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幼馴染の美少女とイケメンの親友に嘘告された俺。それを知った二人の妹たちがブチギレた  作者: 白金豪


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第8話 ブチギレ

「どうして海が教室にいるんだよ。何で謙也と手まで繋いでるんだよ」


 拓海の声が教室にひびく。


 机の傍にいた拓海が椅子をよけて俺の目の前へと近づいてきたんだ。


 俺自身の顔なんて見もしないで海ちゃんの手元ばかり気にしている。


 顔を見たとたんに昨日の屋上の笑い声が頭の中にもどってくる。


 拓海が笑って、美幸も笑って、俺だけが何もわからずに立っていたんだ。


 右肩にかけたカバンが落ちそうになって俺は慌てて上体を傾ける。


「謙也君、右肩のカバンが落ちそうになってるし手を離すね」


 海ちゃんが俺を見上げる瞳は優しかった。


 俺が小さく頷くと、その指先がゆっくりと解けて左手が空いていった。


「俺の話を聞いてるのかよ、何で謙也なんかと手を繋いでんだよ!」


 最後の言葉が胸に引っかかる。


 謙也なんかと言った拓海は俺が目の前にいることも気にしていない。


 海ちゃんがすっと前に出ていた。


 拓海へ向かって進んだので話をするのかと思った。


 拓海との距離を詰める。


 突然、海ちゃんが拓海の胸ぐらを強引に掴む。


 拓海の胸元で制服の布が引きつれて、襟のあたりに皺が寄る。


 海ちゃんの指先が拓海の胸ぐらを絶対に逃さないように掴んでる。


「お、おい海、何の真似だよ! 手を離してくれって」


 拓海が慌てて海ちゃんの右腕に触れようとした時にはとっくに遅かった。


 海ちゃんが勢いよく踏み込んで拓海の体が後ろへと押されていった。


 拓海は押されるまま数歩よろめき背中を壁にぶつける。


「ぐぁ!?」


 勢いで後頭部まで衝突する。


 俺は目の前で起きた事を理解できずにいた。


 海ちゃんが拓海の胸ぐらを掴んだまま壁に強く押しつけていた。


 昨日までなら想像もしなかった光景に俺の頭は追いつかない。


 拓海は背中を壁につけたまま目だけを忙しく左右に動かす。


「舐めてんじゃねぇぞ! あぁん?」


 海ちゃんは拓海を鋭く睨み、ドスの利いた声で凄んだ。


 茶色の瞳が鋭く細められて拓海の顔を真っすぐ捉えていた。


「謙也君を、なんか扱いすんな!」


 俺はあんなふうに怒った海ちゃんを、今まで一度も見たことがない。


「う、海、お願いだから落ち着けよ、この教室の全員がこっちを見てるんだぞ」


 拓海は周りを見ながら言って、それから俺の方へ目を向けてきたんだ。


「謙也、お前からも何か言ってくれってば。海がどう見てもおかしいだろ!」


 急に俺の名前が出てきたため戸惑いを隠せない。


「ちょ、ちょっと何してるのよ!」


 美幸の声だった。


 友達のそばにいた美幸が慌てて拓海の方へ向かおうとする。


 昨日は俺が床に崩れても美幸は足を止めてくれなかったはずなのに。


 そんな昨日の光景まで思い出してしまい、俺は唇を強く噛んだ。


 美幸の顔には焦りが浮かんでいて、拓海だけを真っすぐ見ていた。


 美優ちゃんが動く。


 俺と繋いでいた手を離し、両手を広げて美幸の前に立ち塞がる。


「雑巾、ここから先は行かせないよ」


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