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秩序の天秤  作者: 霧科かしわ
第二十章 閉じられた扉の先

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第四話 ブラックボックス・中編

「本当にきな臭いんだぞ!」

「まぁ、職員であっても同意見の人間が多いと思います」

「リアムさんから見てもきな臭いんですか」

「兄さんすらも詳細を知らないエリア、というだけでな……」

 ヒュリスティックの最高権力者だと名高いアランさんですら把握出来ないエリア、というだけで一気に胡散臭さが跳ね上がるな。アランさん自身はどう思っているんだろう、皇なら話を聞いたことがあるかもしれない。

 藍沢先生が倒れたことと、特性遮断区域のどこかに魔力濃度が異常に濃い場所があるのではないか?という疑問。アランさんと皇は一旦情報を回収するために医療部門に行ったみたいだけど……果たして医療部門でどれだけの情報が得られるか。

「そもそも藍沢先生が倒れてるのが前代未聞すぎるんだぞ……あの人何があっても一人だけピンピンしてることで有名なのに」

「一人だけピンピンしてるんだ……」

「一般区域にいた頃から人間かどうかよく議論されてたんだぞ」

それはそれで凄いな藍沢先生。そもそもの経歴からしてかなり異質寄りの人ではあると思うけれども。そしてそれだけタフネスな人が倒れているという現状がますます異常事態だと知れる。

「特性遮断区域はな……結局何も分からない、というか調べようがないから困る」

「調べようが……」

「ああ。何せ特性が使えないからな、情報収集系の特性ではないとはいえ、不便なことに違いはない」

「俺や入江くんが行っても情報が取れない、ってことだもんな……厄介極まりないんだぞ」

「そうですね……魔術でも駄目なんですか?」

「雪代さん曰く、そうらしい」

 雪代さんが無理だというのなら本当に無理なんだろうな。魔術も特性も使えない区域、そんなところに怪異が出たらさぞ苦戦するだろうと思うし、だからこそ重戦闘区域の管轄なんだろうとも思う。……その割に立ち入り禁止ではあるんだけど。

「今回は藍沢先生が巻き込まれている以上、何らかの手は打つ必要があるんだが……」

「でも藍沢先生が倒れたことは知られてないですよね?」

「そこなんだ、問題は」

 今回の問題を周知されると藍沢先生の現状を知られることになる。そもそも藍沢先生の立場がかなり不安定である以上弱みになりそうな情報は伏せるべきで。そこまで考えて藍沢先生を相手が巻き込んでいるのだとしたら相当性格が悪いと思う。

「正直医療部門でどこまで情報が得られるのかは未知数だが……少なくとも誰が指示を出したのか、は分かると思いたいな」

「そうですね、そこから情報が得られるかも……!」

解決とはいかなくても、少しでも進展があれば良いな……アランさん達だし大丈夫、だよね?

ここまで読んでくださりありがとうございます!

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