第三十三話 偽者との対峙
「ふふ、緊張しちゃうね」
「本当に大丈夫?青藍だけじゃ心配なんだけど」
「おいこら」
「大丈夫ですよシンさん。ちゃんと護衛として私達もつきますので」
「まぁそうなんだけどさ」
重戦闘区域にいるだけでは襲撃は来ない、と踏んでソウさんと俺、大雅、アルマさんの四人で一度ツンドラに行くことになった現在。一応青藍さんが簡易的なワープ機能を実装してくれるらしいけど、流石に一度自力で向かわないと駄目らしい。
「最近の青藍は腑抜けてるからなー」
「お前にだけは言われたくないんだけど?」
「はー?俺は別に何もしてないじゃん。そもそもこの空間の維持に関わってたりしないし」
「尚の事悪いだろ。それ世間一般ではサボりっていうんだぞ」
「やめてよ気にしてるんだから」
気にはしてるんだ……。てっきりシンさんは空間維持の都合上あんまり外に出られない青藍さんの代わりに外の事をしているものだと思ってたけど、発言的に違うらしい。
「むー俺もついて行きたいんだけど……」
「駄目に決まってんだろ。遠足に行くわけじゃねえんだぞ」
「だんなー……」
「レンも華蓮と一緒にお留守番しててね」
「だん!」
元気よく頷いたレンに微笑んで華蓮に渡す。華蓮も少しだけ心配そうな表情は見せたけど、結局何も言わずに頭を撫でられた。
「……ん?」
「どうしたの青藍」
「いや……何か、ちょっと問題が起こってるみたいで」
「どこ?」
「訓練室の方なんだけど」
「訓練室?ちょっと行ってくる」
「あ、俺も行きまーす」
「あんま迷惑かけるなよ」
まずは青藍さんとシンさん、シリウスさんが離脱。続けて顔を出したアランさんに呼ばれて大雅とアルマさんが席を外す。想像よりも早く動かれたな、と内心で呟きながら華蓮とひっそり頷きあった。
「じゃあ綾華、あとで」
「なんなな!」
「うん。あとでね」
華蓮がレンと一緒に退室していったのと入れ違いになるようにひょっこりと皇が顔を出す。……成程、そう来たか。
「どうしたの?」
「いや、俺も何が何だかよく……」
「そう。てっきり――――不意を突きに来たのかと思ったんだけど」
「……」
表情が変わったな。だが攻勢に転じる気配はない。攻撃機能がない?いや……違うな、ここで攻撃するには不都合があるのか。
「読まれていたことによる沈黙?それとも……二人目を待ってるの?」
「……参ったな、全部読まれているとは」
「まぁね。それはそれとして、ここまで潜入されてる事実に頭を抱えるしかないけど」
青藍さんが知ったら発狂するんじゃないだろうか。絶対青藍さんが把握してないバックドアがあると思う。
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