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秩序の天秤  作者: 霧科かしわ
第十九章 失って、尚残る

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19-47 報告・前編

「蒐集機関……ですか」

「ああ。知ってるか?」

「知識だけですが……」

 知ってたんだ。俺は知らなかったんだけどどこで知ったんだろうね。アランの場合どこで何を知っててもおかしくないからなぁ、とはいえ情報があった、ということはどこかで問題にはなったんだろうけど。

「その蒐集機関?っていうのがどうしたの?」

「西と手を組んでるらしいな。少なくとも今回の襲撃に関与してるらしい」

「……厄介ですね」

「ああ」

 ゆっきーがいうにはその蒐集機関ってやつ、珍しい種族を攫って標本にするらしいね。わざわざ関与してるの、誰を狙ってるんだろうなぁ……?

「どこにいたのか、とか分かる?」

「そこまでは……」

「恐らく下見ではないかと……」

「下見?」

「はい。恐らくというか確実に今回の侵入者に”本体”はいなかったので」

「結構知ってるね?」

俺はその本体なる人物を知らないけど明らかにアランは色々知ってそう。青藍はどれくらい知ってるのかな、こんなに情報出るなら代わってもらうべきだったかも。

「今回の侵入者がどこに何人配置されていたのかは?」

「ちゃんと記録してる。後で確認してくれ」

「分かりました。シン、貴方も戦ったと聞いていますが」

「うん戦ったね。とはいってもあんまり参考になるかは分かんないよ?」

「構いません」

なんせ相手は偽装とか一切してなかったからなぁ。ある意味一番外れと言っても過言じゃないよね。他のところはちゃんと偽装した相手が来てたのにな、もしかして偽装してないのがその蒐集機関の人員だったりする?

「んー別に特殊な感じはしなかったけど……強いて言うなら敵意が薄かったかな?」

「敵意が……」

「そう。多分俺達の正体は知ってたはずなんだけど、やけにこっちへの敵意が薄かったなーって。というか多分俺達の方って囮だったんだよね」

「囮……ええ、恐らくそうでしょうけど」

「模倣されることはバレてるのにわざわざ”侵入者”として入ってきた意味はあるのかな」

「……成程」

「囮だから……か?いやでも攪乱するだけなら模倣しておいた方がいいよな……?可能性が高いのはそいつが蒐集機関の奴だった、ってことになるが」

「有り得ません」

 アランのやけにはっきりとした言葉に俺とゆっきーはそろって顔を見合わせる。そういえばさっきも本体は確実にいない、っていってたね、つまりアランはその蒐集機関に直接会ったことがあるってこと?

「アラン、説明」

「蒐集機関は個人なんです。そしてその個に関しては存在が登録されています」

「登録……いや待って、個人なのに蒐集機関って名乗ってるの?」

「はい。万が一に備えて気配も探りましたが、残滓すらも存在していないのでいないはずなんですよ」

「「…………」」

確実にいない、ってことは分かったけど……それ以上に聞きたいことが増えたよ?

ここまで読んでくださりありがとうございます!

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