第十四話 見定める者を連れて
暫くして圧迫感が消える。ほっと息をつけばスミレくんも抱き着いたときの体勢のままこてん、と後ろに倒れ込んだ。疲れたのかなと判断して今度は僕が抱え上げる。れおも大人しくナタさんを撫でているので術式が解除されたのは確からしい。
「回復」
「しませんね……つかあんまり自己修復機能つけてないんすよ予備なんで」
「じゃあ今度から超速回復機能つけてくれ。必要なら作るから」
「リソース足ります?」
「足らせるんだよ」
雪代さんの台詞にレンリさんは若干引いてる……訳でもなさそう。リソースが足りないなら足りるようにする、っていうのは普通なのかな、工夫をするといえば聞こえはいいけれど、多分そういう意味ではなさそうだし。
「アラン達は?」
「多分戻って来てるんじゃないすかね。今医療部門の方の入退室記録が動きましたし」
「お前そこ監視してんの?」
「しまったバレた」
うっかり口を滑らせたのか、レンリさんがちょっとだけ眉をしかめる。中央に戻って来てから設置したのかな……そもそもなんで医療部門にそんなものを設置しているのかが分からないけれど。
「(ふんふん)」
「むい」
誰かが来てる……この気配はアランさんかな、志葉さんとユウヒさんの気配はないので二人が怪我をした訳ではないらしい。アロンさんは黙っていたけど視線を扉の方へ向け、レンリさんは何も反応していないけど雪代さんがびっくりしないようにか指で扉を示した。
「レンリさん、藍沢先生は……」
「まだ目覚めてはないけど……」
「分かりました。では」
「その前に何があったんだよアラン、明らかに術式が起動しただろ」
聞きたいことだけを聞いてすぐに離席しようとしたアランさんを呼び止める雪代さん。止められると思っていなかったのか、アランさんは目を丸くした。
「ええと……はい。俺は巻き込まれていないので、詳細を聞こうと」
「なら俺も行く」
「……いいえ、出来ればこれは……俺に任せてください」
「…………何かあったのか?」
「……」
アランさんは何も答えない。ただ。困ったように眉を下げるだけだった。スミレくんが膝上からちょん、と飛び降りてアランさんのところへと歩いて行く。
「スミレさん」
「(びしっ)」
「……えっ、なんです?」
「(とてて、ぐいー)」
「れ、レンリさーん」
「何してんだスミレー」
勢いよく指を指したかと思えば腕を引っ張られる。何をしてるんだろうスミレくん、アランさんも困惑しているのかただ見てるだけだし。振り払えず引かれるままに足を進めれば、スミレくんはアランさんを見上げて何かを訴えるように更に僕の腕を引く。
「スミレさんがいいなら、まぁ……?」
「(こくこく)」
「お、テオは許されたか」
「何が許されたのか分かってないんですけど……」
「すみませんテオさん、……一緒に来ていただけますか?」
…………僕も?
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