第四十九話 遣霊を害するということ・前編
「もーい」
「そうだよね。俺には絶対出て来ちゃだめっていってたのに無茶するのは聞いてないよねぇ」
「ごめんなさい」
「ぴ!」
ソウさんとももくんのやりとりに対し、素直に謝るリアム。……悪いと思っているというよりは怒られてるから誠意を見せてるだけっぽいな、反省はしてなさそう。なつがジト目でリアムを見てるし。泰誠に宥めるように撫でられてるから特に指摘はしないけど。
「もう……ちゃんと反省してる?次やったら俺が参戦するからね」
「それはソウが怒られるのでは……?」
「ちゃんとアランには許可取るから大丈夫」
「もん」
「アランさんがそれを許可しますかね……?」
「快くオッケーしてくれたよ?」
「しまった既に打診済みだった」
行動が早いなソウさん。リアムも流石にソウさんの参戦は望んでいないのか、大人しく反省していますと返す。ばれなきゃいいとは思ってそうだけど、ばれたら不味いっていう認識はありそうだから大丈夫……かな?
「ところでリアム、目的は果たせたの?」
「ええ、はい。聞きたかったことは、一応」
「それならまぁ、よかったかな?」
「もももい」
微笑まれるとは思ってなかったのか、リアムは少しだけ驚いたように目を見開く。ちゃんと怒られる自覚はあったんだ、自覚があるのに強行する理由があったんだな……。
「リアムの目的については聞かないけど……それはそれとして戦ったんだよね?どうだった?」
「ええと……相手は大雅を模した個体でした。目的はクローゼットの……白糸夫妻の皮の破壊」
「破壊……回収じゃないんだ」
「そうですね。それと、どうやら遣霊……うぱーを人質にしようとしたようで」
「えっ」
「ぴ!」
「それってつまり……リアムの遣霊がうぱーくんだってことを知ってる、っていうこと?」
「そうなりますね」
実際には人質にされていないとはいえ、リアムとうぱーくんの関係性およびうぱーくんの容姿を知っていた、という事実にソウさんは表情を変える。いくらリアムが顔出ししていないとはいえ、職員である以上情報はあるだろう、けれど、うぱーくんは?
「流石に不味いよね……遣霊を捕まえることはほぼ不可能とはいえ、人質になると思われてる事実が不味い」
「そうですね。今回はうぱーだったので事なきを得ましたが」
「もーい」
「一応……遣霊って害されることはないんですよね?」
「一応ね。ただ、本人達は怪我をしないけど、暴力を振るわれたりするのは嬉しくない」
「すん!」
確かに、中身は違うとはいえ一見すると幼子である遣霊を害するのは良くないし、俺としてもなつ達を傷付けられるのは嬉しくないな……。
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