第3話:消えたパワハラ部長の行方
午前十一時、本社ビル十二階、ガラス張りの大会議室。
張り詰めた空気の中、バチンと耳障りな破裂音が室内に響き渡った。
「――お話にならないね! これだから若い女の企画は甘いんだ!」
投げつけられた十数枚の企画書が、会議テーブルの上で無様に散らばる。
怒声を上げたのは、営業統括本部のベテラン部長・角田だった。五十代半ば、脂の乗った顔を赤黒く染め、額の脂汗をハンカチで乱暴に拭いながら、長テーブルの端に立つ槇原紬をこれ見よがしに睨みつけている。
「『暮らしを整えるエシカル特集』だあ? 環境だの丁寧な暮らしだの、そんなフワフワした綺麗事で飯が食えると思っているのかね!? WEBメディアなんてものは、数字が取れそうな芸能人のゴシップか下品なスキャンダルを並べてPVを稼げばいいんだよ! うちの営業がどれだけ汗水垂らして広告枠を売ってきてると思ってるんだ。現場の苦労も知らない小娘が、お遊びの記事でお茶を濁すな!」
会議室に同席していた『Lumiere』編集部の面々や他部署の若手社員たちは、完全に押し黙り、怯えたように視線を伏せていた。角田は社内でも悪名高い「昭和型」のパワハラ幹部であり、役員へのゴマすりと下への理不尽な恫喝でのし上がってきた男だ。一度火がついたら、標的にされた相手が涙を流して謝罪するまで罵倒は止まらない。
だが、怒号を真正面から浴びせられた当の紬は、怯えて泣き崩れるどころか、スッと姿勢を正していた。
「……申し訳ありません、角田部長。私のプレゼンテーションにおいて、マネタイズの具体的な導線設計と、タイアップ企業様への送客予測データの提示が不足しておりました」
紬は逃げずに角田の目を見据え、深々と頭を下げた。
「ご指摘いただいた『数字の根拠』につきましては、過去半年の類似特集における購買転換率を再算出し、夕方までに修正案としてお持ちいたします。貴重なご意見、ありがとうございました」
「ふん! 口先だけは一丁前だな! どうせ小手先の数字をいじくったところで、女の浅知恵に変わりはあるまいがね!」
角田は最後まで悪態を吐き捨てると、椅子を大きな音を立てて引き、取り巻きの課長を引き連れて会議室をドカドカと出て行った。
重苦しい沈黙が残された室内で、同僚たちが恐る恐る顔を上げる。
「紬ちゃん、大丈夫……? あんな言い方、完全にパワハラだし人格否定だよ……」
「うん、ありがとう。でも、確かに営業サイドから見たら、私の企画書は広告主へのメリットが抽象的すぎたかも。感情的になっちゃダメだよね。しっかりデータで示して、納得してもらえるように作り直すよ!」
紬は床に散らばった企画書の紙を一枚ずつ丁寧に拾い集めながら、前向きに微笑んだ。
理不尽に怒鳴られたことへのショックや悔しさが、全くないわけではない。胸の奥はツンと痛むし、手先もわずかに強張っていた。それでも彼女は、「自分の努力不足のせい」「相手にも悪気があるわけじゃない、仕事熱心なだけだ」と、いつもの持ち前の天然ポジティブさで心のバランスを保とうとしていたのだ。
――しかし。
会議室の曇りガラスで覆われた廊下の外側では、到底「ポジティブ」などという言葉では片付けられない、この世の終わりより冷たい地獄の釜が開いていた。
◇
会議室のすぐ外、人通りの少ない役員専用通路。
磨き抜かれた大理石の床の上に、仕立てのいい英国製スーツを着た長身の男が、彫像のように立ち尽くしていた。
鷹見征司。
グループ中核企業の副社長であり、社内における絶対的な実力者。
普段は理知的で冷徹、完璧なポーカーフェイスを崩さないその男の顔から、一切の表情が消え失せていた。切れ長の瞳の奥に宿っていたはずの光は完全に消失し、ただ底なしの虚無と、どす黒い殺意だけが渦巻いている。
鷹見の右手は、ポケットの中で愛用のプラチナ製ネクタイピンを握り締めていた。ギリギリと金属が悲鳴を上げる音が、静まり返った廊下に微かに響く。今、この瞬間に理性を保つためだけに、彼はピンの鋭利な先端を自らの親指の腹に力任せに突き刺していた。革手袋の奥で、じんわりと血が滲む感覚だけが、彼の暴走を辛うじて現世に繋ぎ止めている。
「……私の紬に」
地を這うような、空気そのものを凍結させる声が鷹見の唇から漏れた。
「私の……傷ひとつつけてはならない聖域に……あの豚が、唾を吐きかけたな」
「副社長」
その背後で、すっと影のように進み出たのは、専属秘書の佐伯千冬だった。
千冬は手帳を胸元に抱えたまま、一切の動揺を見せずに言った。
「廊下の空調を冷房最大に設定した覚えはございませんが、周囲の気温が体感で氷点下近くまで下がっております。また、ネクタイピンを破壊されますと特注品の再発注に二週間を要しますので、指を離してください」
「千冬」
鷹見は秘書の言葉など耳に入っていないかのように、冷徹な声で告げた。
「営業統括部長・角田。あの男の過去五年分におけるすべての経費精算書、交際費の使用明細、下請け企業への発注履歴、ならびに人事部に寄せられたハラスメント申告の揉み消しログ。……十五分で集めろ」
「すでに十分前から手配を開始しております」
千冬は手元のタブレットを淀みなく操作しながら、淡々と報告を重ねた。
「副社長が会議室の前で足を止められた瞬間に、異常事態と判断いたしました。成瀬様および保科先生へのホットラインもすでに接続されております」
千冬が耳元に装着した極小インカムをトントンと指先で叩くと、回線の向こうから、甘ったるくも禍々しい少年の声がスピーカー越しに割り込んできた。
『あー、もしもし千冬さん? 鷹見さん、まだ理性のヒューズ飛んでない? 大丈夫?』
社内地下のサーバールームにいる成瀬郁の声だった。
『僕もね、会議室の集音マイクで全部聞いてたよ。“若い女の浅知恵”だってさ。あはは、ウケる。あのハゲ親父、自分がどの世界の神様に喧嘩売ったのか、まるで理解してないみたいだね』
キーボードを叩くカタカタという乾いた音が、機関銃の連射のように響く。
『社内基幹サーバーの最深部にバックドア開いて、角田の個人アカウントとローカルドライブ、全部サルベージ完了〜。うわ、出るわ出るわ。取引先からのキックバック受領用のダミー口座、下請けへの無償残業の強要、会社の金で銀座のクラブに通い詰めてた領収書の改ざんデータ。……ねえ鷹見さん、これ警察庁と国税庁と公正取引委員会に一斉送信していい? 今夜中には家宅捜索入るよ?』
「待て、成瀬」
鷹見が低く遮った。
「警察沙汰にして大々的な報道になれば、紬が動揺する。『自分が企画を通せなかったせいで社内が混乱した』などと、あの生真面目な彼女が不要な罪悪感を背負う恐れがある」
『ちぇっ、相変わらず過保護だなあ。じゃあどうすんの?』
「社内法務とコンプライアンス委員会の権限を用い、内密かつ不可逆的に解体する。社会復帰の余地を一切残さず、業界から永久に追放するだけでいい」
そこへ、もう一つの回線が静かに割り込んできた。
『おやおや、ずいぶんと賑やかですね』
柔らかく、耳に心地よいアルトの声――保科貴文だった。
『僕のクリニックの産業医ルートにも、ちょうど面白いデータが集まっていましたよ。角田部長の直属の部下四名ですが、過去三ヶ月の間に全員が不眠と食欲不振を訴えて僕のところへ相談に来ていました。全員分の「重度適応障害および抑うつ状態、業務起因性による労災該当」の確定診断書を、今から五分以内に人事委員会と労働基準監督署へ直送できるよう手配を済ませました』
保科はカルテにペンを走らせる音を響かせながら、鈴を転がすような声で笑った。
『会社の不正経理に加えて、複数名の部下に対する悪質な精神的損壊行為。……これで、役員会も言い逃れはできませんね。角田部長には、退職金ゼロの懲戒解雇に加えて、部下たちからの損害賠償請求と、僕が手配する専門医による“極めて厳格な精神鑑定”を受けていただきましょうか。二度と人前に出られないように』
「結構だ」
鷹見は満足げに目を細めた。
「成瀬は証拠データを法務統括役員へ直送しろ。保科は診断書を提出後、人事部長を抑えろ。梶原には、退勤後の角田が紬の動線上に現れないよう、物理的監視を命じろ」
『了解でーす。害虫駆除、開始〜』
『紬ちゃんの穏やかな眠りのために、腕によりをかけて処方箋を書いてあげますよ』
通信が切れると、鷹見は懐からハンカチを取り出し、指先に滲んだわずかな血を拭った。
「千冬。午後三時に臨時コンプライアンス委員会を招集しろ。議題は『営業統括本部における重大な背任およびハラスメント事案についての緊急審議』だ」
「承知いたしました。……副社長」
「何だ」
「紬さんのために動かれるのは結構ですが、どうか廊下で殺気を放つのはお控えください。先ほどから通りかかった総務部の女子社員が三名ほど、あなたの顔を見て怯えて回れ右をしております」
「……善処する」
鷹見は再び完璧な冷徹エリートの仮面を被り直し、足早に副社長室へと向かっていった。
千冬は深く、深く胃の底から溜息を吐き出した。
(まったく……あの子が会議で怒鳴られただけで、一部上場企業の部長級が一匹、明日の朝には社会的に消滅するのね。本当に、猛獣使いの給料としては割に合わないわ)
千冬は手帳を閉じ、引き出しの中にある胃薬のストックを思い浮かべながら、淡々と業務へ戻っていった。
◇
午後七時。編集部のオフィスは、定時を過ぎて徐々に人が少なくなっていた。
紬はデスクに向かい、一心不乱にキーボードを叩いていた。画面には、エクセルで組まれた詳細な市場分析データと、角田に突き返された企画書の修正案が並んでいる。
「ふう……やっと半分終わったかな。過去のデータを見る限り、エシカル消費に関心がある層はリピート率が通常記事の二・五倍はある。ここをしっかりグラフ化して明日の朝一番に角田部長に見てもらえれば、きっと納得してもらえるはず……!」
紬が自分を鼓舞するように小さく呟いた、その時だった。
「槇原さん」
「ひゃいっ!?」
不意に背後から声をかけられ、紬は情けない声を上げて飛び上がった。
振り返ると、そこには完璧な立ち姿の佐伯千冬が立っていた。手には、老舗果物店のロゴが入った紙袋を持っている。
「さ、佐伯さん! お疲れさまです! えっと、副社長室に何か提出書類でしたでしょうか!?」
「いいえ。副社長室から、残業している社員への差し入れです」
千冬は無表情のまま、高級な桐箱に入った完熟マンゴーゼリーの小瓶を、紬のデスクの空いたスペースにコトリと置いた。
「これ……銀座の有名なフルーツ店の……! す、すごく高そうなやつじゃないですか!?」
「賞味期限が本日中ということで、役員フロアで余剰となったものです。廃棄するのも不経済ですので、糖分補給に役立ててください」
「わあ……! ありがとうございます! 千冬さん、優しい!」
目を輝かせてゼリーを受け取る紬を見て、千冬のポーカーフェイスが微かに揺れた。
(……副社長が『彼女が今日中に脳の疲労を回復できるよう、最高級の糖分を手配しろ』と騒ぎ立てて、わざわざ白金の本店までハイヤーを走らせて買いに行かせた代物だとは、口が裂けても言えないわね)
千冬は咳払いを一つして、紬の画面をチラリと見た。
「企画書の修正ですか」
「あ、はい! 午前中の会議で営業の角田部長に厳しいご指摘をいただいちゃって……私の準備が甘かったので、明日の朝までに完璧な数字を揃えて再提出しようと思ってるんです」
「……そうですか」
千冬は心の中で(その努力は、おそらく完全に無駄になるのだけれど)と思いながら、静かに告げた。
「努力される姿勢は素晴らしいですが、あまり無理はなさらないでください。夜遅くまでの残業は健康を損ないます。本日はそのゼリーを召し上がったら、速やかに退社されることをお勧めしますよ」
「はい! キリのいいところまでやったら、すぐ帰ります!」
屈託のない笑顔で答える紬に、千冬は軽く一礼して去っていった。
紬はスプーンでゼリーを一口すくい、口に運んだ。
「んん〜〜っ! おいしい……! 果肉がとろける……! やっぱりうちの会社って、大変なこともあるけど、みんな温かくて最高だなあ」
自分を怒鳴りつけた部長が今まさに役員室の地下で人生を終わらせられかけていることなど、彼女は露ほども疑っていなかった。
◇
翌朝、午前八時五十分。
秋晴れの澄み渡った空気の中、紬は昨夜完成させた修正企画書の分厚い束を抱えて、軽やかな足取りでオフィスへ出社した。
「おはようございます!」
元気に挨拶をしてフロアへ足を踏み入れた紬だったが、すぐに違和感を覚えて足を止めた。
「……あれ?」
いつもなら電話のコール音や社員同士の打ち合わせの声で騒がしいはずの営業統括本部のフロアが、まるで通夜のように静まり返っていたのだ。
社員たちがパソコンの画面を凝視したまま、ヒソヒソと青ざめた顔で囁き合っている。その視線の先にあるのは――営業統括部長・角田のデスクだった。
そこには、異様な光景が広がっていた。
昨日まで書類の山やゴルフ雑誌、高級万年筆が雑然と置かれていたはずの大きなデスクの上が、まるで新品のように何一つ残さず片付けられていたのだ。パソコンのモニターも、電話機も、椅子すらも撤去され、パーテーションに掲げられていた「部長 角田」というネームプレートは、すでにドライバーで外された痕跡だけを残していた。
「な、何があったの……?」
紬が目を白黒させていると、隣のデスクから先輩の関茉莉花が、アイスコーヒーを片手にスーッと音もなく滑り寄ってきた。
「紬。……見た?」
「茉莉花先輩! これ、一体どうしたんですか!? 角田部長のデスクが、まるで最初から存在しなかったみたいに空っぽなんですけど……!」
「今朝、全社員宛に緊急の一斉メールが飛んできたのよ。ほら、社内ポータル見てみなさい」
紬は慌てて自分の席へ戻り、ノートパソコンを開いた。
画面の最上部、赤文字で【重要・緊急】と打たれた全社通知がポップアップしていた。
『通知:営業統括本部・角田元部長に対する懲戒解雇処分の件』
スクロールする紬の目が、みるみるうちに丸くなっていく。
「懲戒……解雇……!?」
本文には、恐ろしいほどの具体性をもって、角田の罪状が書き連ねられていた。
過去五年間にわたる取引先からの不正な金銭受領(背任行為)、総額二千万円を超える経費の私的流用、さらには複数の部下に対する継続的かつ重篤なパワーハラスメント行為の認定。法務部および外部調査委員会による夜を徹した徹底調査の結果、本日付での「即日懲戒解雇」および「刑事告訴・損害賠償請求の提訴手続き着手」が決定した、と記されていた。
「ぜ、前代未聞よ、こんなの……」
茉莉花がコーヒーのストローを噛みながら、背筋を震わせて呟いた。
「大企業の一部の部長が、たった一晩で証拠を完全に固められて、言い逃れの隙もなく即日クビだなんて。噂じゃ、昨日の夕方には法務と人事の精鋭部隊が角田の自宅にまで押しかけて、パソコンも通帳も全部押収したらしいわよ。……ねえ紬、あんた昨日、角田に怒鳴られたばっかりだったよね?」
「えっ? あ、はい……」
「あんたが会議で泣かされそうになった翌朝に、その相手が会社から完全消滅するなんて……やっぱりあんたの守護霊、武闘派どころか特殊部隊なんじゃないの!?」
「そ、そんなわけないですよ!」
紬はぶんぶんと両手を振って否定した。そして、画面の解雇通知をもう一度読み直し、ほっと胸に手を当てて深く息を吐き出した。
「でも……よかったあ」
「え? 何が?」
「角田部長が悪いことをしていたのはショックですけど……うちの会社って、本当に自浄作用が素晴らしいんですね! 不正やいじめを絶対に許さないで、こんなに迅速に正してくれるなんて。私、この会社に入社できて本当によかったです!」
澄み切った秋空のように一点の曇りもない笑顔で、紬は言った。
茉莉花は口をあんぐりと開け、やがて力なく天を仰いだ。
「……うん。あんたが幸せなら、それでいいわ。その強靭なポジティブさ、一生大事にしなさい」
◇
同じ時刻。役員フロアの副社長室。
大きなガラス窓から東京の街並みを見下ろす鷹見の背後に、千冬が静かに歩み寄った。
「副社長。角田氏の私物搬出、ならびに社内アカウントの完全削除、すべて完了いたしました。提携先企業への後任の手配も滞りなく済んでおります」
「ご苦労だった」
鷹見は振り返ることなく、満足げにコーヒーカップを傾けた。
「彼女のデスクに、あの男の怒声が二度と届くことはない。オフィス環境の清浄化は、業務効率の向上に不可欠だ」
「……副社長」
千冬は眼鏡を押し上げ、ジトッとした視線を上司の背中に突き刺した。
「一晩で証拠を完全に揃えて部長職を叩き出すなど、いくらなんでもやりすぎです。他部署の役員たちから『副社長の粛清が始まったのではないか』と戦々恐々の問い合わせが殺到し、私の対応業務で寿命が確実に三日は縮みました」
「何を言う」
鷹見は平然とした顔で、完璧なエリートの微笑みを浮かべた。
「不正を放置することは、企業の社会的信用を著しく失墜させる。私はただ、会社の規律を守るために、正当な人事権を行使したまでだ。やましいことなど何一つない」
「その割には」
千冬は鷹見の胸元を指差した。
「胸のポケットに、紬さんが昨日の会議で落とした『付箋の切れ端』を、シワひとつなく伸ばして大切に仕舞い込まれているようですが。それも正当な人事権の一環でしょうか」
「…………」
鷹見の動きがピタリと止まった。
冷徹無比な副社長の耳たぶが、みるみるうちに赤く染まっていく。
「……これは、社内備品の無断私有を防ぐための、一時的な保管だ」
「はいはい。そういうことにしておきましょう」
千冬は呆れたように肩をすくめ、手帳を胸に抱えて一礼した。
「それでは副社長。本日の定例役員会、笑顔を崩さずに乗り切ってくださいね。紬さんが『うちの会社は素晴らしい』と心から信じていらっしゃるのですから」
「……当然だ」
鷹見は咳払いを一つし、ポケットの中の小さな紙片を愛おしそうに指先でなぞった。
無菌室の平和は、今日もまた、誰にも知られることのない冷徹な力によって守られたのだった。




