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006

 ジャックの喋る言葉は、全てがカタカナになります。

 読みにくいとは思いますが、ご了承ください。

 アザルトは地下に続く螺旋階段を歩いていた。

 石造りで、音が響く暗闇の地下。

 アザルトは迷わずに歩いていった。


 アザルトが一本道の通路に入ったところで、ボッと明かりが灯った。

 それは、カボチャのランタンが放つ、オレンジの光だった。


 カボチャのランタンは顔が彫られていて、口の切り込みから漏れる光が、まるで笑い声を上げているように小刻みに揺れていた。

 暗闇の奥へと続くランタンの列を暫く進み、アザルトは足を止める。

 

 視線の先には、黒いマントを羽織ったカボチャ頭が古びたカンテラを手に歩いている姿があった。

 

 アザルトの気配を察知したのか、カボチャ頭はギギ……と硬い音を立てて振り返る。

 石造りの空洞の奥で、オレンジ色の炎がアザルトを捉えた。


 アザルトは、その無機質な視線を静かに受け止める。

 暫く沈黙が続いたところで、カボチャ頭が手に持っていた古びたカンテラが揺れた。


 カンテラの火がオレンジから薄い紫に変わる。

 その揺らめきの中から色素の薄い紫色の髪をした青年が、静かに姿を現した。

 青年はスーツを着ていて、腰には幾本もの鍵をぶら下げている。


 青年が動くたびに、腰に下げた鍵が揺れる冷ややかな音が立つ。

 カボチャ頭がカンテラを手にしたまま傍らに佇む中、青年は辺りを見回すと、アザルトが視界に入り、少し意外そうな表情を浮かべた。


「へー、アザルトがここに来るなんて珍しい……。何の用?」


「ラファエル様が呼んでる。」

 

 アザルトの言葉に青年は驚き、カボチャ頭はギギ……と音を立てた。


「それはまた……珍しいね。君もそう思うよね?ジャック。」


 青年はカボチャ頭に視線を向けて言った。

 ジャックと呼ばれたカボチャ頭は、音の外れた声でカンテラを揺らしながら喋る。


「ソウダネ。コリンクン。メズラシイ。」


 ジャックがそう応えると、カボチャの口からカラカラと乾いた笑い声のようなものが漏れた。

 コリンと呼ばれた青年は、肩をすくめて苦笑いする。


「ジャック、あんまり笑うと種がこぼれるよ。」


 冗談めかして言ったコリンだったが、アザルトの方へ向き直ると、その瞳にはどこか冷徹な色が混じっていた。

 

「コリン、ジャック、僕よりも前からいる悪魔の二人とリーリア様しか呼ばれてない。ローワンも呪いがどうのと言っていた。多分、急いだほうが良いと思う。」


 アザルトはコリンとジャックに心の中で留めていた言葉を吐き出した。

 その言葉に、コリンとジャックの雰囲気がガラッと変わり、地下は冷気で満たされた。


「……そっか。行こう、ジャック。多分、―――だ。ああ、アザルト、すぐにこの地下から出ないと閉じ込められちゃうよ。」


 コリンはジャックに小声で言うと、歩きだす。

 アザルトはコリンの最後の言葉に何かを思い出したのかビクッと体を震わせる。

 だが、すぐにコリンたちを追いかけて地下から去っていった。


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