くなっていたの。

皆ゲームと同じでかっこよくて、優しくて、いい匂いもして…とにかく凄かったわ…。


水島みずしま拓海たくみのルートでは、私は彼の婚約者だったから理由は忘れてしまったけどどれも死亡エンドだったはず。

いや、いやよ!そう思った私は、早々に彼との婚約者フラグをへし折っておいたの。他の攻略対象とのフラグも全て。


今のところ私達は仲がいい幼馴染みな関係を保っているの。ヒロインなんて、来なければいいのに。そう私らしくないことを思ってしまったのよ。


そんな思いを浮かべながら迎えた高等部の入学式。理事長の息子として碧斗様がスピーチをしていたわ。私、ゲームでは彼が一番好きだったの。彼とも、仲良くなれないかしら。


ゲームと同じく私はヒロインと同じクラスだったの。ちょっとゲームとは違うみたいだけど…。ゲームでは横髪姫カットのボブの髪型だったヒロインは、セミロング位の長さになっていたの。

ゲームと違う!そう思った私だったけど、私と言う転生者がこの世界に存在するせいで少しシナリオが変わってしまっただけと言うことに解釈することにしたわ。


シナリオが少しでも変わっているなら、彼女とも仲良くできるかもしれないと思って、話しかけてみることにしたの。

ああ、言うのを忘れていたわ。ヒロインの名前は鈴野亜莎紀。鈴野グループのご令嬢で、(私の家には及ばないみたいだけれど…)初等部からこの学園に入学していたけど、病弱なため、学園に通えなくて、病弱が治り、高等部から学園に通いに来たのよね。


病弱が治るなんてヒロイン、亜莎紀さんは運がいい人よね。私の前世は学校にも通えないくらいの病弱で、そのせいで若い頃に死んでしまったの。死ぬ前にとてもはまりこんでいたゲームがこのゲームで、ヒロインを病弱が治った自分と思いながらやっていたの。亜莎紀さんが羨ましいわ。


話しかけると、亜莎紀さんは明らかに嫌そうな雰囲気だったの。友達になってと言ってみたけど、だめだったわ。やっぱりヒロインと悪役令嬢は仲良くなれないのかしら…。でも、私はめげないわ。


何度も何度も亜莎紀さんに言ったけど、はい、と言ってもらえなかった…。むしろ貴女のことは嫌いと言われてしまったわ。亜莎紀さん酷いわ…。

彼女は人がどんなに優しく話しかけても、笑顔で話しかけても、迷惑そうな声で人を払っているような人だったのよ。


皆亜莎紀さんには困ってるって言っていたわ。やっぱりシナリオとは違うのね。


授業も出ないことがあるのよ。週に一度は必ず休むし…何もかもめんどくさそうにやっている彼女のことだから、きっとズル休みね。決めつけるのはよくないと思うけど、多分そうだわ。でも、ズル休みはいけないと思うの。


体育を途中で休むと言い出したときは、普段あまり怒らない私でも怒ってしまったわ。だって、保健室に行こうとしていたのよ。体はよくなっているはずなのに。私はゲームを知っているから亜莎紀さんのこと全部知っているのよ。けど、こんな死んだ魚のような目をしていたかしら?…覚えていないわ…。


それから頑張って彼女を授業に戻すことが出来たのよ。亜莎紀さんは嫌がっていたけど、体調が悪いと言うのを嘘に使うのだけはやめてほしかったの。今は体が強いけど、どうしても前世のことを思い出してしまって。


それから亜莎紀さんが入院したと聞いたわ。…あれが原因なわけないわよね。私は間違っていないもの。


私は率先してお見舞いに行くことにしたわ。周りからは止められたけど、「どうしても会いにいきたいの」と言えば、「恵利華様は本当に聖女のような方だわ」と言われてしまったわ。そんなことないのに…。


お見舞いに行くと、何故か碧斗様に会ったのよ。目が合うこともなかった私の心臓はバクバクしていたわ。でも、なんだか碧斗様に睨まれた気がしたのよね。気のせいかしら。


病室に入ると顔色がいい亜莎紀さんがいたの。そんなに元気なら、学園にこればいいのに。亜莎紀さんは学園に通える喜びが分からないのかもしれないわ。


碧斗様と亜莎紀さんが友人だったと言うことをはじめて知ったし、碧斗様には帰れと言われるし、散々だわ。と思っていたら、亜莎紀さんに仲良くなりません私は敵です発言をくらったの。


なんだか、嫌な予感がするのは私だけ…?


亜莎紀さんの笑った顔を見たことがなかったのに、仲良くなりません私は敵です発言で満面の笑みになった彼女を見れば、誰だって怖いと思うわよね。


もしかして、ヒロインスイッチが入って、私が強制的に悪役令嬢まっしぐら、とかではないわよね。

それだけは絶対嫌よ。


その時私は予測できない未来に、ただただ怯えていた。












ブクマや評価、ありがとうございます。これからも頑張ります!

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