第25話:浴衣姿の破壊力
深夜零時十五分。
創業三百年を誇る名旅館『翠巒亭』の広大な敷地は、昼間の賑わいが嘘のように深い静寂の中に沈んでいた。
山あいを渡る冬の夜風が、庭園の赤松や孟宗竹をかすかに揺らし、サラサラと波のような葉擦れの音を立てている。風情ある板張りの長い渡り廊下には、等間隔に配置された行灯の和紙越しに、柔らかで温かみのある橙色の灯りだけがぽつりぽつりと灯っていた。
離れ『月の間』の室内では、大広間での宴会と豪快な露天風呂を満喫した関茉莉花が、浴衣のままふかふかの布団にダイブし、すでに気持ちよさそうな寝息を立てていた。
「すぅ……すぅ……ん……推しの限定ブロマイド……あと三枚……」
幸せそうに呟いて寝返りを打つ先輩の姿に、槇原紬はクスリと小さく笑みをこぼした。
「茉莉花先輩、本当にお疲れだったんだなあ。おやすみなさい」
そっと茉莉花の肩口まで羽織を掛け直してあげてから、紬は自分の首元に手を当てた。
まだ身体の芯がぽかぽかと熱い。岩風呂の天然温泉は成分が濃厚だったせいか、お風呂から上がって三十分以上が経過した今でも、皮膚の内側から心地よい熱気がじんわりと立ち上ってくる。
そして――猛烈に、喉が渇いていた。
「お部屋の冷たいお水も美味しいけど……やっぱり温泉旅行の夜といえば、あれだよね」
紬の頭に浮かんだのは、先ほど本館の大浴場へ続く連絡通路の角で見かけた、レトロな木製ベンチと自動販売機コーナーだった。そこには、伊豆の牧場直送の瓶入り低温殺菌牛乳と、濃厚なコーヒー牛乳が氷水に冷やされて並んでいたのだ。
「茉莉花先輩を起こさないように、そーっと買ってこよう」
紬は手元の巾着袋に小銭入れを入れ、静かに部屋の襖を開けた。
今夜の紬の装いは、旅館から支給された藍色の小花が散りばめられた特製の温泉浴衣だった。帯は柔らかい薄桃色で、腰元にきゅっと控えめに結ばれている。
湯上がりの肌は、磨き抜かれた白磁のように透き通り、ほんのりと上気した桜色に染まっていた。普段のオフィスで見せるカチッとしたシャツやタイトスカートの機能美とは打って変わり、温泉浴衣という衣装は、女性の持つ華奢な曲線を無防備なまでに際立たせる。
まだ毛先にわずかな湿り気を帯びた艶やかな黒髪は、後頭部で無造作にひとまとめにアップにされ、細く白い首筋からなだらかなうなじのラインが、惜しげもなく露わになっていた。歩くたびに、浴衣の合わせ目から鎖骨のくぼみがちらりと覗き、ふわりと石鹸とシャンプーの清潔な甘い香りが夜の廊下に漂い出す。
カラン、コロン。
足元に履いた素足の桐下駄が、磨き抜かれた廊下の木肌に澄んだ音を刻む。
「夜の旅館の廊下って、なんだか異世界に迷い込んだみたいでドキドキするな……」
紬は行灯の明かりを頼りに、自販機コーナーを目指して渡り廊下の角へと歩みを進めた。
しかし――彼女は知らなかった。
その曲がり角の先、わずか数メートルの薄暗がりの中に、今まさに【理性の臨界点】を迎えつつある男が潜んでいたことなど。
◇
同じ刻、本館と離れを繋ぐ中庭の渡り廊下の物陰。
行灯の光すら届かない太い欅の柱の背後に、仕立ての良い漆黒のスリーピーススーツを完璧に着こなした男が、彫像のように直立していた。
鷹見征司。
東京の鷹見ホールディングス本社で全社的な指揮を執っているはずの最高総帥が、なぜ深夜零時の伊豆の老舗旅館にいるのか。
表向きの理由は「グループ保有の迎賓館における特別査察、ならびに現地設備の抜き打ち視察」であった。
だが、その実態は――東京の副社長室で監視カメラのログを眺めていたものの、紬が「浴衣姿で外泊している」という事実に耐えかね、夜の八時に仕事をすべて放り出し、専用ハイヤーを法定速度ギリギリで飛ばして東京から二時間半で修善寺へ強行突入してきた結果だった。
(……静かだ)
鷹見は胸元の内ポケットに手を入れたまま、鋭い切れ長の瞳で暗闇を睨みつけていた。
先ほど、梶原から「外周の不審者、ならびに野生獣の排除完了」の通信が入った。成瀬の館内ハッキング網も完璧に機能しており、酔っ払った社員が部屋から抜け出す兆候もない。
安全だ。我がグループの牙城において、彼女の安寧は完璧に担保されている。
だが――安全であればあるほど、鷹見の胸の内には、どす黒く煮えたぎるような渇望と熱狂が渦を巻いていた。
(同じ屋根の下にいるのだ……。あの愛しい人が、この同じ旅館の敷地内で、眠りにつこうとしている……)
触れたい。
あの華奢な肩を抱き寄せ、自らの腕の中に閉じ込め、世界の悪意と理不尽から永久に隔離してしまいたい。
だが、できない。
不可侵条約の鉄の掟。何より――もし今、夜這いのような真似をして彼女の部屋へ押し入れば、あの真面目で清らかな少女は恐怖のあまり絶叫し、自分を「唾棄すべき犯罪者」として永遠に拒絶するだろう。
嫌われたら死ぬ。
軽蔑されたら、我が心臓は停止する。
鷹見は歯を食いしばり、右手でネクタイの結び目を強く握り締めていた。その掌の中には、理性を繋ぎ止めるために親指の腹へ深々と突き刺したプラチナのネクタイピンの鋭い針があった。痛覚だけが、暴走しかける己の狂気を現世へと繋ぎ止めている。
その時だった。
カラン、コロン……。
静寂に包まれた渡り廊下の向こうから、澄んだ、軽やかな下駄の音が近づいてきた。
「……ッ!?」
鷹見の全身の筋肉が、一瞬で鋼のように硬直した。
この足音。この歩調のテンポ。
心拍数、歩行速度、足圧――成瀬のトラッキングデータで何千回、何万回と頭に叩き込んできた、世界で唯一の、かけがえのないリズム。
(ま、槇原……紬……!?)
なぜだ。なぜ彼女が、深夜零時を回ったこの時間に、一人で部屋の外を歩いているのだ!?
鷹見が物陰から身を引こうとした、まさにその刹那――
ふわり、と。
冬の夜気を切り裂いて、甘く、清らかで、脳髄を痺れさせるような芳香が鼻腔を直撃した。
湯上がりの蒸気。清々しい石鹸の香り。そして、彼女自身の肌から立ち上る、芳醇で柔らかい体温の匂い。
角を曲がってきた少女の姿が、行灯の柔らかい光の中に浮かび上がった。
「あ……」
紬が足を止めた。
そして――鷹見征司の視界が、音を立てて真っ赤に明滅した。
◇
(な…………ッッッッ!?!?!?!?!?)
鷹見の脳内で、全神経のヒューズが火花を散らして一斉に焼き切れた。
目の前に立つ、槇原紬。
薄い藍色の温泉浴衣。腰元できゅっと結ばれた細い帯が、彼女の華奢なウエストのラインを残酷なまでに強調している。
湯上がり。
上気した桜色の頬。濡れたように潤んだ大きな瞳。
そして――アップにされた黒髪の隙間から、無防備に晒された、抜けるように白い襟足とうなじ。
浴衣の合わせ目がかすかに緩み、行灯の光に照らし出された鎖骨の窪みに、小さな汗の雫が一粒、滑り落ちていくのが見えた。
ドクンッ!! ドクンッ!! ドクンッ!!
鷹見の左手首に巻かれた最高級スイス製機械式時計の文字盤を突き破らんばかりに、彼の心臓が激しい重低音のドラムを打ち鳴らし始めた。
血圧は優に二百を突破。脳血管がミシミシと軋みを上げ、全身の血液が頭頂部へと沸騰して逆流していく。
(う、美しい……ッ! なんだこの破壊力は……ッ!! 天上の天女か、山に棲まう雪女の化身か……!? 鎖骨……うなじ……素足……! 神よ、これが現実だというのか……!?)
今すぐその細い腰を抱きすくめ、その白いうなじに顔を埋め、自らの熱い呼気でその身を染め上げたい衝動が、津波のように理性の防波堤を打ち砕こうと暴れ狂う。
しかし、当の紬は――
暗闇の中に佇むスーツ姿の美丈夫をまじまじと見つめた後、パアッとひまわりが咲き誇るような、これ以上ないほど屈託のない笑顔を浮かべたのだ。
「あ! 鷹見副社長!」
鈴を転がすような、涼やかで愛らしい声。
「ま……槇、原……」
鷹見の喉から絞り出されたのは、辛うじて人語の体裁を保った掠れ声だった。
紬は下駄を鳴らしてトコトコと二歩、三歩と歩み寄り、鷹見の正面わずか一メートルの距離で見上げてきた。
至近距離。
彼女の吐く息が、冬の冷気の中で白くふわりとほどける。その温もりが、鷹見のスーツの襟元に届くほどの距離。
「副社長、こんばんは! こんな夜遅くにどうされたんですか? まさか、副社長も伊豆にいらしてたんですか!?」
「あ……ああ……」
鷹見は全身の筋肉を極限まで硬直させ、直立不動の姿勢を崩さないように必死で踏ん張っていた。
爪が手のひらの肉に食い込み、ネクタイピンの針が親指の骨に到達しそうなほどの激痛が走る。だが、その激痛をもってしても、目の前の少女の放つ圧倒的な「無防備な色香」を相殺しきれない。
「千冬さんから、副社長の特命でこの旅館を手配してくださったってお聞きしました! 本当に、本当にありがとうございます! お部屋の露天風呂、すっごく広くて、星が綺麗で……信じられないくらい気持ちよかったです!」
紬は自分の両頬に手を当て、蕩けるような笑顔で言った。
「副社長もお仕事でお忙しいのに、わざわざ伊豆まで視察にいらしてくださるなんて……本当に頭が下がります。副社長も、もう温泉に入られたんですか? すっごくお肌がツルツルになりますよ!」
「…………っっ」
鷹見の奥歯が、ギリギリと粉砕寸前の音を立てた。
(お肌が……ツルツル……!? 私に……私に向かって、自身の肌の感触を想起させるような言葉を……無意識に放っているのか……!? 無自覚な悪魔め……! これ以上私を狂わせる気か……ッ!!)
喉がカラカラに渇き、視界の端が真紅のノイズでチカチカと明滅する。
今すぐ「君の肌に触れさせろ」と叫んで飛びかかりたい衝動。
――だが。
鷹見征司の魂の奥底にある「誇り」と、「彼女に嫌われることへの絶対的な恐怖」が、超人的な力で狂気の怪物をねじ伏せた。
ここで手を伸ばせば、彼女のこの眩しい笑顔は二度と見られなくなる。
彼女の信頼を裏切り、恐怖と嫌悪の涙を流させることなど――我が命を百回捨てるよりも耐え難い。
「……槇原」
鷹見は震える手でスーツの襟元を正し、絞り出すような、極限まで抑え込まれた威厳ある低音で告げた。
「……夜風は、冷える。湯冷めをして風邪を引いては、せっかくの慰労旅行が台無しだ。……用件が済んだら、早く部屋に戻り、温かくして寝なさい」
「あ……はい! そうですよね、冷えちゃったらもったいないですもんね!」
紬は素直にこくりと頷き、自販機の方を指差した。
「喉が渇いちゃったので、自販機の冷たい瓶牛乳を買いに来たんです! 買って、すぐに部屋に戻ってお布団に入りますね!」
「……うむ。それがいい」
「副社長も、夜分のお仕事本当にお疲れさまです。あまり無理なさらないでくださいね! それでは、おやすみなさい!」
紬は深々と丁寧に頭を下げると、くるりと身を翻し、カランコロンと軽快な下駄の音を響かせながら、自販機コーナーの向こうへと歩み去っていった。
トッテッテッ、と遠ざかる足音。
行灯の光の届く廊下から、彼女の姿が完全に消え去り、静寂が戻る。
一秒。
二秒。
三秒。
彼女の気配が、完全に廊下の彼方へと消え去った、その瞬間――
ドッガアアアアアアアアアアアアアアンッッッッッッッッッ!!!!
静まり返った渡り廊下に、まるで大砲が着弾したかのような凄まじい轟音が炸裂した。
◇
「ぐああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっ!!!!」
渡り廊下の中央。
鷹見征司は、樹齢三百年を超える極太の檜の通し柱に向かって、自らの額を全力の頭突きで叩きつけていた。
ドォン! ドォン! ドォン!
連続して響く、頭蓋骨と銘木の衝突音。
柱の表面の漆塗りがピシリと微かにひび割れ、鷹見の額からタラリと鮮血が一筋、頬を伝って流れ落ちる。
「ハァッ……! ハァッ……! ハァッ……!」
鷹見は柱に両手をつき、肩で激しく息を乱しながら、野獣のような唸り声を漏らしていた。
整えられていた黒髪は乱れ、瞳のハイライトは完全に消失。ネクタイピンの刺さった親指からは血が滴り、スーツの胸元は激しい動悸で波打っている。
「うなじ……! 浴衣……! 鎖骨……ッ!! 触れたかった……! 抱きしめたかった……! あの柔らかな身体を、今すぐ私のものにしたかった……!!」
鷹見は自らの髪を両手で掻きむしり、悶絶するように床に膝をついた。
「だが……耐えた……! 私は耐え抜いたぞ……! 紳士として……尊敬すべき上司として、彼女に恐怖を一切与えずに見送った……! 我が理性の勝利だ……! 褒めろ……誰か私を褒めてくれ……ッ!!」
狂乱し、血を流しながら独り言を叫ぶ財閥の若き総帥。
その背後の暗闇から――
カツ、カツ、カツ。
一切の足音の乱れを感じさせない、静かで冷徹な歩みとともに、一人の女性が姿を現した。
仲居頭の着物を乱れなく着こなし、手帳と専用の医療バッグを抱えた秘書――佐伯千冬だった。
千冬は額から血を流して膝をつく鷹見を一瞥し、深々と、地球の裏側まで届きそうなほど重い溜息を吐き出した。
「……副社長。防音結界を張っていなければ、今の一撃で全館の警報器が作動するところでございましたよ」
「千冬……見ていたのか……」
鷹見が血に染まった顔を震わせながら見上げる。
千冬は無言のまま、バッグから一本のエアゾール缶を取り出した。
シューーーーーーーーーーーーーーッッ!!
「ぐあああああああっ!? つ、冷たい……ッ!!」
千冬は至近距離から、鷹見の割れた額に向かって容赦なく冷却コールドスプレーを全噴射した。純白の霜が鷹見の額と前髪に瞬時に張り付いていく。
さらに、千冬は手際よく滅菌ガーゼを取り出すと、鷹見の額の傷口にバンッと力任せに貼り付け、医療用テープで固定した。
「はい、止血完了です。脳震盪の兆候はございませんが、前頭葉の冷却を優先してください」
「き、貴様……手加減というものを知らんのか……」
「手加減をする価値がございません」
千冬は冷徹に言い放ち、手帳を開いてペンを走らせた。
「檜の柱の修繕費用、概算で八十五万円。副社長の個人口座から天引きさせていただきます。……それにしても」
千冬はジトッとした視線を落とし、荒い息を整えようとしている主君を見下ろした。
「浴衣姿の紬さんを前にして、よくぞ理性を保ちましたね。一歩間違えれば、明日の朝刊の一面を『大手財閥副社長、深夜の老舗旅館で女子社員に暴行未遂で現行犯逮捕』の文字が飾るところでした」
「ふ、不吉なことを言うな……! 私は……彼女の笑顔を曇らせるような真似は、天地が裂けてもせん……!」
「ええ、その意気や良し、でございます」
千冬は懐から、保科貴文から預かっていた超強力な精神安定カプセルと、紙コップに入った冷水を差し出した。
「副社長。ナイスファイトでございました。これを飲んで、今夜は別棟の貴賓室で頭を冷やしてお休みください」
「……うむ」
鷹見は震える手で薬を飲み干し、千冬の手を借りてよろよろと立ち上がった。
その時だった。
ピリリリリ、ピリリリリ。
千冬の胸元のインカムから、成瀬郁の呆れ果てた声が漏れ聞こえてきた。
『もしもーし千冬さん? 鷹見さんのバイタルログ、一瞬心拍数二百二十を記録してビビったんだけど! 監視カメラで見たら柱に頭突きして流血してるし、何やってんのあの人!? 紬さんは今、自販機で買った牛乳持って無事に部屋に戻ったよ〜』
さらに、保科貴文の冷ややかな声が割り込んでくる。
『佐伯さん。副社長の頭部外傷の処置、感謝します。念のため、破傷風の予防接種と頭部CTの手配をしておきましょうか? 愛する人の浴衣姿を見ただけで柱を破壊するなど、医学的には完全な前頭葉機能不全ですよ』
『……外周警備、異常なしだ』梶原の重低音が重なる。『柱を壊すなら、事前に言え。音の偽装工作が必要になる』
「……皆様、通信をお切りください。胃薬の消費量が増えるだけです」
千冬が冷たく回線を切断し、深夜の渡り廊下に再び完全な静寂が戻ったのだった。
◇
午前零時半、離れ『月の間』。
「ぷはぁーっ! やっぱりお風呂上がりの牛乳は最高!」
広縁の椅子に腰掛け、冷たい牛乳瓶を飲み干した紬は、満足そうに口元を拭って息を吐いた。
窓の外を見上げれば、冬の満天の星空がどこまでも静かに煌めいている。
「鷹見副社長、本当にお仕事熱心だったなあ。深夜まで旅館の設備をチェックして回るなんて、やっぱり上の上に立つ人って、見えないところで人の何倍も努力してるんだ……」
紬は手帳を開き、明日の旅程表を眺めながら優しく微笑んだ。
「私も、副社長や先輩たちを見習って、もっともっと素敵な記事を作れる編集者にならなきゃ」
紬は布団に入り、ふかふかの掛け布団を顎まで引き上げた。
名湯の温もりが全身を包み込み、心地よい睡魔がまぶたを重くしていく。
「おやすみなさい……」
誰にも破られることのない、完璧な無菌室の静寂の中で。
無自覚な女神は、天使のような寝息を立てて、幸せな夢の世界へと旅立っていった。
彼女の知らないところで、血を流し、柱を砕き、理性を削りながら彼女の聖域を守り抜いた男たちの、長く熱い伊豆の夜が、静かに更けていくのだった。




