第二十話 当事者の発言・前編
「……ここは」
「あ、藍沢先生起きました?」
「レン……?っ重戦闘区域か!?」
「え?ああそうっすけど」
「おはようございます藍沢先生」
思わずと言った風に飛び起きた藍沢先生にびっくりした表情を向けるレンリさん。どうしたんだろうな藍沢先生、れおもびっくりしたのかころころ転がってる。
「待てどうなってる何で俺はここにいる」
「落ち着いてくださいよ藍沢先生。まず前提として、藍沢先生の意思で重戦闘区域に来てますし、医療部門には俺が呼んだことにしてます。ので詮索はされません」
「氷野が?」
「っす。あと用事の内容までは知りませんが布袋さんに会いに行こうとしてたっぽいっすね」
「……」
淡々と情報を羅列したレンリさんに藍沢先生は沈黙を返す。納得……したのかな、どっちかっていうと記憶の整理をしてるのかな。レンリさんも詳細は聞かず藍沢先生の言葉を待つ。
「……俺は、何で倒れた」
「急激な魔力濃度の落差による失神、っすね」
「失神……ああくそ、耐えれると思ってたんだが」
「原因に思い当たる節はあるんですか」
「そうだな。……すまん、迷惑をかけた」
「いや別に……寧ろ諸々につけこまれなくてよかったと言いますか」
「おあ……」
しおらしい藍沢先生が珍しいんだろうか、れおは僕の顔とレンリさんの顔を交互に見ている。確かにあんまり見ないな、とは思うけど流石に失礼じゃないだろうか。
「どうします?布袋さん呼べますけど」
「そうだな……頼めるか」
「はーい」
レンリさんは手短に布袋さんへと連絡を飛ばし、そうしてから思い出したかのように僕へと視線を向ける。
「テオ、アラン職員呼んでくれ」
「アランさん……ですか?」
「ああ。一応報告はしておいた方が良いだろ」
「確かに」
アランさんは名義上重戦闘区域のトップなので、出来るだけ何が起こっているのかは把握しておいた方が良いだろう、というのは分かる。僕が連絡を入れれば、アランさんはすぐに来ると言ってくれた。
「すぐ来るそうです」
「そうか。布袋さんも用事を済ませたらすぐ来るらしい」
布袋さんもアランさんも気にかけていたんだろう、程なくして二人共医務室に合流し、藍沢先生に体調を問う。
「藍沢先生、体調は……」
「問題ない。心配かけて悪かったな」
「いえ、藍沢先生が無事でよかったです」
「藍沢ー!無事!?」
「ああ」
「布袋さん一応ここ医務室っす」
「あっゴメンゴメン」
「その……藍沢先生、少々お伝えしたいことが……」
「……何かあったのか?」
「そう……ですね、何があったのか、というのを俺達も知りたいんです」
「……」
藍沢先生が黙り込んじゃったな。何らかの自覚があるのかな……?
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